FITS エコノミックレポート

イールドスプレッドで2月8日の米国株市場を先取り!

 

2月7日(木)の米国3市場は、NYダウ:220.77ドル安の25,169.53ドル、S&P500:25.56ポイント安の2,706.05ポイント、NASDAQ:86.93ポイント安の7,288.35と、3指数とともに大幅下落した。一方、米長期金利は、2.657%に低下した。『6日付けPERと株価から逆算』して2月7日付け予想PER計算すると、NYダウ:16.10倍、S&P500:16.88倍、NASDAQ:23.02倍と、3指数ともにPERは低下した。2011年4月21日以降の平均値はNYダウ:14.97倍、S&P500:16.58倍、NASDAQ:21.73倍を現在3指数とも上回っている。このPERを基に7日付けのイールドスプレッドを算出すると、NYダウ:▲3.554%、S&P500:▲3.267%、NASDAQ:▲1.687%と、3指数とともにイールドスプレッドは前日より拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)となった。米長期国債は、欧州を中心に世界景気の減速懸念が再燃したため、安全資産とされる米国債に買い(金利は低下)が先行した。米30年物国債入札は『無難』な結果となったことも買い安心感につながった。

 

昨年12月3日の高値時のイールドスプレッドを参考にする。12月3日に戻り天井となり下落基調となった。NYダウ:▲3.069%、S&P500:▲2.731%、NASDAQ:▲1.198%だった。

 

7日(木)のNYダウの予想イールドスプレッドは前日▲3.463%⇒▲3.554%となり拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。1月3日の直近割安となったイールドスプレッドの▲4.226%から0.672%に拡大(米国株に割高感)している。また、12月3日の戻り天井となった12月3日の▲3.069から0.485%へ縮小してきている。NYダウは、欧州委員会がユーロ圏成長見通しを下方修正したことで、欧州を中心に世界景気の減速懸念が再燃するなか、クドローNEC委員長が米中交渉の合意まで『距離がある』との見方を示した。また、トランプ大統領も3月2日の期限まで習主席と会おうことはないだろうと語ったことを受け、米中の貿易協議合意に対する期待が後退し売りが加速した。下げ幅は一時380ドルを超える場面があった。ボーイングやゴールドマン・サックス、アップルの下落が相場の重し。半面、トラベラーズやウォルマートなどは買われ、相場の下支え要因となった。 VIX指数は15.38から16.37へ上昇した。

 

S&P500の予想イールドスプレッドは前日▲3.174%⇒▲3.267%となり、イールドスプレッドは拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。S&P500も割安感は残っているものの、1月3日のイールドスプレッド▲3.869%から0.602%に拡大してきている。また、12月3日の戻り天井の2.731%から▲0.536%へ縮小してきている。

 

 NASDAQの予想イールドスプレッドは、前日▲1.599%⇒▲1.687%となり、イールドスプレッドは拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。1月3日のイールドスプレッド▲2.179%から0.492%に拡大してきている。また、12月3日の戻り天井の▲1.198%から▲0.489%へ縮小してきている。

 

テクニカル的で米国株は、NYダウは、10日SMAと200日SMA、260日SMAがサポートとなり下げ止まった。5日SMAを下抜けしたことで、レジスタントして意識されやすい。ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、5、3、20、80)は、%Kが%Dを下抜けしてきており、下向き圧力が強まりやすい。S&P500とNASDAQは200日SMAと260日SMAがレジスタンスとして引き続き意識されており、上値が重くなっている。ただ、量子数とも10日SMAがサポートとして意識され下げ止まっている。米国株価指数は全体的に割高感が出てきていることから、いつ調整的な下落基調となっても不思議ではない。

 

2011年4月21日以降のイールドスプレッドの平均値のNYダウ:4.309%、S&P500:3.520%、ナスダック:2.019%も下落時の節目となりやすい。

 

毎日イールドスプレッドを掲載していきますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

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