FITS エコノミックレポート

午前の市場コメント!

★日3月資金供給残高:前月を下回る

日銀が発表した3月の資金供給残高(マネタリーベース、月中平均)は前年同月比20.3%増加した。ただ、前月に21.4%増を下回った。

マネタリーバースは日銀の金融機関に供給した資金の総額。当座預金残高と紙幣・硬貨の合計で示される。

 

★日企業物価見通し:前回の見通しと変わらず

日銀が発表した企業短期経済観測調査(短観、3月調査)で、全規模全産業の消費者物価見通しは1年後が前年比0.7%(前回は0.7%)、3年後が前年比1.0%(前回は1.0%)、5年後が前年比1.1%(前回は1.1%)となった。

日銀が目標としている2.0%には5年後も届かない見通し

 

★日経平均株価:新規買いの個別物色散見

米国株の下落や米ISM製造業景気指数の頭打ち懸念、リスク回避の円高地合い、原油価格の下落などが重しとなりやすい。週後半に米中首脳会談と通商摩擦リスク、米雇用統計などを控えて、新規投資には慎重ムードが広がる。ただ、本邦勢の3月年度末決算に向けた株式処分が一段落となってきた。今後は4月の新年度入りとともに、新規資金配分と日本株の押し目買いが注目される。日経平均株価は、前日比49円安の1万8933円で寄り付いた。その後は下げ幅を拡大したが、4月の新年度入りを受けた新規の日本株配分や、ポートフォーリオのリバランスによる日本株の個別物色も散見されている。

 

★東京外国為替市場:ドル/円の110円台半ばでは買い需要も

ドル/円は再び110円台に下落しているが、初の米長首脳会談では為替操作国問題まで波及することはないと思われる。米長期金利の伸び悩んでいることから、ドルの上値を抑える状況となっている。ただ、ドル/円は110円前後では実需筋やオプション防衛回が散見されるなど、一気に円高が加速する相場環境ではない。ユーロ/ドルは、ECBが金融政策への出口戦略を模索しているが、英EU離脱後の影響や政治リスクなどを踏まえて、引き続き戻り売り優勢の展開が予想される。ただ、米長期金利の低下による買い戻しも散見されている。

 

本邦輸出勢は依然として静観スタンス。米系短期筋は111.20円からドル売りが継続的に観測されている。また本邦輸入勢は110.50円からドル買いが観測されている。米系短期筋も110円台半ばからドル買いスタンス。

本邦実需筋と米系短期筋の攻防を見極める展開となりそうだ。

 

★南ア新財務相は黒人向けに富の再配分を進める姿勢

南アフリカのギガバ新財務相は1日、黒人向けに富の再配分を進めるなどの姿勢を示した。与党アフリカ民族会議(ANC)は6月に政策会議、12月に党首選を控えており、市場では『農村部の支持基盤を確固たるものにしたいズマ大統領の意向を反映したもの』との指摘がある。また、ズマ大統領は最近、白人層が保有する農地などを補償なしに接収するための憲法改正を行いたい意向を表明している。ジンバブエではムガベ大統領が同様の白人資産強制接収を行った結果、同国ではハイパーインフレを招いただけに、投資家の間では懸念が広がっている。

 

★トランプ米大統領は2つの大統領令に署名:ドルの上値抑える要因

4月6-7日に米中首脳会談を控えて、米高の新たな貿易改革案への警戒がさらにドルの上値を抑える要因になる。大統領令の1つは貿易赤字の原因を相手国ごとに究明し、90日以内に報告するよう商務省と通商代表部(USTR)に指示する内容となっている。2016年のモノの貿易で米国が多額の赤字を計上した国を調査対象としており、日本や中国に加え、ドイツやメキシコなども含まれる。さらに、相手国の不公正貿易に対する制裁関税の実行性を高めることを目指し、法律違反への対策を実施する。また、知的財産権を侵害する偽造品の輸入防止策の強化も求めた。

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