FITS エコノミックレポート

午前の市場コメント!

★1-3月期の法人企業景気予測調査:前回から悪化

内閣府と財務省が発表した1-3月期の法人企業景気予測調査によると、大企業全産業の業況判断指数(BSI)はプラス1.3となり、前回のプラス3.0から悪化した。

BSIは『上昇』と答えた企業の割合から『下降』と回答した企業の割合の差をあらわす。日銀が公表している企業短期経済観測調査(日銀短観)との類似性から『政府版短観』と呼ばれることもある。

 

日経平均株価:リスク選好の動きから上げ幅拡大

欧州の景気回復や、ECB理事会を受けたユーロ高・円安、10日の米雇用統計改善期待や15日の米利上げ観測によるドル高・円安の地合いなどが支援材料となりやすい。本日はメジャーSQ算出が通貨するため、過度な売り圧力が緩和される。ただ、原油価格の下落は関連株を圧迫するほか、米FRBの利上げに続くECBの緩和姿勢後退は先行きグローバルな過剰流動性を縮小させていく。3月決算対策による戻り売り圧力も根強く、上値追いには慎重なペースが続く可能性がある。日経平均株価は、前日比126円高の1万9444円で寄り付いた。その後は、ドル/円が115円台で底堅く推移していることから、リスク選好の買いが強まり200円台まで上げ幅を拡大している。3月限株価指数先物・オプションSQ(特別清算指数)暫定値は19434.30円となった。

 

★東京外国為替市場:ドル/円は115円台前半で推移

ドル/円は、近くて遠かった115円台を突破したことを受けて、本日も堅調な株価推移が見込まれている。ただ、ECB理事会やIMF側からは自由貿易を前提に今月のG20 では為替が議題に上る旨が発せられており、加速的にドルを買い戻す動きにはつながりにくい。当面115円を挟んだ攻防が予想される。ユーロ/ドルは、英国のEU離脱通知を前にして、欧州連合首脳は結束力を強化する旨が伝わっており、ややユーロを買い戻す動きがある。ただ、EU加盟国の足並みの乱れも指摘されており、積極的な買い戻しにはつながっていない。

 

本邦輸出勢は115円台乗せとなり状況を見ながらのドル売りスタンス。米系短期筋は115.50円からドル売りが継続的に観測されている。また、本邦輸入勢は114円台への下押しはドル買いスタンス。米系短期筋は114円台半ばからドル買いが観測されている。

 

★ECB定例理事会:ドラギ総裁がハト派色弱める

市場の予想通り、政策金利を据え置き、量的緩和プログラム(QE)で国債等の買い入れ額を月800億ユーロ規模で3月いっぱい継続、4月以降は月600億ユーロ規模で年末まで継続する方針を再確認した。金利は長期にわたり現行またはそれ以下の水準にとどまるとの見通しも維持した。見通しが悪化した場合、QEの規模や期間を変更することを再公約した。ドラギ総裁は記者会見で、『インフレは最近上昇したが、エネルギー価格の上昇が要因』、『基調的なインフレは依然抑制』、『経済のリスクは後退も依然下方』成長により楽観的になったが賃金上の昇など、確実にインフレにつながる自信にはつながっていないと慎重姿勢を維持した。一方で、一段の金融緩和の緊急性が後退したため、『可能な全ての手段を用いて』との文言を削除したことを明らかにした。また、期限がきたTLTROに関しても、環境の改善でどのメンバーも必要性を感じず協議の対象とならなかったことも明らかにした。

 

★米先週分新規失業保険申請件数の結果

米労働省が発表した先週分新規失業保険申請件数は44年ぶりの最低水準になった前週から2万件増の24,3万件となり、市場予想の23.8万件を上回った。一方、失業保険継続受給者数は205.8万人と前回の206.4万人から予想以上に減少した。

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