FITS エコノミックレポート

イールドスプレッドで4月17日の米国株市場を先取り!

 

昨日は米国株高・米長期金利上昇からイールドスプレッドは12月3日にかなり近づいており、米国株の割高感が強まってきた。そのため、下落調整などに注意する必要が高まっている。

 

4月16日(火)の米国3市場は、NYダウ:67.89ドル高の26,452.66ドル、S&P500:1.48ポイント高の2,907.06ポイント、NASDAQ:24.21ポイント高の8,000.23と三指数ともに小幅下落した。一方、米長期金利は、2.593%へ上昇(価格は下落)した。15日付けPERと株価から逆算』して4月16日付け予想PER計算すると、NYダウ:17.62倍、S&P500:18.04倍、NASDAQ:24.63倍と、三指数ともに前日比PERでわずかに上昇した。2011年4月21日以降の平均値は、NYダウ:15.01倍、S&P500:16.60倍、NASDAQ:21.78倍で現在3指数とも大幅に上回っている。このPERを基に16日付けのイールドスプレッドを算出すると、NYダウ:▲3.082%、S&P500:▲2.950%、NASDAQ:▲1.467%と、三指数ともにイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。

米長期国債金利は、良好な米企業決算が続き、米国株相場が約半年ぶりの高値を更新すると、相対的に安全資産とされる米国債に売り(金利は上昇)が出た。

米国株が小幅高となり、米長期金利も上昇したことで、イールドスプレッドはに縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。

 

昨年12月3日の高値時のイールドスプレッドを参考にする。12月3日に戻り天井となり下落基調となった。NYダウ:▲3.069%、S&P500:▲2.731%、NASDAQ:▲1.198%だった。

 

16日(火)のNYダウの予想イールドスプレッドは前日▲3.141%⇒▲3.082%となり縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。1月3日の直近割安となったイールドスプレッドの▲4.226%から1.144%に拡大(米国株に割高感)している。また、12月3日の戻り天井となった12月3日の▲3.069から0.013%へ縮小してきている。NYダウは、中国人民銀行が金融緩和を再開したほかドイツの景況感指数が改善し、アジア・欧州株がほぼ全面高となったことを受けて買いが先行した。複数の主要企業決算が好感されたものの、1-3月期決算を見極めたいとの思惑も根強く、上値は限られた。ヘルスケア大手のジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)や資産運用のブラックロックが発表した1-3月期決算が予想を上回ったため買い安心感が広がった。米長期金利が上昇し、利ざや拡大の期待からゴールドマン・サックスなど金融株の上昇も目立った。 VIX指数は12.32から12.18へ低下した。

 

S&P500の予想イールドスプレッドは前日▲2.995%⇒▲2.950%となり、イールドスプレッドは拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。1月3日のイールドスプレッド▲3.869%から0.919%に拡大してきている。また、12月3日の戻り天井の2.731%から▲0.219%へ縮小してきている。

 

NASDAQの予想イールドスプレッドは、前日▲1.521%⇒▲1.467%となり、イールドスプレッドは拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。1月3日のイールドスプレッド▲2.179%から0.712%に拡大してきている。また、12月3日の戻り天井の▲1.198%から▲0.269%へ縮小してきている。

 

テクニカル的には、NYダウは、5日SMAの26,310ドル、10日SMAの26,307ドルの上方に位置しており、上向きとなっていることから上昇基調が継続している。4月5日に付けた高値26,488ドルを上抜けしてきたことで、上値が重くなると利益確定売りがはいりやすい。一目均衡表では、転換線を再び上抜けを維持している。また、相場の方向性を示す基準線も上向きとなっていることから、過熱感はあるものの上昇基調は継続している。

 

S&P500も5日SMAの2,899ポイントを上抜け維持していることで上昇基調は継続している。緩やかながら5日SMAと10日SMAは上向きとなっており、上昇基調は維持している。また、一目均衡表では転換線と相場の方向性を示す基準線が上向きとなってきおり、上昇基調の継続を示している。

 

NASDAQは、5日SMAの7,974ポイントがサポートラインとして意識され上昇基調を維持している。また、10日SMAが上向きは維持していることで、短期的には依然として上昇基調を維持している。一目均衡表では、転換線の7,931ポイントの上方に位置しており基準線も上向きとなっていることから、上昇基調の継続を示している。

 

ストキャスティクス(パラメータ:14、5、3、20、80)では、三指数とも過熱感が出ている。また、NYダウは%Kが%Dを上抜けしてきたことで、戻り基調となってきた。イールドスプレッドは、12月3日の天井となった時に近づいている。米国株高・米長期金利が上昇するようなら、12月3日のイールドスプレッドを下回る可能性が高く、下落調整に注意が必要となる。1-3月期の米企業の決算発表が本格化してきており、業績結果に一喜一憂する展開が継続する。ただ、米国では決算発表までは自社株買いを控えることから、悪材料が出ると買い方が減少している中、大きく下落しやすいことには注意が必要となる。

 

2011年4月21日以降のイールドスプレッドの平均値のNYダウ:4.148%、S&P500:3.431%、NASDAQ:1.980%も下落時の節目となりやすい。

 

毎日イールドスプレッドを掲載していきますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

 

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