FITS エコノミックレポート

イールドスプレッドで9月9日の米国株市場を先取り!

 

★NY株式市場は三指数上昇と下落のまちまちの動きとなった。また、米長期金利はほぼ横ばいだったことでイールドスプレッドは三指数でまちまちの動きとなった。しかし、三指数とも割安感は残っている。そのため、一旦市場が落ち着く場面があると、急速に買い戻されやすい地合いは継続している。

NYダウは、75日SMAと100日SMAがレジスタンスとして意識され上値を抑える展開となっていたが、明確にレジスタンスを上抜けしてきた。そのため、上値追いの期待が膨らむ。短期的にも5日SAMと10日SMAが上昇基調となっている。そのため、下落基調では一転して75日SMAの26,343ドルやと100日SMAの26,302ドルがサポートラインとして意識される。

 

★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。

そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。

 

米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲4.564%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲3.069%、19/4/25-▲3.048%

(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/6/3-▲4.038%、

               19/8/5-▲4.102%

(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)

・9月5日:▲3.972%⇒9月6日予想▲3.958%

 

9月6日はNYダウは上昇し、米長期金利はほぼ横ばいだったことから、イールドスプレッドは前日比で大幅縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲4.564%から▲0.606%スプレッドがかい離した。19年1月3日の大底▲4.226%を▲0.268%とかい離した。19年6月3日の大底4.038%を▲0.080%、19年8月5日の大底▲4.102%を▲0.144%とかい離した。

 

NYダウが上昇したことで株式益利回りは低下した。また、米長期金利はほぼ横ばいだったことで、イールドスプレッドは前日比では縮小した。米国債に対してNYダウが前日比で割高となった。前日比ではNYダウを買うよりも米国債を買った方が良いということになる。イールドスプレッドは一時期より縮小してきているが、4.0%近辺で推移しており割安感は残っている。今後も、米長期金利の動向が重要ポイントとなる。

 

米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲3.883%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲2.731%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/6/3-▲3.881%、

                19/8/5-▲4.002%、19/8月15日-4.179%

・9月5日:▲3.899%⇒9月6日予想▲3.895%

 

S&P500が上昇し、米長期金利はほぼ横ばいだったことでイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲3.883%から+0.012%と平均値のイールドスプレッドを上回った。また、19年1月3日の大底となった▲3.869%に対して+0.026%、19年6月3日の大底となった3.881%から+0.014%とイールドスプレッドを上回っている。さらに、19年8月5日の大底となった▲4.002%は▲0.107%と19年8月15日の▲4.179%も▲0.284%とかい離した。イールドスプレッドは縮小したものの、引き続き割安感が強く外部環境が好転すると大きく買い戻されやすい。

 

米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲2.378%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲1.198%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/6/3-▲2.328%、

              19/8/5-▲2.383%、19/8/15-▲2.498%

・9月5日:▲2.317%⇒9月6日予想▲2.324%

 

NASDAQは下落したうえ、米長期金利はほぼ横ばいだったたことで、イールドスプレッドが前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲2.378%から▲0.054%かい離した。また、19年1月3日の大底となった▲2.179%に対しては+0.145%を上回っている。さらに、19年6月3日の大底となった▲2.328%に対して▲0.004%下回った。さらに、19年8月5日の大底となった▲2.383%から▲0.059%と19年8月15日の大底となった▲2.498%から再び▲0.174%かい離した。

 

NASDAQのイールドスプレッドがわずかに拡大し割安感は残っている。そのため、市場が落ち着くと上値追いの動きになる可能性が高い。NASDAQはハイテク関連銘柄が多く米中貿易摩擦の影響が大きく、三指数の中で上下に振れるボラティリティが最も高くなっている。

 

三指数のイールドスプレッドは縮小・拡大のまちまちとなった。6日週は株価が戻り基調が強まった一方で、米長期金利が上昇基調になったことで、イールドスプレッドも縮小傾向にある。ただ、イールドスプレッドはなお高水準にあり、株価への割安感は残っている。そのため、下落相場では押し目買いが入りやすい地合いとなっており、米中貿易摩擦に一旦の落ち着きが出ると大幅に買い戻される可能性がある。

 

※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。

 

毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

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