FITS エコノミックレポート

イールドスプレッドで3月4日の米国株市場を先取り!

 

3月1日(金)の米国3市場は、NYダウ:110.32ドル高の26,026.32ドル、S&P500:19.20ポイント高の2,803.69ポイント、NASDAQ:62.82ポイント高の7,595.35と3指数ともに上昇した。一方、米長期金利は、2.753%に上昇(価格は下落)した。『28日付けPERと株価から逆算』して3月1日付け予想PER計算すると、NYダウ:16.66倍、S&P500:17.35倍、NASDAQ:24.03倍と、3指数ともに前日より上昇(割高)した。2011年4月21日以降の平均値は、NYダウ:14.98倍、S&P500:16.58倍、NASDAQ:21.74倍で現在3指数とも大幅に上回っている。このPERを基に1日付けのイールドスプレッドを算出すると、NYダウ:▲3.249%、S&P500:▲3.011%、NASDAQ:▲1.408%と、3指数ともにイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)となった。米長期国債は、米中貿易交渉が進展するとの期待から株式相場が上昇。安全資産とされる米国債に売りが出た。市場では『金利がここ1カ月ほどのレンジを上放れしたことで、一段の債券売り(金利は上昇)が出やすくなった』との声が聞かれた。

 

昨年12月3日の高値時のイールドスプレッドを参考にする。12月3日に戻り天井となり下落基調となった。NYダウ:▲3.069%、S&P500:▲2.731%、NASDAQ:▲1.198%だった。

 

1日(金)のNYダウの予想イールドスプレッドは前日▲3.310%⇒▲3.249%となり、縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。1月3日の直近割安となったイールドスプレッドの▲4.226%から0.977%に拡大(米国株に割高感)している。また、12月3日の戻り天井となった12月3日の▲3.069から0.180%へ縮小してきている。NYダウは、低調な米経済指標が相次いだことでマイナス圏に沈む場面もあったが、終盤持ち直した。米中貿易交渉が近く何らかの合意に達するとの期待感が広がり、投資家心理が上向いた。ユナイテッドヘルスやシェブロン、アップルなどの上昇が指数の押し上げ要因となった。 米景気減速への懸念から上げ幅を縮小したものの、終日堅調推移となった。VIX指数は14.78から13.57へ低下した。

 

S&P500の予想イールドスプレッドは前日▲3.086%⇒▲3.011%となり、イールドスプレッドは縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。S&P500も割安感が徐々に払拭されてきている。1月3日のイールドスプレッド▲3.869%から0.858%に拡大してきている。また、12月3日の戻り天井の2.731%から▲0.280%へ縮小してきている。

 

 NASDAQの予想イールドスプレッドは、前日▲1.478%⇒▲1.408%となり、イールドスプレッドは拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。1月3日のイールドスプレッド▲2.179%から0.771%に拡大してきている。また、12月3日の戻り天井の▲1.198%から▲0.210%へ縮小してきている。

 

テクニカル的には、NYダウは、引き続き10日SMAがサポートなり下押しも限定的となっている。また、5日SMAがにわかに低下傾向となってきた。ただ、10日SMAはわずかに上向きが継続しており、現状のところは上昇基調が継続しているが短期的なところでは相場に変化の兆しが出始めている。ただ、25日SMAが上抜きとなっていることから、中期的な上昇トレンドは継続している。12月3日の直近高値25,980ドルを一旦上抜けしたことから、上値切り上げとなる上昇トレンド転換している。しかし、イールドスプレッドからも相当過熱感が出てきており、何時下落調整の動きになっても不思議ではない。S&P500も、NYダウ同様に一旦5日SMAを下抜けしたものの、10日SMAがサポートとなり上昇基調を維持している。NASDAQも、レジスタンスとして意識されていた200日SMAを上抜けしたことで上昇基調を維持している。

3指数ともにストキャスティクスでは、価格は上昇しているものの上値が重くなってきていることや、買われ過ぎ過熱感が出ている。米国株全般にレジスタンスを上抜けしてきたことで、上昇基調が継続しているもののイールドスプレッドでは割高感強くなってきており、調整的な下落調整となっても不思議ではない。

 

2011年4月21日以降のイールドスプレッドの平均値のNYダウ:4.232%、S&P500:3.476%、ナスダック:1.959%も下落時の節目となりやすい。

 

※毎日イールドスプレッドを掲載していきますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

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