★NY株式市場では、三指数は全て下落する展開となったうえ、米長期金利も低下したことで、イールドスプレッドは前日比で大幅拡大(米国10年債金利に対して前日比で米国株は割安)した。三指数のイールドスプレッド拡大した。三指数ともに割安感は残っているものの、このところの戻り基調で過度は割安感は払しょくしてきている。中小企業支援策の追加資金を巡り民主党と共和党の協議が難航していることを嫌気して、売りが先行した。WTI原油先物相場が史上初のマイナス圏に急落し、投資家心理を冷やした。新型コロナウイルスが収束に向かうとの期待から前週末に相場が大きく上げた反動も出て一時610ドル超下げた。売買期間が短期化していることから、上下に振れる展開となっている。1-3月期の米企業決算発表も多くあり、今後も内容次第では乱高下しやすいので注意が必要となる。
今回のリスク回避の動きは新型コロナウイルスの感染拡大や原油急落にある。そのため、利下げや量的緩和、財政政策などを実施しても市場の不安は一時的なものになりやすい。まずは、感染拡大が縮小することや新型コロナウイルスのワクチンが開発されるなど、収束の方向が出るまでは不安定な市場が続く。また、景気後退は避けられないほか、どの程度速やかに救済資金が消費者や企業に供給されるかなどに不透明感もあるため、一方的な戻りにもなり難い。VIX指数は38.15から43.83へ上昇した。VIX指数が落ち着いてきており、一時の過度なリスク回避の動きは後退してきている。ただ、まだVIX指数が高水準で推移していることから、しばらくはボラタイルな動きが続きやすい。今後の米経済指標は悪化の一途となることから、経済指標発表時の動きには注意が必要となる。
NYダウは、緩やかに上向きの5日SMAの23,777ドルをわずかに下抜ける展開となった。5日SMAと10日SMAが25日SMAの21,908ドルを上抜けするゴールデンクロスする展開となっている。25日SMAが再びわずかながら上向きとなってきており、上昇が期待される展開となってきた。2月12日高値29,569ドルと3月23日安値18,214ドルの半値戻し23,891ドルを再び下抜けした。半値戻しが意識されている。現在は、リスク回避の動きが強くネガティブな材料に強く反応しやすい地合いとなっている。一方、好材料が出てくると、割安感が残っているだけに一気に上昇基調となり上下に大きく振れやすい地合いが継続している。
NYダウの割高の目安は3.00%近辺、S&P500は3.00%割れ、ナスダックは1.5%以下が昨年からの割高の目安となっている。一方で割安の目安では、イールドスプレッドがNYダウ:4.0%台、S&P500:3.8%~4.0%台、NASDAQ:2.3%~2.5%台で割安感からの反発となりやすい。割安感となるイールドスプレッドを大幅に上回っていることから、相場が落ち着くと戻りも大きくなりやすい。
★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。
そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。
○米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲4.563%
・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲3.069%、19/4/25-▲3.048%
20/01/17‐▲3.018%
(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)
・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/8/5-▲4.102%、
20/2/28-▲4.541%、20/3/23-6.017%
(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)
・4月17日:▲3.971%⇒4月20日:予想▲4.122%
4月20日のNYダウが大幅反落したうえ、米長期金利も低下したことでイールドスプレッドは前日比で大幅拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲4.563%から▲0.441%と平均値よりかい離していることで割高になっている。19年1月3日の大底▲4.226%を▲0.104%から下回った。19年8月5日の大底▲4.102%を+0.020%上回った。20年2月28日の大底▲4.541%から▲0.419%下回った。20年3月23日の6.017%から▲1.895%下回った。中小企業支援策の追加資金を巡り民主党と共和党の協議が難航していることを嫌気して、売りが先行した。WTI原油先物相場が史上初のマイナス圏に急落し、投資家心理を冷やした。新型コロナウイルスが収束に向かうとの期待から前週末に相場が大きく上げた反動も出て一時610ドル超下げた。中国の顧客からの小型機「737MAX」の受注が取り消されたと伝わった航空機のボーイングが6.7%下落し、1銘柄でダウ平均を66ドルほど押し下げた。 VIX指数は38.15から43.83へ上昇した。
○米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲3.965%
・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲2.731%、19/4/25-▲2.966%
20/01/17-▲2.990%
・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/8/5-▲4.002%、
19/8/15-▲4.179%、20/2/28-4.499%
20/3/23-▲6.222%
・4月17日:▲4.064%⇒4月20日予想▲4.186%
S&P500は下落したうえ、米長期金利も低下したことでイールドスプレッドは前日比で大幅拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲3.965%から+0.221%とかい離が逆転していることで割安になっている。また、19年1月3日の大底となった▲3.869%を+0.317%上回った。また、19年8月5日の大底となった▲4.002%を+0.184%上回った。19年8月15日の▲4.179%を+0.007%上回った。20年2月28日の大底▲4.499%から▲0.313%下回った。20年3月23日の6.222%から▲2.036%下回った。
○米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲2.603%
・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲1.198%、19/4/25-1.468%
・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/8/15-▲2.383%、
19/8/15-▲2.498%、 20/3/16-▲4.094%
・4月17日:▲2.767%⇒4月20日予想▲2.839%
NASDAQは下落したうえ、米長期金利も低下したことでイールドスプレッドは前日比で大幅拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲2.603%から+0.236%とかい離が逆転していることで割安になっている。また、19年1月3日の大底となった▲2.179%に対しては+0.660%上回った。19年8月5日の大底となった▲2.383%に対して+0.456%上回った。19年8月15日の大底となった▲2.498%に対して+0.341%上回った。20年2月28日の大底2.803%から+0.036%上回った。20年3月16日の▲4.094%から▲1.255%下回った。
NASDAQが下落したうえ、米長期金利も低下したことでイールドスプレッドは大幅拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。過去のイールドスプレッド上回っていることで、割安感は残っている。そのため、新型コロナウイルスの感染などのポジティブな報道があると、引き続き急速な戻り基調となりやすい。
三指数のイールドスプレッドは、三指数が全てが下落したうえ、米長期金利も低下したことで三指数は前日比で大幅拡大した。 WTI原油先物相場が史上初のマイナス圏に急落し、投資家心理を冷やした。今後も新型コロナウイルスによる景気後退懸念が根強いことから、先行き経済指標に株価や米長期債金利が上下に振れる展開が予想される。ウイルス感染報道や米中貿易交渉、中東情勢、英国のブレグジットなどの報道で市場は上下に振れやすい状況が続いている。米国企業の1-3月期決算結果への警戒感も強いため、決算内容次第で上下に振れやすいので注意が必要となる。
※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。
※毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。
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