FITS エコノミックレポート

イールドスプレッドで8月19日の米国株市場を先取り!

 

★NY株式市場は三指数とも上昇したうえ、米長期金利も上昇したことからイールドスプレッドは縮小した。しかし、未だに割安感は残っており、買い戻しが続く可能性がある。

NYダウは、一時200日SMAを下抜けしたことで下落基調が進みやすい地合いとなった。しかし、週末にNYダウが大幅反発したことで、200日SMAを回復した。ただ、5日SMAと10日SMAが下抜きで10日SMAがレジスタンスとして意識されていることから、短期的には下落基調が継続している。そのため、週初の値動きが重要ポイントになる。

 

★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。

そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。

 

米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲4.708%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲3.069%、19/4/25-▲3.048%

(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/6/3-▲4.038%、19/8/5-▲4.102%

(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)

・8月15日:▲4.261%⇒8月16日予想▲4.160%(直近では最大のスプレッド幅)

 

8月16日はNYダウは上昇したうえ、米長期金利も上昇したことで、イールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲4.708%から▲0.548%スプレッドがかい離した。19年1月3日の大底▲4.226%から▲0.066%、19年6月3日の大底4.038%から+0.122%、19年8月5日の大底▲4.102%から+0.058%スプレッドが上回った。NYダウが上昇したうえ、米長期金利も上昇したことで、イールドスプレッドは前日比で縮小した。

 

NYダウが上昇したことで株式益利回りは低下した。一方、米長期金利も上昇したことで、イールドスプレッドは前日比では縮小した。米国債に対してNYダウが前日比で割高となった。前日比ではNYダウを買うよりも米国債を買った方が良いということになる。イールドスプレッドが4.10%台に低下したものの、NYダウに割安感が残っている。今後も、米長期金利の動向が重要ポイントとなる。

 

米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲4.023%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲2.731%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/6/3-▲3.881%、19/8/5-▲4.002%

・8月15日:▲4.179%⇒8月16日予想▲4.066%

 

S&P500が上昇したうえ、米長期金利も上昇したことでイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲4.023%から+0.043%と平均値のイールドスプレッドを上回った。また、19年1月3日の大底となった▲3.869%に対して+0.197%、19年6月3日の大底となった3.881%から+0.185%とイールドスプレッドを上回っている。さらに、19年8月5日の大底となった▲4.002%も+0.064%とイールドスプレッドを上回っている。直近のイールドスプレッドを上回っていることからS&P500は割安感は残っている。

 

米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲2.468%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲1.198%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/6/3-▲2.328%、19/8/5-▲2.383%

・8月15日:▲2.498%⇒8月16日予想▲2.401%

 

NASDAQは大幅上昇したうえ、米長期金利も上昇したことで、イールドスプレッドが前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲2.468%から▲0.067%とかい離している。また、19年1月3日の大底となった▲2.179%に対しては+0.222%を上回っている。さらに、19年6月3日の大底となった▲2.328%に対して+0.073%、19年8月5日の大底となった▲2.383%から+0.018%と上回り、直近のイールドスプレッドを上回っている。

NASDAQは、イールドスプレッドは縮小したものの、未だに割安感が残っている。NASDAQはハイテク関連銘柄が多く米中貿易摩擦の影響が大きく、三指数の中で上下に振れるボラティリティが最も高くなっている。

 

三指数のイールドスプレッドは、前日比で縮小しが直近のイールドスプレッドを上回る状況となっており、未だに割安感が残っている。そのため、週明けも買われやすい地合いは継続している。

 

※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。

 

毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

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