FITS エコノミックレポート

午前の市場コメント!

★3月19-25日分の対外及び対内証券売買契約等の状況

国内投資家は、対外中長期債は1516億円の売り越しとなり、売り越しは2週間ぶりとなった。また、対外株式は2940億円の売り越しとなり、3週連続の売り越しとなった。海外投資家は、対内株式は7543億円の売り越しとなり、売り越しは6週連続となった。また、対内中長期国債は1兆9237億円となり、売り越しは3週連続となった。さらに対内短期債は1兆5407億円の売り越しとなり、2週間ぶりの売り越しとなった。

 

国内投資家は、決算期末に向けて海外投資を縮小させた可能性が高い。また、海外投資家は、日本国内から資金事態を回避させるような動きとなっている。海外投資家の日本株の売りも6週連続となっているものの、日本株は1万9000円を維持していおり底堅い展開となっていると言える。日銀が日経平均下落時には株ETFを買っていることが下支えしている面もある。

 

★日経平均株価:新年度入りも上値が重い展開

米国株の反落や英国のEU離脱正式通知、欧米英などでの金利低下が重しとなりやすい。円高進行は一服しているものの、日本株を押し上げるほどの円安には戻っていない。決算期末を控えて手控えムードが想定される。また、東芝の原発子会社の清算を受けた大規模な損失計上と、今後の再建策の不透明感が投資家心理の悪材料となりやすい。一方で、原油価格の上昇はエネルギー関連株にはプラスとなる。また、米国では過度なトランプ政策期待ははく落しているが、税制改革や規制緩和、資源振興策などへの期待余地は残っている。日経平均株価は前日比66円安の1万9150円で寄り付いた。日経平均は続落スタート後に下げ幅を縮小し、一時プラス回復したが、上値の重さが嫌気されている。

 

★東京外国為替市場:ドル/円は111円近辺で底堅い展開

ドル/円は、3月期末決算に向けた本邦投資家のレパトリ(円転回帰)が意識されるなか、米長期金利の低下を背景に上値の重い展開となっている。ただ、米FRBの利上げ観測が顕在化していることから、米長期金利の更なる低下は見込みにくい状況となっている。そのため、引き続き110円台の半ばを挟んだレンジ相場となりやすい。ユーロ/ドルは、英EU離脱後の不透明感もあるほか、他にも様々な難題を抱えており、積極的に上値追いの動きにはなりにくい。引き続きドル主導の展開が予想される。

 

本邦輸出勢は期日決済絡みのドル売り以外は様子見スタンス。米系短期筋は111.30円からドル売りが継続的に観測されている。また、本邦輸入勢は110.60円からドル買いが継続的に観測されている。米系短期筋も110円台ではドル買いスタンス。

 

★いよいよ米国が出口戦略が視野に入り始めた発言

ウィリアム米サンフランシスコ連銀総裁は、FRBが今年の利上げ終了後に、金融危機後に4兆5000億ドル程度に膨らんだ保有債券の縮小を開始することが可能との見解を示した。さらに、バランスシートの縮小は『バックグラウンド』で進められることになるが、利上げペースに影響する可能性があると語った。また、バランスシートの縮小は『数年』を要することになり、現在の超過準備を『著しく下回る』見通しとした。

現在FRBは期日がきた保有資産をロールオーバーしており、一向にバランスシート自体には変更がなく金融緩和が継続している。しかし、この発言でバランスシートを徐々に縮小する方向にむけて動きだすとの内容で、FRB内においても本格的な出口戦略への準備段階が視野に入っていることを示唆している。

 

★北朝鮮が核実験へ向け活発化:実験後のトランプ大統領の行動に注目

米ジョンズ・ホプキンズ大の北朝鮮分析サイト『38ノース』は、28日に撮影された商業衛星写真に基づき、北朝鮮の北東部豊渓里にある核実験場の指揮施設の中庭に車1台と70-100人の集団が確認されるなど活動が活発化しているとの分析を発表した。また、これを受けて、6回目の核実験が近いことを知らせる政治的なメッセージ、と指摘している。韓国の中央日報によると来月6-7日に米国で開催されるトランプ大統領と習中国国家主席の首脳会談に先立ち、北が核実験する可能性が高いとも報じている。

リスクとしては、北朝鮮が核実験した場合、トランプ新政権がどのような対応をするかにあり、地政学的なリスクが高まる可能性もあり警戒が必要となる。

 

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