★エルドアン・トルコ大統領は昨日発表した新経済成長戦略のなかで『新たな成長戦略が物価や金融・財政面での安定性に基づく』と述べ、『枯渇した外貨準備と通貨への信頼を再構築する必要がある』と表明した。大統領が、物価安定のため中銀政策を十分に支持するとの考えも明らかにしている。
今週に入り、アーバル新トルコ中銀総裁が主要政策金利の引き上げに含みを持たせ、エルバン新財務相もインフレ対策を最重要事項としたことで市場に安心感が広がっている。もっとも具体的な政策実施はこれからであり、新型コロナによる経済ダメージが大きい中で新たな経済・金融政策内容が注目さる。
昨日はエルドアン大統領がトルコ中銀の政策を支持する姿勢を見せたことで、これまでリラ・ショートで攻めていた投機筋が買い戻しを急いだ。エルドアン大統領はこれまで利上げに対し良い顔を見せてこなかっただけに、市場が期待するような利上げ幅を中銀が実施できるかが注視される点である。
トルコリラ/円の一目均衡表の日足では、11月6日の12.03円が底値となり、転換線(赤線)、基準線(青線)、先行スパン2当日線(灰線)を一気に上抜け騰勢が強まった。
しかし、雲下限の手前でその勢いはしぼんでいる。
前日の高値13.57円は、9月下旬から10月にかけてもみ合いとなった価格帯であり、超えられていないことから上値の重さも意識されやすい。
一方で、ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、5、3、20、80)では、%DとSlow%Dがかい離幅を広げながら上向きとなっていることから、上向きモメンタムが強いことを示している。
まとめると、久しぶりに買い材料が出たことでリラショートからの買い戻しが強まったが、小陰線とロウソク足が小さくなったことで、その買い戻しも一巡した可能性もある。そのため、雲の下限がレジスタンスとして意識され上値を抑える可能性がある。
しかし、市場はトルコの経済政策の戦略転換で、来週11月19日の会合で400ベーシスポイント(4.0%)の利上げを実施するとの予想もある。そのため、しばらくは金融政策会合の結果待ちとなり、高値圏でのもみ合い相場となりやすい。
市場予想を上回る利上げとなればトルコリラ買いが強まる一方で、利上げ打ち止めや予想を下回る利上げとなると急落するリスクが高まる。
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