FITS エコノミックレポート

午前の市場コメント!

★日11月経常収支:市場予想より弱い結果

財務省が発表した11月の国際収支速報で、経常繰り時は1兆4155億円となり、市場予想の1兆4600億円より弱い結果となった。内訳では貿易収支が3134億円の黒字となり、市場予想の2544億円の黒字額より黒字額は大きかった。

先行きの経常需給面での円高圧力減退が意識されている。

 

★日経先物市場:リスク回避の動きが強まり下げ幅拡大

トランプ氏会見を受けたドル安・円高や、トランプ氏による日本の対米貿易黒字批判などが重しとなりやすい。経済政策面でのトランプ氏会見の失望も、リスク回避の円高・株安要因となりやすい。その他、日米企業ともに週後半から決算発表が本格化していく。そのため、利益確定売りやポジション整理、新規投資の手控えが意識されやすい。米新政権と米国経済の回復期待は残されたままとなっている。日本では昨日に安倍首相と黒田日銀総裁が会見し、会議リスクなどに対する万全な対応強化を確認している。日経平均株価は、前日比64円安の1万9300円で寄り付いた。その後は円高進行も嫌気され、リスク回避の動きが強まり下げ幅を拡大している。

 

★東京外国為替市場:ドル/円は115円を挟んでもみ合い

ドル/円は、114円台半ば割れでは利益確定買い、117円前後でもポジション調整売りが散見されている。想定内のレンジ幅での攻防となっている。ただ、相場はメキシコ問題を含め、中国やロシア対策への不透明感が増しており、不安定な動きが続く可能性が高い。ユーロ/ドルも、ドル/円同様に波乱含みの展開となっている。ユーロドルは1.05ドル割れでは利益確定の動きが散見されるなど、相対的にポジション縮小に終始した感が強い。

 

トランプ次期米大統領が記者会見で対メキシコ貿易赤字に不満を表明した。また、不法移民を防ぐ国境の壁建設も改めて明言したことが以前嫌気され、メキシコペソ安が止まらない。

 

本邦輸出勢は静観スタンス。米系短期筋は116.00円からドル売りが継続的に観測されている。また、本邦輸入勢は114円台後半からドル買いスタンス。米系短期筋も114.80円からドル買いが継続的に観測されている。

 

★トランプ次期大統領の初の記者会見

記者の質問が、ロシアがトランプ氏の大統領当選を助けたという点に傾いていたせいか、経済政策や保護貿易に関する発言が少なく、市場は消化不良感が残る形となった。記者の質問の質もあるだろうが、時間が1時間程度と短かったことで、上手く乗り切ったとも言える。ドル/円相場としては、記者会見前に、ドルのショート・カバーが入り、会見が始まるとドル売りに傾き、一jドルが巻き戻すも、最後はドル売りで終了した。

誰か今のドル高について、見解を聞くような記者がいたらどんな回答をしただろうか。

 

★今後もトランプリスクが続く

トランプ次期大統領の記者会見後、ドル売りが強まっているが、現在トランプ氏が指名した官僚の上院での承認審査がスタートしている。既に司法長官となるジェフ・セッションズが、過去の人種差別発言で、波乱を呼んでいる。直近では、娘婿のジャレット・クシュナーが、大統領最高顧問となることが発表されているが、これは反縁故法に抵触する可能性があり、批判の的となり易い。また、国務長官に指名されたレックス・ティラーソンは、ロシアとの結びつきが強く、冷戦以来ロシアとの敵対関係を見ると、トランプ氏のロシアとの友好関係構築は、米国民の感情的には拒否反応も強い。

今後もし、こういった官僚人事に『ノー』が突き付けられた場合に、一時的なリスク相場につながる可能性には注意が必要。

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