FITS エコノミックレポート

午前の市場コメント!

★日経平均株価:リスク選好の動きで上げ幅拡大

米国株の上昇や米中の経済指標改善、ドル高や円安の地合いなどが支援材料になりやすい。原油価格の上昇も、資源エネルギー株にはプラスとなる。一方、米国株は前日に終盤失速するなど、日本株も高値買い買い売りには注意が必要。今週は米国の雇用統計などの重要指標が控えているほか、米議会の開始、根深い欧州や中国での金融経済不安も残っている。悪材料が出ると急落リスクも警戒される。日経平均株価は前営業日比184円高の1万9298円で寄り付いた。その後も円安・ドル高進行で上げ幅を広げ300円超高で推移している。

 

★東京外国為替市場:再び120円を意識した動きと警戒感で売買交錯

ドル/円は、FRBの利上げへの期待は根強く残っており、再びドル/円120円を目指す展開を意識する展開となっている。ただ、市場には既に株価に対する過熱感と共に、ドル高警戒論も台頭するなど、積極的に仕掛づらい展開となっている。NY市場でも一時118円半ばまで上昇するも、米長期金利と米国株が上げ幅を縮小したことからドル失速するなど波乱含みの展開が予想される。ユーロ/ドルは、一時1.05ドル半ば前後まで上昇したが、ドルの調整売りの反対売買に過ぎず、利益確定売りに押される格好で1.04ドル台前半まで下げ基調を強めた。ドルが不安定な動きとなっていることから、変動幅の大きな動きとなっている。

 

本邦輸出勢のドル売りは118円台から観測されている。米系短期筋も118円からドル売りが継続的に観測されている。また、本邦輸入勢は117.00円からドル買いのスタンス。米系短期筋は117.25円からドル買いが継続的に観測されている。

 

★注目された米12月ISM製造業景況指数:ドル高にもかかわず回復基調

米12月ISM製造業景況指数は54.7となり、11月53.2から改善した。2014年12月以降で2年ぶりの高水準となり、予想の53.8を上回った。4カ月連続で活動の拡大と縮小の境目となる50を上回り、ドル高の再燃にもかかわらず、製造業の回復が継続している証拠となった。主要項目となる新規受注は60.2と11月53から上昇し2014年11月以降ので最高となった。雇用も53.1と、策円6月以来の最高となった。支払い価格も65.5と、前月から11ポイント急伸など、2017年の米国経済の成長加速やインフレの上昇で、ドルは上昇基調を維持すると見られる。

 

★中国人民銀行は12月に記録的な資金供給

中国からの資金流出が加速するなか、中国人民銀行は中期貸出制度(MLF)を通じ金融システムに記録的な資金供給を行っている。人民銀が3日公表したデータによれば、MLF残高は昨年12月に7215億元(約12兆2000億円)増加した。人民銀がMLFのデータを2014年9月に開始し始めてから最も大きな伸びとなった。

現状市場では、この結果に対して特に影響はないが、いずれ浮上してくるリスクの一つになりやすいので注意。

 

★12月27日付けシカゴIMM投機筋の対米ドルでの差し引き持ち高

 

(12月20日)   ⇒   (12月27日)

・円     :▲75,449   ⇒   ▲87,009

・ユーロ   :▲78,045   ⇒   ▲69,408

・ポンド   :▲59,350   ⇒   ▲57,099

・豪ドル   :+3,941    ⇒    ▲1,510

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