FITS エコノミックレポート

午前の市場コメント!

★日2月貿易収支:予想上回る黒字額

財務省が発表した2月の貿易統計(速報、通関ベース)によると、輸出額から輸入額を差し引いた輸出超額(いわゆる貿易黒字)は8134億円となり、市場予想の8072億円の黒字より黒字額が大きかった。

 

★日経平均株価:売り一巡後は小幅な動きに

米国株や原油価格の大幅下落やリスク回避の円高、米長期金利の低下によるドル安などが悪材料となる。米トランプ政権と議会の対立と政策停滞懸念、北朝鮮の有事リスク、日本の政治問題なども投資家心理の悪化を持続させる。ただ、本邦企業による3月決算に向けた株式処分や外債処分、ドル売り・円買い手当てなどもピークアウトが焦点となってきた。日経平均株価は、前日比309円安の1万9146円で寄り付いた。寄り付き後の動きが一巡すると、寄り付き前後の値動きとなっており、小動きの展開となっている。

 

★東京外国為替市場:ドル売り一服も戻り鈍い展開

ドル/円は、米長期金利の低下やNYダウの急落の影響を受けて、ストップロスを巻き込みながら111円台まで下落した。市場は本邦の3月の期末決算に向けたレパトリ(円転回帰)への警戒感も残っており、戻りの鈍さにもつながっている。NY市場では米債券の売りによる買い戻しが活発したことも要因だっただけに、ポジション調整が完了すると金利低下に歯止めがかかり、一過性のドル売り調整だったとの可能性も残る。ユーロ/ドルは、仏大統領選で中道系独立候補のマクロン氏がEU離脱を掲げるルペン候補を抑えて優勢との見方もあり、節目とみられていた1.08ドル台を回復した。ただ、ドル売り一巡後は急落する可能性も高いので注意が必要。

 

本邦輸出勢は引き続き本日決済絡み以外は113円台からドル売りスタンス。米系短期筋は112.00円からドル売りが継続的に観測されている。また、本邦輸入勢は111.30円からドル買いが観測されている。米系短期筋も111円台前半からドル買いが継続的に観測されている。

 

★米医療保険制度改革案で難航:トランプ政権のリスク

トランプ政権が掲げている政策の中でカギとなる医療保険制度改革案が共和党の意見がまとまらず難航している。医療保険制度改革が成立しないと、トランプ政権の経済政策の柱となる税制改革も進まない。そのため、トランプ大統領は21日、共和党下院議員団の会議に出席し、23日の下院本会議で採決される見通しの医療保険制度改革(オバマケア)見直し法案について演説した。大統領は『成立させなければ、あなた方の多くが2018年の中間選挙で議席を失うだろう』と述べ、『トランプ節』で賛成を迫った。

 

★米FBIが米大統領選におけるロシア関与の捜査継続中

米連邦捜査局(FBI)が米国大統領選におけるロシアの影響を引き続き捜査していることを明らかにするなど、現政権に対する向かい風も相当なものとなっている。国民や企業が期待している減税、法人税率の引き下げの実施にはなかなか目処がたたず早くても本年後半になる可能性が高くなっている。予想されていたとはいえ失望感にもつながっている。

 

★中国は米中衝突でなく新蜜月を模索

中国は最高指導部を入れ替える共産党大会を今秋に控え、首脳会談によってトランプ政権が重視する成長と雇用創出、貿易不均衡是正など経済分野で良好な関係を気づ期待と考えている。そのため、習近平総書記は米中首脳会談に①日本が提示した70万人の雇用創出案をしのぐ100万人雇用創出プラン、②数千億ドル規模のインフラつ押しなど対米直接投資、③数百機の大型旅客機購入や米国製品の大量購入などでトランプ大統領が就任演説で述べた『バイ・アメリカ(米国製品を買え)』、『ハイヤー・アメリカ(米国人を雇え)』に応える意向のようだ。

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