FITS エコノミックレポート

午前の市場コメント!

★日経平均株価:上値重く前日終値前後での展開

米国株の下げ渋りのほか、前日の大幅下落の反動調整が自立反発を支援しやすい。米国ではハイエク関連株の上昇や、世界的な金利上昇圧力一服から、日本でもハイテク株や製造業関連株、不動産株などの下支えとなりやすい。また、3月期末の配当取りに向けた押し目買いなども注目される。ただ、日本の政治リスク、米議会でのオバマケア法案審議の不透明感、英国でのテロ、北朝鮮発の地政学リスクなどは重しとなる。そういう意味では、前日の急落の反動調整を超えた上値追いには慎重ムードが漂う。日経平均株価は、前日比7円高の1万9048円で寄り付いた。その後は一時プラス圏を回復したが、前日終値をわずかに下回る展開となっている。

 

★東京外国為替市場:ドル/円は仲値に向けて上昇

ドル/円は、円高が進行するなか、当面の節目である110円台が意識されている。米長期金利の低下や日本株の急落が主な要因となっているが、一時111円割れまで下落するなど緊張感が高まっている。米長期金利が2.30%台まで低下したが、FRBによる金利正常化を背景に下げ止まる可能性が高い。そのため、過度な円高は抑制されやすい。ユーロ/ドルは、一進一退の展開となっているが、オランダ下院選やフランス大統領選における影響もなく、引き続き底堅い展開が予想される。しかし、現在のところは買い材料も乏しく、引き続きドルの動向次第の展開となりそうだ。

 

本邦輸出勢は決済絡み以外は静観スタンス。米系短期筋は111.50円からドル売りが継続的に観測されている。また、本邦輸入勢は110.70円からドル買いが観測されている。米系短期筋も110円台からドル買いが継続的に観測されている。

 

★医療保険改革法案採決で今後の相場のの行方を左右

オバマケアにとって代わる医療保険改革法案に関する本会議採決が23日未明に予定されている。承認されなければトランプ政権にかなりのダメージを与える。医療保険制度改革(オバマケア)の代替案が成立しなければ、市場が最も期待しているインフラ支出や税制改革への取り組みも遅れることになり、国民や投資家を失望させ金融市場の更なる下落につながる可能性が高い。さらに景気見通しにも影響を与えかねない。反対派は、メディケイド(低所得者向け医療費補助制度)を8800億ドル削減する案で今後10年間にわたり1400万人の国民が医療費補助制度の恩恵を失うことになる。また、代替案での歳出の削減幅も事前に予想されていたよりも一歳と指摘している。現在のところ採決は予定通り実施される。採決の結果は今後の相場の行方を大きく左右させる可能性がある。

 

★ギリシャ金融支援については後回しにされる可能性も

ギリシャ政府のジャナコプロス報道官は記者団に対し、ギリシャ金融支援について国際債権団と4月中に合意したいとの意向を明らかにした。労働や年金制度、エネルギー産業の改革を巡る見解の隔たりを埋めるために協議していると述べている。

4月はフランスの選挙や英国のEU離脱に関する交渉なども始まることから、ギリシャ債務問題については後回しにされる可能性が高い。

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