FITS エコノミックレポート

午前の市場コメント!

★日2月の毎月勤労統計調査:市場予想を下回り

厚生労働省が発表した2月の毎月勤労調査(速報、従業員5人以上)で、すべての項目の給与を合わせた現金給与総額は前年同月比で0.4%増加となり、市場予想の前年同月比0.5%増加を下回った。

 

★日経平均株価:前日の大幅安の自立反発の展開

米国の新規失業保険申請件数の買い円、米高株や原油価格の底堅さ、それに伴うリスク回避の円高一服、米長期金利の下げ止まりによるドルの下支え効果などが支援材料となりやすい。昨日大幅下落したことで、売られ過ぎ修正による自立反発が注目される。ただ、米中首脳会談の行方や米3月雇用統計を見極めたいとのムードも強い。北朝鮮やシリアの地政学リスクにも警戒感が強く、自立反発を超えた上値追いには慎重姿勢となりそう。日経平均株価は、前日比117円高の1万8714円で寄り付いた。前日の下落に対する自立反発や為替市場で円高が一服したことから上昇幅を広げる上昇となっている。ただ、米政治・経済イベントを控えて上値の追いの展開にはつながりにくい展開となっている。

 

★東京外国為替市場:イベント控え方向感のない展開

ドル/円は、引き続き米中首脳会談の落とし所に注視せざるを得ない。ただ、米国株の反発や米長期金利の上昇を受けて、底堅い展開になっている。ただ、シリアが化学兵器を使用したとの報道を受けて、米国側からアサド大統領排除など、地政学リスクを踏まえた円買いもあり、ドルの戻りも限定的となっている。ユーロ/ドルは、1.06ドル台半ば近辺での狭いレンジ相場となっている。ECBによる出口戦略が未だに視界不良なことから、戻り売り優先の展開となっている。ただ、リスク回避のユーロ買いも随所に散見されていることから、しばらくレンジ内での動きとなりそう。

 

本邦輸出勢は引き続き期日決済以外は静観スタンス。米系短期筋は111.30円からドル売りが継続的に観測されている。また、本邦輸入勢は110.50円からドル買いが観測されている。米系短期筋も110円台半ばはドル買いスタンス。政治・経済イベントを睨みながら、本邦実需筋のしっかりした買いと米系短期筋のポジション調整の綱引きが継続する。

 

★ECB3月理事会の議事要旨:ユーロは当面軟調推移か

ECBが公表した3月理事会の議事要旨では『追加利下げの可能性とのフォーワードガイダンスを削除うするのは時期尚早』としたほか、ドラギECB総裁も『物価期著うは引き続き弱い』と慎重な姿勢を維持し、マイナス金利を早期縮小する観測を否定した。一部のECBメンバーは利上げに先駆けて、早くて夏にもQEを縮小すべきだとの見解も見られた。ECBがハト派姿勢を維持する方針を受けて、ユーロは当面軟調推移が継続する可能性が高い。

 

★4月為替報告で中国を『通貨操作国』に認定するのは不可能

トランプ大統領は再三にわたり、大統領になった暁には速やかに中国を為替操作国に認定すると訴えてきた。しかし、少なくとも今回の報告書で中国を為替総裁国に認定するのは困難となっている。認定するためには財務省が通貨操作国の定義としているオバマ政権下の定義を大幅に改定しなければならず、短期間には不可能である。現在の定義では、対米黒字だけである。そのため、トランプ政権はすでに、この定義を変更または、いずれかの形でペナルティを課す方法を模索していることを明らかにしている。1年後にはオバマ前政権の定義が大幅に改定される可能性がある。

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