FITS エコノミックレポート

イールドスプレッドで6月17日の米国株市場を先取り!

 

★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。

そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。

 

米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲4.396%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲3.069%、19/4/25-▲3.048%

(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/6/3-▲4.038

(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)

・6月13日:▲3.637%⇒14日予想▲3.658%

 

14日はNYダウは下落したほか、米長期金利も低下したことで、イールドスプレッドは拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲4.396%から▲0.738%スプレッドがかい離していることや、直近1月3日大底の▲4.226%から▲0.568%スプレッドがかい離している。

NYダウが下落したことで株式益利回りは上昇した。また、米長期金利も低下したことで、イールドスプレッドは前日比で拡大した。そのため、米国債に対してNYダウが前日比で割安となった。米国債券を買うより米国株式を買った方が良いということになる。今後も、米長期金利の動向が重要ポイント。

 

米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲3.707%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲2.731%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/6/3-▲3.881%

・6月13日:▲3.546%⇒14日予想▲3.574%

 

S&P500のイールドスプレッドも前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲3.707%から▲0.133%とスプレッドがかい離していることや、1月3日の▲3.869%スプレッドに対して▲0.295%、6月3日の3.881%から▲0.307%とスプレッドがかい離している。S&P500は1月3日や6月3日からイールドスプレッドがかい離していることで、割安感はないが特に割高感もない状態となっている。

 

米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲2.235%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲1.198%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/6/3-▲2.328%

・6月13日:▲2.032%⇒13日予想▲2.072%

 

NASDAQのイールドスプレッドも前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲2.235%から▲0.163%とスプレッドがかい離している。また、1月3日の▲2.179%スプレッドに対しては▲0.107%、6月3日の▲2.328%スプレッドに対して▲0.256%とスプレッドがかい離している。

NASDAQも下落し、さらに米長期金利も低下したことで、イールドスプレッドは前日比で小幅に拡大した。NASDAQは米中貿易摩擦の影響が大きく、三指数の中で上下に振れるボラティリティが最も高くなっている。

 

三指数のイールドスプレッドは、わずかに拡大した。現在は割安感も割高感もない水準で推移している。今後も米長期金利が低下し、米国株が下落調整するようなら、過熱感のない状態で米国株が上昇しやすい。トランプ大統領がFRBに利下げを強要するのは、米長期金利が低下すると米国株が上昇してもイールドスプレッドの縮小が抑えられるからである。

 

※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。

 

毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

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