FITS エコノミックレポート

午前の市場コメント!

中国の物価指標が公表

○10:30 :5月消費者物価指数 [前年比] (前回+1.2% 予想+1.5%)
○10:30 : 5月生産者物価指数 [前年比] (前回+6.4% 予想+5.7%)

直近では中国の指標に対する反応は鈍いが、物価が落ち着くと、過度な金融引き締への懸念が緩和され、上海総合株価にとっては好材料となりやすい。

 

★日経平均株価:円高一服で落ち着いた展開

英議会の混迷リスクや円高圧力などが重しとなりやすい。欧米市場に向けて、英総選挙結果や前FBI長官証言の内容を改めて消化していく展開となる。ただ、米国株の底堅さや前日の中国の輸出入改善などが、日本株の下支え要因となりやすい。ユーロ安やポンド安の通貨に対してドルが上昇していることから、ドル/円でのドル安・円高は抑制されている。8-9日にかけて欧英米での重要イベントが一段落となることもあり、一旦の材料出尽くしなども過度なリスク回避を抑制させる。日経平均株価は、前日比43円高の1万9953円で寄り付いた。6月限株価指数先物・オプションSQ(特別清算指数)暫定値は1万9997.63円となった。その後は、円高が一服していることもあり、上げ幅をやや拡大する落ち着いた展開となっている。

 

★東京外国為替市場:思いのほかドル/円は底堅い展開

ドル/円は、米国株や米長期金利の動向次第となるが、109円台では利益確定買いや実需買いが散見されており、ドル/円は110円前後での動きとなっていて、改めて底堅い展開となっている。ただ、北朝鮮による地政学リスクや不透明感の強い米長期金利動向による円買いニーズも残っており、上値も限定的との見方となっている。ユーロ/ドルは、ECB理事会において、利下げの可能性を示唆するガイダンスを削除したが、量的緩和については12月まで継続し、必要に応じて延長するとの文言を残している。出口戦略は時期尚早との見方が先行していることから、引き続き1.12ドル前後での動きになりやすい。

 

本邦輸出勢は期日決済以外は静観スタンス。米系短期筋のドル売りは110.50円から継続的に観測されている。また、本邦輸入勢は109.50円からドル買いが観測されている。米系短期筋は109円台でドル買いが観測されている。

本日は英総選挙で保守党が過半数を獲得できるかどうか注目され、ポンド/円の大きな振れにドル/円も多少影響されるものの、下値は限定的な動きとなりそうだ。

 

★ECB定例理事会を受けて

ECBのドラギ総裁の記者会見を受けて、金利正常化に言及することが『かなり時期尚早だ』との見方が強まった。ECBは定例理事会で市場の予想通り政策金利を過去最低水準で据え置くことを決定した。同時に声明の中で、『金利を引き下げる可能性がある』との文言を削除し追加利下げ打ち切りを表明した。ドラギ総裁は会合後の会見で、デフレリスクが低迷したためフォワードガイダンスを変更したことを明らかにした。さらに、成長に関してのリスク評価引き上げ『概ね均衡』とした。また、ECBは成長見通しを上方修正した。ECBによる金利の正常化は2018年に持ち越されるとの見方が強まった。

 

★肩すかしとなったコミー前FBI議会証言

米上院情報特別委員会での証言の内容が伝わったが、事前にある程度情報が出ていたこともあるが、相場としてはほとんど反応しなかった。

・主な発言


「トランプ大統領はフリン氏調査の中止命令はしなかった」
「トランプ大統領は、ロシアに関する選挙調査を中止するように要請していない」
「トランプ大統領が妨害を試みたか、自分は述べる立場にない」
「トランプ大統領は捜査対象ではなかった」
「大統領が会合についてうそを付くだろうと懸念した」
「それが記録を取った理由」
「特別検査官設置の期待で、メモ流出を望んだ」

内容的には、今まで何を騒いでいたかよく分からない内容だった。

カテゴリー: ホットニュース

カテゴリー

カレンダー

5月 2024
« 1月    
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  

ページの先頭へ