FITS エコノミックレポート

イールドスプレッドで2月3日の米国株市場を先取り!米国株の大底を探る!

 

★NY株式市場では、三指数が大幅下落したうえ、米長期金利も大幅低下したことでイールドスプレッドは前日比で三指数ともに大幅拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。株価の下げ止まりや上値追いとなるには米長期金利の低下が重要ポイントとなる。また、新型コロナウイルスの感染者拡大が続いており、ネガティブな報道で株価が大幅下落しやすいので十分注意する必要がある。ウイルスのワクチン完成や感染者が縮小するような動きになるまでは、リスク回避の動きが継続しやすい。NASDAQには割安感も出始めていることから、下げ止まると大きな反動上昇となる可能性がある。

 

NYダウは、25日SMAの28,830ドルを大きく下回り下落基調となっている。ただ、75日SMAの28,058ドルがサポートラインとなり下げ止まるかが注目点となる。5日SMAが下向きとなっており、10日SMAとデッドクロスし両線とも下向きとなっていることから、短期的には下落基調が継続している。また、ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、5、3、20、80)も、買われ過ぎ過熱感から%DがSlow%Dを下抜け、両線とも下向きとなっていることで下向きバイアスが強いことを示している。さらに、欧米貿易協議の行方と米企業決算結果やコロナウイルスの感染拡大報道などで上下に振れやすくなっている。米国株には、下落調整色が強まっているので警戒する必要がある安感の目安では、イールドスプレッドがNYダウ:4.0%台、S&P500:3.8%~4.0%台、NASDAQ:2.3%~2.5%台で割安感からの反発となりやすい。

 

★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。

そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。

 

米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲4.285%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲3.069%、19/4/25-▲3.048%

               20/01/17‐▲3.018%

(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/6/3-▲4.038%、

               19/8/5-▲4.102%

(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)

・1月30日:▲3.416%⇒1月31日予想▲3.605%

 

1月31日のNYダウが大幅下落したうえ、米長期金利も大幅に低下したことでイールドスプレッドは前日比で大幅拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲4.285%から▲0.680%と平均値よりかい離していることで現在は割高になっている。1913日の大底▲4.226%を▲0.621%と縮小した。1963日の大底4.038%を▲0.433%と縮小した。1985日の大底▲4.102%を▲0.497%と縮小した。

 

NYダウが下落したことで株式益利回りは低下した。また、米長期金利も大幅に低下したことでイールドスプレッドは前日比で大幅拡大した。米国債券に対してNYダウが前日比で割安となった。前日比では米国債券を買うよりもNYダウを買う方が良いことになる。中国で多数の死者を出している新型コロナウイルスの感染が世界規模で広がる中、投資家の不安心理が再燃しリスク回避の動きが加速した。NYダウは一時680ドル超下落した。米政府が中国全土への渡航を最高警戒レベルに引き上げたことを受けて、米航空3社は中国行きの直行便を運休する。市場では『感染拡大による世界経済への悪影響に現実味が増してきた』との声が聞かれた。

 

米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲3.655%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲2.731%、19/4/25-▲2.966%

                20/01/17-▲2.990%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/6/3-▲3.881%、

                19/8/5-▲4.002%、19/8月15日-4.179%

・1月30日:▲3.443%⇒1月31日予想▲3.615%

 

S&P500が大幅下落したうえ、米長期金利も大幅低下したことでイールドスプレッドは前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲3.655%から▲0.040%とかい離していることで現在は割高になっている。また、19年1月3日の大底となった▲3.869%に対して▲0.254%より縮小。19年6月3日の大底となった3.881%から▲0.266%とイールドスプレッドは縮小。また、19年8月5日の大底となった▲4.002%から▲0.387%縮小した。19年8月15日の▲4.179%とは▲0.564%より縮小した。

 

米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲2.320%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲1.198%、19/4/25-1.468%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/6/3-▲2.328%、

              19/8/5-▲2.383%、 19/8/15-▲2.498%

・1月30日:▲2.201%⇒1月31日予想▲2.344%

 

NASDAQが大幅下落したうえ、米長期金利も大幅低下したことからイールドスプレッドは前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲2.320%から+0.024%と平均値より上回ったことで割高感は払しょくされいる。また、1913日の大底となった▲2.179%に対しては+0.165%上回った。1963日の大底となった▲2.328%に対して+0.016%上回った1985日の大底となった▲2.383%から▲0.039%と縮小した。19815日の大底となった▲2.498%から▲0.154%縮小した。

 

NASDAQはハイテク関連銘柄が多く米中貿易摩擦の影響が大きく、三指数の中で上下に振れるボラティリティが最も高くなっている。特に米中通商協議の行方に左右されやすく、報道に振れやすい地合いとなっている。『第2段階合意』に向けて米中間で協議される。そのため、今後も米中貿易摩擦に関する報道に振られる展開が予想される。また、中国発の新型コロナウイルスの感染が拡大してきた。2003年に発生したSARS発生後では、中国GDP第1四半期は11.1%だったが、第2四半期のGDPは9.1%に低下した。そのため、感染拡大の規模が大きくなると中国経済に悪影響を与え、NASDAQの上値も抑えられる。ただ、NASDAQは割安感も出てきていることから、戻り基調になると大きな戻り相場となりやすい。ただ、世界的にリスク回避の動きとなっており、どこまでイールドスプレッドが拡大するか注目点となる。

 

三指数のイールドスプレッドは、三指数とも大幅下落したことや、米長期金利が大幅低下したことで三指数ともに前日比で拡大した。新型コロナウイルスの感染急速に拡大していることから、リスク回避の債券買いになりやすく米長期金利が低下しやすい。そのため、今後リスク回避の株価下落と米長期金利が低下するようなら、イールドスプレッドはより拡大しやすく米国株の割高感が出てくる。NASDAQには割安感も出てきていることから戻り場面では大きな動きになりやすい。

 

※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。

 

毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

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