FITS エコノミックレポート

イールドスプレッドで3月19日の米国株市場を先取り!

 

3月19日(火)の米国3市場は、NYダウ:26.72ドル安の25,887.38ドル、S&P500:0.37ポイント安の2,832.57ポイント、NASDAQ:9.47ポイント高の7,723.95とまちまちの動きとなった。一方、米長期金利は、2.617%に上昇(価格は下落)した。『18日付けPERと株価から逆算』して3月19日付け予想PER計算すると、NYダウ:16.95倍、S&P500:17.56倍、NASDAQ:24.47倍と、前日比でNYダウは低下、S&P500は横ばい、NASDAQは上昇する展開となった。2011年4月21日以降の平均値は、NYダウ:14.99倍、S&P500:16.59倍、NASDAQ:21.76倍で現在3指数とも大幅に上回っている。このPERを基に19日付けのイールドスプレッドを算出すると、NYダウ:▲3.283%、S&P500:▲3.078%、NASDAQ:▲1.470%と、3指数ともにイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)となった。米長期国債金利は、明日の米連邦公開市場委員会(FOMC)結果公表を前にポジション調整目的の売りがやや優勢となった。

 

昨年12月3日の高値時のイールドスプレッドを参考にする。12月3日に戻り天井となり下落基調となった。NYダウ:▲3.069%、S&P500:▲2.731%、NASDAQ:▲1.198%だった。

 

19日(火)のNYダウの予想イールドスプレッドは前日▲3.386%⇒▲3.283%となり縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。1月3日の直近割安となったイールドスプレッドの▲4.226%から0.943%に拡大(米国株に割高感)している。また、12月3日の戻り天井となった12月3日の▲3.069から0.214%へ縮小してきている。NYダウは、米FOMCが利上げ停止の姿勢を強めるとの期待や、パウエルFRB議長が利上げに消極的な姿勢を示すとの見方から、買いが先行し一時190ドル超上げた。ただ、『一部の米当局者は中国が米国の要求に抵抗していることを懸念』との米紙報道をきっかけに、米中貿易交渉に対する不透明感が広がると一転下落した。 VIX指数は13.10から13.56へ上昇した。

 

S&P500の予想イールドスプレッドは前日▲3.088%⇒▲3.078%となり、イールドスプレッドは縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。S&P500も連日の上昇で割安感が徐々に払拭されてきている。1月3日のイールドスプレッド▲3.869%から0.791%に拡大してきている。また、12月3日の戻り天井の2.731%から▲0.347%へ縮小してきている。

 

NASDAQの予想イールドスプレッドは、前日▲1.485%⇒▲1.470%となり、イールドスプレッドは縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。1月3日のイールドスプレッド▲2.179%から0.709%に拡大してきている。また、12月3日の戻り天井の▲1.198%から▲0.272%へ縮小してきている。

 

テクニカル的には、NYダウは、5日SMAの25,813ドル、10日SMAの25,687ドル、25日SMAの25,784ドルがサポートとなり、上昇基調を維持している。下値では200日SMAの25,166ドルもサポートとして意識されている。S&P500は、5日SMAが上向きで年初来高値を更新しており、短期的には上昇余地が広がってきた。NASDAQも同様に年初来高値を更新してきたことで、上昇余地が広がっている。

ストキャスティクス(パラメータ:14、5、3、20、80)では、三指数ともに%Kが%Dを上抜けており、かい離幅を広げて上向きとなっていることで、上昇の勢いは継続している。ただ、S&P500とNASDAQはやや買われ過ぎ過熱感が出てきていることには注意が必要となる。割高感はあるものの、米長期金利の低下が株価の割高感を打ち消している。そのため、米長期金利がもう一段の上昇となると、株価に割高感が強まり下落調整となりやすい。

 

2011年4月21日以降のイールドスプレッドの平均値のNYダウ:4.220%、S&P500:3.477%、ナスダック:1.962%も下落時の節目となりやすい。

 

毎日イールドスプレッドを掲載していきますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

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