★NY株式市場では、三指数はまちまちの展開となり、米長期金利が上昇したことで、イールドスプレッドは前日比でNYダウとS&P500は拡大(米国10年債金利に対して前日比で米国株は割安)したが、NASDAQは縮小する展開となった。NYダウとS&P500は、イールドスプレッドが拡大したことで、割安感は強まった。石油輸出国機構(OPEC)加盟・非加盟の主要産油国による『OPECプラス』が大規模減産で合意したにもかかわらず、原油先物価格が下落したため、投資家心理が悪化し株式市場でも売りが優勢となった。今週から始まる1-3月期の米企業決算への警戒感も相場の重しとなり、一時620ドル超下げた。
今回のリスク回避の動きは新型コロナウイルスの感染拡大や原油急落にある。そのため、利下げや量的緩和、財政政策などを実施しても市場の不安は一時的なものになりやすい。まずは、感染拡大が縮小することや新型コロナウイルスのワクチンが開発されるなど、終息の方向が出るまでは不安定な市場が続く。また、景気後退は避けられないほか、どの程度速やかに救済資金が消費者や企業に供給されるかなどに不透明感もあるため、一方的な戻りにもなり難い。VIX指数は41.67から41.17へ低下した。徐々にVIX指数が落ち着いてきており、一時の過度なリスク回避の動きは後退してきている。ただ、まだVIX指数が高水準で推移していることから、しばらくはボラタイルな動きが続きやすい。今後の米経済指標は悪化の一途となることから、経済指標発表時の動きには注意が必要となる。
NYダウは、上向きの5日SMAの23,176ドルがサポートとなり下げ渋る展開となった。5日SMAと10日SMAが25日SMAの21,825ドルを上抜けするゴールデンクロスする展開となっている。また、5日SMAと10日SMAが上向きを維持していることで、短期的な戻り基調が継続している。ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、5、3、20、80)は、 %DとSlow%Dが上向きとなっているが、やや過熱感が出てきた。現在は、リスク回避の動きが強くネガティブな材料に強く反応しやすい地合いとなっている。一方、好材料が出てくると、割安感が強いだけに一気に上昇基調となり上下に大きく振れやすい地合いが継続している。5日SMAと10日SMAがサポートラインとなり戻り基調の継続が期待される。
NYダウの割高の目安は3.00%近辺、S&P500は3.00%割れ、ナスダックは1.5%以下が昨年からの割高の目安となっている。一方で割安の目安では、イールドスプレッドがNYダウ:4.0%台、S&P500:3.8%~4.0%台、NASDAQ:2.3%~2.5%台で割安感からの反発となりやすい。割安感となるイールドスプレッドを大幅に上回っていることから、相場が落ち着くと戻りも大きくなりやすい。
★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。
そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。
○米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲4.711%
・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲3.069%、19/4/25-▲3.048%
20/01/17‐▲3.018%
(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)
・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/8/5-▲4.102%、
20/2/28-▲4.541%、20/3/23-6.017%
(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)
・4月9日:▲4.267%⇒4月13日:予想▲4.296%
4月13日のNYダウが反落した一方で、米長期金利は上昇したもののイールドスプレッドは前日比で僅かに拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲4.711%から▲0.415%と平均値よりかい離していることで割高になっている。19年1月3日の大底▲4.226%を+0.070%上回っている。19年8月5日の大底▲4.102%を+0.194%上回っている。20年2月28日の大底▲4.541%と▲0.245%かい離した。20年3月23日の6.017%から▲1.721%かい離した。NYダウが反落したことで株式益利回りは上昇した。一方、米長期金利は上昇したがイールドスプレッドは前日比で僅かに拡大した。石油輸出国機構(OPEC)加盟・非加盟の主要産油国による『OPECプラス』が大規模減産で合意したにもかかわらず、原油先物価格が下落したため、投資家心理が悪化し株式市場でも売りが優勢となった。今週から始まる1-3月期の米企業決算への警戒感も相場の重しとなり、一時620ドル超下げた。 VIX指数は41.67から41.17へ低下した。
○米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲4.114%
・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲2.731%、19/4/25-▲2.966%
20/01/17-▲2.990%
・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/8/5-▲4.002%、
19/8/15-▲4.179%、20/2/28-4.499%
20/3/23-▲6.222%
・4月9日:▲4.361%⇒4月13日予想▲4.371%
S&P500は反落した一方で、米長期金利は上昇したがイールドスプレッドは前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲4.114%から+0.257%とかい離が逆転していることで割安になっている。また、19年1月3日の大底となった▲3.869%を+0.502%上回った。また、19年8月5日の大底となった▲4.002%を+0.369%上回った。19年8月15日の▲4.179%を+0.192%上回った。20年2月28日の大底▲4.499%まで▲0.128%かい離した。20年3月23日の6.222%から▲1.851%かい離した。
○米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲2.711%
・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲1.198%、19/4/25-1.468%
・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/8/15-▲2.383%、
19/8/15-▲2.498%、 20/3/16-▲4.094%
・4月9日:▲2.984%⇒4月13日予想▲2.924%
NASDAQは上昇したうえ、米長期金利も上昇したことでイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲2.711%から+0.213%とかい離が逆転していることで割安になっている。また、19年1月3日の大底となった▲2.179%に対しては+0.745%上回った。19年8月5日の大底となった▲2.383%に対して+0.541%上回った。19年8月15日の大底となった▲2.498%に対して+0.426%上回った。20年2月28日の大底2.803%まで+0.121%上回った。20年3月16日の▲4.094%から▲1.170%かい離した。
NASDAQは、上昇したうえ、米長期金利も上昇したことでイールドスプレッドは縮小した。過去のイールドスプレッドを上回っていることで、割安感は残っているが過度な割安感は払しょくされてきた。しかし、新型コロナウイルスの感染などのポジティブな報道があると、引き続き急速な戻り基調となりやすい。
三指数のイールドスプレッドは、三指数はまちまちの展開となり、米長期金利は上昇したもののNYダウとS&P500は前日で拡大した。一方、NASDAQは縮小する展開となった。 今後も新型コロナウイルスによる景気後退懸念が根強いことから、先行き経済指標に株価や米長期債金利が上下に振れる展開が予想される。ウイルス感染報道や米中貿易交渉、中東情勢、英国のブレグジットなどの報道で市場は上下に振れやすい状況が続いている。米国企業の1-3月期決算結果への警戒感も強い。そのため、決算内容で上下に振れやすい。
※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。
※毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。
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