FITS エコノミックレポート

午前の市場コメント!

★日12月鉱工業生産速報:市場予想上回る

経済産業省が発表した12月の鉱工業生産動向(速報)で、生産指数(2010年=100、季節調整済み)は前月比で0.5%上昇となり、市場予想の前月比0.3%上昇を上回った。

 

★日経平均株価:売り崩すような動きにはつながっていない

米国株の大幅下落やリスク回避の円高、原油安、米国の入国規制を始め、保護主義や政策不透明感などが重しになる。日米の金融政策決定会合を控えて、新規の買いよりも売り優勢の地合いとなりやすい。ただ、米国では個人支出や物価指標などが底堅い結果となった。また、日米企業の決算発表は強弱混在ながら、過度な不安拡大までには至っていない。日経平均株価は、前日比223円安の1万9145円で寄り付いた。その後は、マイナス圏で推移も売り崩すような動きにはつながらず、やや下げ幅を縮小する展開になっている。

 

★東京外国為替市場:月末特有の実需のフローが交錯

ドル/円は、日経平均株価は200円超の下げとなっているが、株安は想定の範囲内との声が聞かれている。日銀の金融政策決定会合の結果判明を待つ状況となっており、午前中はリスク回避の円買いが大きく広がる可能性は低いと見られている。ユーロ/ドルは、1.07ドル前後で一進一退の展開が続いているが、相対的にはユーロ圏の不協和音による戻り売りと米ドルの調整売りに挟まれた格好であり、引き続きレンジ内での動きになりそう。

 

本邦輸出勢は月末決済分以外は様子見スタンス。米系短期筋は114.30円からドル売り継続的に観測されている。また、本邦輸入勢は113円台半ばからドル買いが観測されている。米系短期筋も113.50円からドル買いが継続的に観測されている。

 

本日は月末特有の実需のフローが交錯し、日銀の政策会合や黒田日銀総裁の会見を控えて様子を見ながらの展開となりそうだ。

 

★日銀は30-31日にかけて金融政策決定会合を開催

本日の発表結果にかけては、市場では現状維持との見方となっているが、景気判断の上昇修正や当座の現状維持示唆の可能性がポジション調整的な円高の材料となりやすい。黒田総裁の会見などで長期金利の低位安定化策を堅持する方針が再強調されたり、現状の円安水準の静観や米国の保護主義の円高圧力に対する警戒強化発言あると、日銀の政策を巡る疑心暗鬼を払しょくする。改めて米FRBの利上げ継続との対比で、基本的なドル高・円安の基調を支援する。

 

★米国の根本的な政策の転換懸念

市場では米国のトランプ新政権による貿易や移民法に関しての警戒感などからリスク選好の動きが後退した。一方で投資家は引き続き規制緩和、減税、財政拡大が景気を押し上げる期待感も強く、当面はトランプ新政権の政策を確認するまでもみ合い相場が続く可能性がある。

トランプ大統領は27日、身元調査が十分でないシリア難民や過去に問題のあった7カ国のイスラム諸国からの入国を90日停止するとの大統領令に署名した。厳しく検査するシステム確立が目的だが、一部では警戒感が浮上している。週末には各地、各国でデモが決行された。自由貿易や『移民の国・アメリカ』を揚げていた米国の根本的な政策が転換されるのではとの警戒感も市場には広がっている。

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