FITS エコノミックレポート

トルコリラ/円の長期トレンドと12ヵ月SMA!

 

★トルコリラ/円の長期トレンドを示す月足では、2015年1月に24ヵ月SMA(白線)12ヵ月SMA(黄線)を下抜けした後は、上値・下値を切り下げる明確な下落トレンドが続いている。

この間も、戻り場面はあったが12ヵ月SMAがレジスタンスとして意識され押し戻される展開が続いている。

トルコ経済は、昨年末にかけての感染拡大の『第2波』は年明け以降鈍化したほか、世界経済の回復による外需の改善も追い風に、1-3月の実質GDP成長率は前期比年率+7.06%と堅調に推移した。しかし、外需や公共需要が景気を押し上げる一方、雇用回復の遅れや高インフレが重石となり家計消費は弱含むなど自律回復にはほど遠い状況にある。また、エルドアン大統領は3月にトルコ中銀総裁と副総裁、そして5月にも他の副総裁を解任し、自分の息がかかった人物を新たに任命してきた。中銀・金融政策委員会(MPC)のメンバーは7名おり、利下げをより確実にするため、更なるMPCメンバー更迭が今月中にあるかもしれない。そうなれば、トルコ中銀の独立性に対する不信感はこれまで以上に高まり、リラ相場を押し下げることになる。

ただ、トルコリラはかなり低水準まで下落していることから、『通貨切り下げ(デノミ)』でもなければ下値も限定的になる。

デノミはインフレなどにより、通貨金額の桁数表示が大きくなると経済活動に支障をきたすので、その解決のために行われる。

今後のトルコの消費者物価指数(CPI)や生産者物価指数(PPI)の動向がポイントになる。

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