FITS エコノミックレポート

イールドスプレッドで4月8日の米国株市場を先取り!

 

4月5日(金)の米国3市場は、NYダウ:40.36ドル高の26,424.99ドル、S&P500:13.35ポイント高の2,892.74ポイント、NASDAQ:46.91ポイント高の7,938.69と三指数ともに上昇した。一方、米長期金利は、2.500%台を維持出来ず2.493%へ低下(価格は上昇)した。『4日日付けPERと株価から逆算』して4月5日付け予想PER計算すると、NYダウ:17.41倍、S&P500:17.89倍、NASDAQ:24.41倍と、三指数ともに前日比でPERは上昇した。2011年4月21日以降の平均値は、NYダウ:15.00倍、S&P500:16.59倍、NASDAQ:21.77倍で現在3指数とも大幅に上回っている。このPERを基に5日付けのイールドスプレッドを算出すると、NYダウ:▲3.251%、S&P500:▲3.097%、NASDAQ:▲1.604%と、NYダウはイールドスプレッドは前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した一方で、S&P500とNASDAQは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)となった。

米長期国債金利は、3月米雇用統計で非農業部門雇用者数は予想を上回ったものの、物価上昇の先行指標として注目される平均時給は予想を下回った。米FRBが当面利上げを休止する方針を変更しないとの見方が広がり、長期債が買われた(金利は低下)。

NYダウは上昇したものの、米長期金利がそれ以上に低下したことでイールドスプレッドは拡大した。

 

昨年12月3日の高値時のイールドスプレッドを参考にする。12月3日に戻り天井となり下落基調となった。NYダウ:▲3.069%、S&P500:▲2.731%、NASDAQ:▲1.198%だった。

 

5日(金)のNYダウの予想イールドスプレッドは前日▲3.242%⇒▲3.251%となり拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。1月3日の直近割安となったイールドスプレッドの▲4.226%から0.975%に拡大(米国株に割高感)している。また、12月3日の戻り天井となった12月3日の▲3.069から0.182%へ縮小してきている。NYダウは、3月米雇用統計で非農業部門雇用者数が予想を上回ったほか、前月の数値が上方修正されたことを受け、景気減速に対する過度の懸念が後退した。また、物価上昇の先行指標として注目される平均時給が予想を下回り、『FRBが当面利上げを休止する方針を変更しない』との見方が広がり買い安心感につながった。さらに、原油価格が上昇が好感されたほか、習近平国家主席が米中交渉の早期解決を希望していることが明らかになったことも買い材料となった。半面、半年ぶり高値にあるうえ週末を控えて、利食いが出やすく上値は重かった。ボーイングが軟調に推移したことも指数の重しとなり、NYダウはマイナス圏に沈む場面があった。VIX指数は13.57から12.82へ低下した。

 

S&P500の予想イールドスプレッドは前日▲3.103%⇒▲3.097%となり、イールドスプレッドは縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。1月3日のイールドスプレッド▲3.869%から0.772%に拡大してきている。また、12月3日の戻り天井の2.731%から▲0.366%へ縮小してきている。

 

NASDAQの予想イールドスプレッドは、前日▲1.608%⇒▲1.604%となり、イールドスプレッドは拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。1月3日のイールドスプレッド▲2.179%から0.575%に拡大してきている。また、12月3日の戻り天井の▲1.198%から▲0.406%へ縮小してきている。

 

テクニカル的には、NYダウは、5日SMAがサポートとして意識され上向きとなっており、短期的には強い上昇基調を維持している。相場の方向性を示す一目均衡表の基準線が上向きとなってきていることで、相場の底堅さが示されている。

S&P500は連日年初来高値を更新しているものの、5日SMAサポートとなり上向きとなっていることから、短期的には上昇基調は維持している。ただ、一目均衡表の基準線も上向きになってきた。

NASDAQも、連日年初来高値を更新しているものの、5日SMAは10日SMAが上向きは維持しており、短期的には上昇基調を維持している。ただ、一目均衡表の基準線も上向きとなってきた。

ストキャスティクス(パラメータ:14、5、3、20、80)では、三指数ともかなり過熱感が出てきているものの、上向きバイアスを維持している。米長期金利の上昇が抑制されていることで、株価のイールドスプレッドの割高感が抑制されている。ただし、再び米長期金利が上昇するようなら、急速に株価の割高感が露呈するので米長期金利の動向には注意が必要となる。

 

2011年4月21日以降のイールドスプレッドの平均値のNYダウ:4.198%、S&P500:3.485%、NASDAQ:2.024%も下落時の節目となりやすい。

 

※毎日イールドスプレッドを掲載していきますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

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