FITS エコノミックレポート

イールドスプレッドで4月1日の米国株市場を先取り!

 

3月29日(金)の米国3市場は、NYダウ:211.22ドル高の25,928.68ドル、S&P500:18.96ポイント高の2,834.40ポイント、NASDAQ:60.15ポイント高の7,729.32と三指数ともに上昇した。一方、米長期金利は、2.40%台を回復し2.406%へ上昇(価格は下落)した。『28日付けPERと株価から逆算』して3月29日付け予想PER計算すると、NYダウ:17.12倍、S&P500:17.55倍、NASDAQ:24.43倍と、三指数ともに前日比でPERは上昇した。2011年4月21日以降の平均値は、NYダウ:15.00倍、S&P500:16.59倍、NASDAQ:21.77倍で現在3指数とも大幅に上回っている。このPERを基に29日付けのイールドスプレッドを算出すると、NYダウ:▲3.435%、S&P500:▲3.292%、NASDAQ:▲1.687%と、3指数ともにイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)となった。

米長期国債金利は、米国株相場の上昇で投資家心理が改善し、安全資産とされる米国債に売り(金利は上昇)が出た。なお、クオールズ米連邦準備理事会(FRB)副議長は『将来のどこかの時点で利上げ必要になるとみている』と述べた一方、クドロー米国家経済会議(NEC)委員長は『FRBは直ちに0.50%の利下げをするべき』との考えを示した。

米長期金利の上昇に加え、米国株が上昇したことでイールドスプレッドは大幅に縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。

 

昨年12月3日の高値時のイールドスプレッドを参考にする。12月3日に戻り天井となり下落基調となった。NYダウ:▲3.069%、S&P500:▲2.731%、NASDAQ:▲1.198%だった。

 

29日(金)のNYダウの予想イールドスプレッドは前日▲3.490%⇒▲3.435%となり縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。1月3日の直近割安となったイールドスプレッドの▲4.226%から0.791%に拡大(米国株に割高感)している。また、12月3日の戻り天井となった12月3日の▲3.069から0.366%へ縮小してきている。NYダウは、米中両国は28-29日、北京で閣僚級貿易協議を開催。米ホワイトハウスは声明で『今後の重要な段取りなどについて率直かつ建設的な議論を行い進展が見られた』と発表した。一方、中国国営の新華社通信も『新たな進展があった』と報じた。米中貿易協議の進展が好感される中、キャタピラーやボーイングなど中国向け売上比率が高い銘柄中心に買いが広がり、指数は一時230ドル超上げた。なお、両政府は4月3日からワシントンで交渉を再開する予定で、進展への期待が高まっている。 VIX指数は14.43から13.71へ低下した。

 

S&P500の予想イールドスプレッドは前日▲3.338%⇒▲3.292%となり、イールドスプレッドは縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。S&P500も割安感が徐々に払拭されていたが、大幅下落で修正されてきている。1月3日のイールドスプレッド▲3.869%から0.577%に拡大してきている。また、12月3日の戻り天井の2.731%から▲0.561%へ縮小してきている。

 

NASDAQの予想イールドスプレッドは、前日▲1.726%⇒▲1.687%となり、イールドスプレッドは縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。1月3日のイールドスプレッド▲2.179%から0.492%に拡大してきている。また、12月3日の戻り天井の▲1.198%から▲0.489%へ縮小してきている。

 

テクニカル的には、NYダウは、10日SMA25,746ドルと25日SMAの25,769ドルがレジスタンスとして意識されていたが上抜けする強い展開となった。そのため、2月25日の年初来高値の26,241ドルを目指す動きとなりやすい

S&P500は、25日SMA2,800ポイントをがサポートとなり、10日SMA2,822ポイントのレジスタンスを上抜けした。3月21日の年初来高値2,860ポイントを目指す動きとなる。

NASDAQも、25日SMAの7,616ポイントがサポートとなり、10日SMA7,702ポイントのレジスタンスを上抜けした。3月21日の年初来高値7,702ポイントを目指す動きとなる。

ストキャスティクス(パラメータ:14、5、3、20、80)では、NYダウは%Kが%Dを上抜けしてきており、下落基調から上昇基調へ変化した。S&P500とNASDAQも%Kが下向きから横ばい上向きに変化していることから下げ止まる展開となっている。米長期金利が下げ止まり2.40%台を回復したことや、米中閣僚級の貿易協議が進展しているとの報道からリスク選好の動きとなった。

 

2011年4月21日以降のイールドスプレッドの平均値のNYダウ:4.323%、S&P500:3.602%、NASDAQ:2.083%も下落時の節目となりやすい。

 

毎日イールドスプレッドを掲載していきますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

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