FITS エコノミックレポート

午前の市場コメント!

★日3月貿易統計:市場予想より強い

財務省が発表した3月の貿易統計(速報、通関ベース)によると、輸出額から輸入額を差し引いた輸出超過額は6147億円となり、市場予想の6080億円より黒字額が大きくなった。

 

★4月9日-15日分の対外及び対内証券売買契約等の状況

国内の投資家は、対外中長期債は7962億円の売り越しとなり、売り越しは2週連続となった。対外株式も2317億円の売り越しとなり、売り越しは3週ぶりとなった。一方海外投資家は、対内株式は3152億円の買い越しとなり、買い越しは3週連続となった。対内中長期債は4105億円の買い越しとなり、買い越しは3週連続となった。短期債は6319億円の売り越しとなり、売り越しは2週ぶりとなった。

 

国内投資家は2週連続外国債を売り越しており、外債投資に対して消極的になってきている。また、日経平均株価は冴えない動きとなっているが、それでも海外投資家は3週連続で日本株を買ってきており、底堅い展開になっている一因となっている。

 

★日経平均株価:リスク回避の動きは小康でも上値重い

米国の株安や原油価格の下落でも円高が抑制されていることや、売られ過ぎ過熱感が出ていることが下支え要因となっている。前日の米国債市場ではドイツでの国債需給懸念によるドイツ国債金利の上昇などにより、米長期金利が小幅な上昇となった。そのため、日本市場では過度なドル安を抑制し、日本株のサポート要因となっている。ただ、ゴールドマン・サックスやIBMなどで、決算の失望低迷が相次いでいる。原油価格の下落や地政学リスク、欧州政治リスクなどが燻っており、直ぐにリスク選好の動きにはなりにくい。日経平均株価は前日比14円高の1万8446円で寄り付いた。その後は、為替市場でリスク回避の動きが小康となっていることで、小幅に上げ幅を広げている。

 

★東京外国為替市場:為替相場はこう着感が強まる

ドル/円は、地政学リスクが払拭されておらず、欧州政治リスクのあることから、積極的な上値トライには慎重にならざるを得ない。また、トランプ政権の期待からNYダウも上昇してきたが、政策遅延などから上値追いの動きにはなりにくく、決算相場の様相となっている。そのため、NYダウの続落を意識して、ドルはやや上げ渋る状態が続くと見られる。ユーロ/ドルは、再び1.07ドル前後でこう着した感が強いが、ドルやポンドの動向に左右される展開となっている。

 

本邦輸出勢は期日決済以外のドル売りは静観スタンス。米系短期筋は109.20円からドル売りが継続的に観測されている。また、本邦輸入勢は108.50円からドル買いが観測されている。また、108.30円には長期資金のドル買いが観測されている。米系短期筋も108円台半ばからドル買いスタンス。

 

★今日からG20が開催:為替問題よりも地政学リスクが中心か?

本日からG20 が開催されるが、会合を前に麻生財務相とムニューシン米財務長官の会談が予定されている。北朝鮮問題が直前のリスクとなっていることで、協力を求めるべき日本に対して悪い話しは出ない可能性が高い。一方G20 では、事前に米財務長高官が『為替問題を提議する』と述べているが、前回同様貿易不均衡の話しは続いても、今回はシリアや北朝鮮の緊張が高まっていることから、地政学リスクが議論の中心で、為替に関しては前回同様に、『通貨安競争は避ける』とのスタンスが維持される程度で終わると思われる。

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