FITS エコノミックレポート

午前の市場コメント!

★日経平均株価は円安進行によりジリジリと下げ幅縮小

米国の週末を前にしたポジション調整、それに伴うドル安や円高の圧力、米長期金利の上昇一服などが重しとなりやすい。米FRBの金融政策や米トランプ政権の経済政策の不透明感、日米での自動車などの通商摩擦懸念、欧州政治・金融不安などがリスク要因となる。ただ、米国では良好な経済指標が相次いでいる。また原油などの資源価格も安定化を維持しているほか、世界経済の循環的な回復に安心感も高まってきた。そのため、押し目買い需要も根強く、下値固めの流れが想定される。日経平均株価は前日比118円安の1万9228円で寄り付いた。その後は一時下げ幅を拡大したが、円安進行とともにジリジリと下げ幅を縮小している。

 

★東京外国為替市場:ドルは総じて買い戻し優勢

ドル/円は、米長期金利動向に左右される展開となっているが、更にある円安局面では実需売り、利益確定売り、そして、オプション防衛売りなどが控えており、短期筋としても安易に115円トライには慎重になっている。また、日経平均株やNYダウの伸び悩んでいることも円買いを促す展開となっている。日経平均株価は下落しているが、株安は想定の範囲内と見られており、リスク回避の円買いが強まる結果とはなっていない。ユーロ/ドルは、買い材料はないものの、段階的に買い戻しが強まっていることで、1.07ドル前後が意識されている。昨日ECB議事録ではインフレ基調はまだ弱く、上昇トレンドを確信できる兆候は今も欠落していると引き続き緩和姿勢を強調したことから上値も重い展開となる。

 

本邦輸出勢は114円台後半からドル売りスタンス。米系短期筋は114円台からドル売りが観測されている。また、本邦輸入勢は112円台の下押しのドル買いスタンス。米系短期筋も112円台からドル買いが継続的に観測されている。

 

ドル/円の115.00円に観測されている大量のドルコールオプションの期限をNYカットで迎えるので留意したい。米3連休前とあって、短期勢のポジション調整に左右される展開には注意が必要。

 

★米製造業の回復が早期利上げの後押しに

米国の製造業が急速に改善している兆候が見られる。消費が堅調な拡大を継続していることに加えて、米国経済の3割を占める製造業の大幅な回復は米国の早期の利上げを後押しする可能性がある。昨晩発表の2月のフィラデルフィア連銀景況指数は43.3となり、悪化予想に反して1月23.6から上昇した。1984年1月以降33年ぶりの高水準となった。また、全回答企業の売り48%超が活動が活発化したと回答した。重要項目の新規受注は38.0と1月の26.0から上昇した。2月のNY連銀製造業指数も18.7と2014年9月以降3年ぶりの高水準を記録した。

 

★トランプ大統領VSイエレン米FRB議長の様相

イエレン米FRB議長の利上げ前のめり姿勢は『驚くような減税をする』と積極財政を明示したトランプ大統領への宣戦布告と言える。従来の『緊縮財政+超金融緩和+ドル安』から『積極財政+金融正常化(利上げ)+ドル高』ポリシーミックスへの転換となる。トランプ大統領が嫌う官僚の牙城FRBの規制緩和反対と拙速利上げは否応なく『トランプ革命』に逆風となる。そのため、『トランプ大統領 VS イエレン米FRB議長』の対立の火ぶたが切って落とされた。

 

●イエレン米FRBの上院議会証言のまとめ

①経済が順調に改善軌道を維持する限り、一段の金融調整が必要

②次回(3月)会合は雇用やインフレの進展を見直し、進展していれば利上げが適切

③我々は2017年の追加利上げが適切と予想

④利上げを過剰に長く待つことは賢明ではない

⑤賃金の伸びは劇的ではないが、いくらか伸びが拡大

⑥FRBは労働市場に過剰にひっ迫させたくない

⑦政策スタンスは、緩和的(1月会見では『やや緩和的』)

⑧U6は労働力の活用が引き続き向上していることを示唆

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