FITS エコノミックレポート

トルコリラ/円の戻りも上値が重い展開!

 

トルコ金融当局が強めた規制に対する影響を見極める展開となっている。銀行調整監視機構(BDDK)は昨日、為替や金利などの金融市場で『操作的』とする取引の範囲を拡大した。資産価格を不自然・異常な水準に維持する結果となった銀行取引などは、今後は操作的とみなされるとした。誤った、または誤解を招く情報を広めることも規制の対象となる。なお、前述の取引禁止とされた外銀は、米・仏・スイスの大手銀行とされている。そのため、投機筋のポジションがリラショートに傾いた後の規制発表で、市場はパニック的なリラ買い戻しに動いた。しかし、テクニカル的には、レジスタンスを上抜けできずに上値の重い展開となっている。

 

トルコリラ/円の日足では、5月7日に付けた最安値14.61円から反転している。5日SMA(赤線)の14.942円はわずかに上抜けしたものの、下向きの10日SMA(黄線)の15.123円がレジスタンスとして意識され上値を抑えている。10日SMAを上抜けしても、下向きとなっている25日SMA(青線)の15.498円がレジスタンスとして意識される。ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、5、3、20、80)では、売られ過ぎ域で底這い状態から%DとSlow%Dは上向きとなってきた。そのため、戻りを期待したいところではあるが、明確な下落トレンドを形成していることから、この反転がダマシとなる可能性が高いので注意が必要である。

戻りの兆しは出ているものの、5日SMAと10日SMAが上値を抑える展開となっている。そのため、5日SMAと10日SMAを上抜け両線がゴールデンクロスするような動きになるまでは戻り売りに押されやすい。また、戻り目途も25日SMAが限界となっている。モメンタム系のオシレーターであるストキャスティクスは、明確なトレンドが発生している時はダマシが発生しやすい。

 

トルコ中銀の4月30日時点での外貨準備高は約515億ドルと、前週比2.3%減、前年同時期と比べると3割弱も減少している。外貨準備枯渇への懸念が高まったままであり、他中銀との通貨スワップラインの設定や拡大を急ぐ必要があるのは変わらない。

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