FITS エコノミックレポート

午前の市場コメント!

★日経先物市場:円安進行で徐々に下げ幅を縮小

米FRBの3月利上げ後退や財政製差k打ち円懸念などによるドル安、米国株の高値警戒感、欧州政治リスクなどが重しとなりやすい。28日のトランプ米大統領による施政方針演説に向けては、減税期待と失望、一旦の材料出尽くし期待などに疑心暗鬼になっている。また、本邦企業による3月決算期末が迫るなか、決算対策の株式処分売り圧力の持続も警戒される。ただ、日本株は欧米株に比べて割安感があるほか、3月にかけては中国共産党の全人代に向けて中国での政策期待も残されている。日経平均株価は、前日比139.円安の1万9232円で寄り付いた。米長期金利の低下によるドル安・円高を嫌気した売りが優勢となったが、徐々に円安進行を好感して下げ幅を縮小している。

 

★東京外国為替市場:月末絡みの実需筋の動きに注意

ドル/円は、ムニューチン米財務長官がドル高進行に対して懸念を示したことや、3月利上げ観測が後退したことから、リスク選好的なドル買いは抑制されやすい。トランプ大統領は28日に行う議会演説で、貿易、税、雇用に焦点を当てることになるもよう。税制改革によって輸出促進や雇用拡大が期待されているが、市場関係者の間では『トランプ政権は税制改革が大幅なドル高や長期金利の上昇につながることを懸念しているのではないか』との見方が浮上している。ユーロ/ドルは、ドル売りに助長されるなか、フランス大統領選への懸念が一服したことからユーロ/ドル1.06ドル近辺まで買い戻されている。ただ、更なる買い材料に乏しいだけに、上値も重い展開となる。

 

本邦輸出勢は期日決済分以外のドル売りは様子見スタンス。米系短期筋は113.30円からドル売りが観測されている。また、本邦輸入勢は112.50円からドル買いスタンス。米系短期筋も112円台半ばからドル買いが継続的に観測されている。

本日は月末を控えて欧州勢参入前までは本邦実需勢を中心とした展開になりやすい。

 

★トランプ米大統領 VS イエレン米FRB議長の様相

米金融筋では、『トランプ大統領は就任後、一度たりともイエレンFRB議長に電話することなく、就任のあいさつ一つしていない異例の状態にある』と指摘している。そのため、市場の気迷いは、ホワイトハウスとFRBに『対立』の目を嗅ぎ取っているからに他ならない。イエレン米議長は『米景気は回復途上にあり財政拡張は不要』とまで言い切り、財政拡張に舵を切るなら利上げは正当化されると主張している。連日過去最高値を更新する米国株式市場では、ホワイトハウスとFRBの『犬猿の仲』が『い対立』へと激化、拙速利上げがいずれ株式市場に悪影響をもたらす懸念がある。

 

★FOMC議事録から見えるもの

FRBは昨年12月に過去10年間で2回目となる利上げに1年ぶりに踏み切ったのち、この会合で金利据え置きを決定した。トランプ政権による潜在的な減税や経済的な政策など不透明感が強く、見通しが明らかになるまで時間がかかると判断した。FOMCメンバーは労働市場やインフレが見通しに一致、または見通しを上回った場合、比較的速やかに利上げすることが適切だとの見解で合意したものの、予想されている財政策に警戒感を抱くFOMCメンバーがいることが明らかになった。また、一段のドル高が下方リスクになりうると、慎重な意見も存続。インフレが急伸するリスクも低く、インフレ圧力が高まった場合にも対応する十分な時間があるとの見方で、依然緩やかな利上げが正当化されるとの方針を維持した。3月FOMCでの利上げも選択肢として残したものの、利上げへの緊急性も感じられない。

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