★ドル/円の年足では、2011年の75.55円が大底となり、翌2012年から下値・上値を切り上げる陽線が続き、2015年の高値125.84円まで4年連続の陽線引けとなった。しかし、2015年のロウソク足が気迷いの『小陽線(コマ)』になった後、翌年から4年連続の陰線引けが続いている。2020年の始値が108.64円になっていることで、現状より約4.60円の円安にならなければ陰線引けになる。いよいよ、過去最長の5年連続の陰線引けとなる。『5連陰』は酒田五法でも相場の弱さを示しているとしている。
そういう意味では、2021年もドル安・円高リスクが継続することになる。ドル安要因としては、米国では、『コロナウイルス支援・救済・経済保障法(CARES法)』などの発動により、2020年会計年度での連邦赤字は過去最大の3兆1319億ドルまで拡大している。米国の『双子の赤字』が対GDP比6%を超えた局面ではドルが下落するケースが多い。その財政赤字だけで対GDP比で15%程度に及んでいる。
そのため、一般的には財政赤字の拡大による経常赤字をファイナンスするため、高い金利水準を維持しながら、海外の投資家に米国債を購入してもらう必要がある。しかし、パウエル米FRB議長は2023年までゼロ金利政策を維持することを示唆している。また、次期財務長官に指名されたイエレン前米FRB議長も、『高圧経済策』で金利上昇を抑制する可能性が高いことで、余剰感の強いドルは売られやすい地合いになる。
テクニカル的にも2年SMA(赤線)と10年SMA(緑線)がデッドクロス寸前になっており、下押しバイアスが強いことを示している。
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