★NY株式市場では、三指数が上昇・下落するまちまちの展開となったが、米長期金利が大幅低下したことでイールドスプレッドは前日比で三指数ともに拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。アップルが新型肺炎の影響で1-3月期の売上高予想を達成できないと発表したことが嫌気された。そして、世界景気の減速懸念が強まったことで売りが優勢となった。NASDQのPERが13日に大幅上昇した。企業業績の下方修正が入ったことによりPERが上昇したものと思われる。そのため、NASDAQの割安感は払しょくされている。
NYダウは下落したものの、5日SMAの29,376ドルと10日SMAの29,274ドルを下抜けた。ただ、25日SAMの29,052ドルがサポートラインとして意識され引けにかけて下げ止まる展開となった。一方で、ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、5、3、20、80)は、買われ過ぎ域から%DがSlow%Dをわずかに下抜けしてきた。トレンドが反落する可能性が高まってきた。ただ、史上最高値圏で推移しているものの、米長期金利が低下基調にあることから、割高感は出ていない。現在は割高感も割安感も出ていないため、材料次第で上下に振れる展開になりやすい。
NYダウの割高の目安は3.00%近辺、S&P500は3.00%割れ、ナスダックは1.5%以下が昨年からの割高の目安となっている。一方で割安の目安では、イールドスプレッドがNYダウ:4.0%台、S&P500:3.8%~4.0%台、NASDAQ:2.3%~2.5%台で割安感からの反発となりやすい。
★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。
そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。
○米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲4.262%
・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲3.069%、19/4/25-▲3.048%
20/01/17‐▲3.018%
(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)
・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/6/3-▲4.038%、
19/8/5-▲4.102%
(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)
・2月14日:▲3.370%⇒2月18日:予想▲3.426%
2月18日のNYダウが下落したうえ、米長期金利も低下したことでイールドスプレッドは前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲4.262%から▲0.836%と平均値よりかい離していることで割高になっている。18年12月3日の天井となった▲3.069%まで▲0.357%に接近した。19年4月25日の天井となった3.048%まで▲0.378%に縮小した。20年1月17日の天井となった▲3.018%まで▲0.408%まで接近した。米長期金利が1.5%台半まで低下したことで、イールドスプレッドが拡大傾向となりやすくNYダウの割高感は払しょくされやすい。。
NYダウが下落したことで株式益利回りは上昇した。また、米長期金利が低下したことでイールドスプレッドは前日比で拡大した。米国債券に対してNYダウが前日比で割安となった。前日比では米国債券を買うよりもNYダウを買う方が良いことになる。アップルが新型肺炎の影響で1-3月期の売上高予想を達成できないと発表したことが嫌気され、半導体関連株や中国関連株が売りに押された。一方、小売り大手のウォルマートが1.5%上昇し、指数を下支えした。 米長期金利の低下も嫌気されたものの、引けにかけて下げ幅を縮小し小動きとなった。
○米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲3.642%
・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲2.731%、19/4/25-▲2.966%
20/01/17-▲2.990%
・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/6/3-▲3.881%、
19/8/5-▲4.002%、19/8月15日-4.179%
・2月14日:▲3.417%⇒2月18日予想▲3.461%
S&P500が下落したうえ、米長期金利も低下したことでイールドスプレッドは前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲3.642%から▲0.181%とかい離していることで割高になっている。また、18年12月3日の天井となった▲2.731%まで▲0.730%に接近した。19年4月25日の天井となった▲2.966%まで▲0.495に接近した。20年1月17日の天井となった2.990%まで▲0.471%に接近した。
○米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲2.183%
・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲1.198%、19/4/25-1.468%
・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/6/3-▲2.328%、
19/8/5-▲2.383%、 19/8/15-▲2.498%
・2月14日:▲1.928%⇒2月18日予想▲1.957%
NASDAQが上昇した一方で、米長期金利が大幅低下したことでイールドスプレッドは前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲2.183%から▲0.226%と平均値より縮小している分割高となっている。また、18年12月3日の天井となった▲1.198%まで▲0.759%に接近した。19年4月25日の天井となった▲1.468%まで▲0.489%に接近した。
NASDAQはハイテク関連銘柄が多く米中貿易摩擦の影響が大きく、三指数の中で上下に振れるボラティリティが最も高くなっている。特に米中通商協議の行方に左右されやすく、報道に振れやすい地合いとなっている。『第2段階合意』に向けて米中間で協議される。そのため、今後も米中貿易摩擦に関する報道に振られる展開が予想される。また、中国発の新型コロナウイルスの感染が拡大してきた。2003年に発生したSARS発生後では、中国GDP第1四半期は11.1%だったが、第2四半期のGDPは9.1%に低下した。そのため、感染拡大の規模が大きくなると中国経済に悪影響を与え、NASDAQの上値も抑えられる。企業の業績下方修正があったもののと思われるが、13日のPERが大幅に上昇した。そのため、▲2.0%台だったイールドスプレッドが一気に1.90%台まで縮小する展開となっている。
三指数のイールドスプレッドは、三指数は上昇・下落とまちまちの展開となったが、米長期金利が大幅低下したことで三指数ともに前日比で拡大した。新型肺炎の感染拡大の影響が米アップルの業績低下につながってきており、世界景気への減速懸念からリスク回避の動きが強まってきた。米長期金利が低位で推移していることから、現在は割安感も割高感もない状況である。そのため、上下どちらに振れても不思議ではない状態となっている。ウイルス感染報道や米中貿易交渉、中東情勢、英国のブレグジットなどの報道で振れやすい。
※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。
※毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。
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