FITS エコノミックレポート

午前の市場コメント!

★5月14-20日分の対外及び対内証券売買契約等の状況

国内投資家は、対外中長期債は7785億円の買い越しとなり、買い越しは4週連続となった。対外株式は261億円の売り越しとなり、5週間ぶりの売り越しとなった。また、海外投資家は、対内株式は264億円の売り越しとなり、売り越しは8週連続となった。対内中長期債は5631億円の買い越しとなり、買い越しは2週連続となった。対内短期債は1兆1841億円の買い越しとなり、買い越しは2週連続の買い越しとなった。

 

国内投資家は国内金利が低位にあることから、積極的に外国債券投資に傾いている。また、海外投資家は8週間ぶりに売り越しとなったが、市場を大きく動かすほどの売り越しとはなっていない。

 

日経平均株価:前日終値近辺での値動き

FOMCでの米利上げペース鈍化観測によるドル安や、米国経済の減速懸念、米国市場の週末からの3連休を前にした海外勢の売買先細りなどが重しとなりやすい。米国では、トランプ政権の政治疑惑が残っていることや、日本での安倍政権の友人を巡る疑惑、北朝鮮の地政学リスクや英国発のテロ懸念、前日の中国の格下げなどもリスク選好の動きが鈍化しやすくなる。米FOMC議事要旨では、6月の米利上げ観測は維持された。6月利上げまでは過度なドル安・円高が抑制されやすい。そのため、押し目買い地合いの継続が注目される。日経平均株価は、前日比5円安の1万9737円で寄り付いた。その後は、特段材料がないことから、前日終値近辺での値動きとなっている。

 

東京外国為替市場:ドルはFOMC議事要旨を消化する展開に

ドル/円は、米長期金利が再び低下したことが嫌気されるなか、ドル/円は112円の上値の重さが改めて意識されている。ただ、米長期金利の低下はリスク回避手段の一貫であり、日米金利差からドルを売り下がる外部環境ではない。そのため、111円前後では下げ止まる可能性が高い。ユーロ/ドルは、一時1.12ドル台回復するなど改めて先のメルケル独首相の『ユーロが弱過ぎる』発言が意識されている。しばらくはユーロは底堅い展開が予想される。

 

本邦輸出勢は112円台半ばからドル売りスタンス。米系短期筋のドル売りは112.10円から継続的に観測されている。また、本邦輸入勢は111円台前半からドル買いスタンス。米系短期筋も111円台前半からドル買いが観測されている。

 

★FOMC議事要旨まとめ

FOMCの5月2-3日開催分の議事要旨が公表された。総じて強きが継続しており、特にバランス・シートの縮小に関して、具体的な議論がされている。ただ、市場では、米長期金利の低下を受けて、ドル売りが優勢となった。一方、NYダウは上昇に転じたが、一部、現在のデータに弱気判断が示されたことを理由に挙げいる。実際のところは、公表前にドルが買われ過ぎた反動と見た方が良さそう。

 

・追加利上げ前に、直近の弱い経済データが一過性との追加的な確証を得ることが賢明

・データの弱さは、やがて一過性だったと判断できると予想する

・バランスシートの縮小は、緩やかにして3ヵ月ごとの縮小規模引き上げも策定

・当局者はバランスシート縮小の詳細を速やかに公表し、今年にも開始るすことを合意

 

★そろそろ米景気回復基調にも限界では

米議会は7月から8月末まで夏季休暇に入るが、『ロシアゲート』疑惑の捜査妨害等で頼みにしていた6月中の減税法案の議会審議が滞り、実質的な審議は今秋9月以降へと先送りを余儀なくされつつある。トランプ政権がほとんど経済政策に手を付けないまま、米経済パフォーマンスは米企業決算の好調や海外経済の堅調などトランプ政権の政策とは無関係のファンダメンタルズに支えられている。ただ、過去1世紀、米国の景気回復の長さは平均6年だった。現在の景気拡大は既に8年続いているため、リセッションが始まる時期は過ぎている。

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