FITS エコノミックレポート

イールドスプレッドで12月28日の米国株市場を先取り!

 

12月27日(木)の米国3市場は、NYダウ:260.37ドル高の23,138.82ドル、S&P500:21.13ポイント高の2,488.83ポイント、NASDAQ:25.14ポイント高の6,579.49と、3株価指数とも上昇となった。一方、米長期金利は前日比低下し2.773%と再び2.80%台を割り込んだ。『26日付けPERと株価から逆算』して27日付け予想PER計算すると、NYダウ:14.99倍、S&P500:15.71倍、NASDAQ:21.51倍と3株価指数ともに上昇した。このPERを基に27日付けのイールドスプレッドを算出すると、NYダウ:▲3.898%、S&P500:▲3.592%、NASDAQ:▲1.876%と、NYダウとS&P500はイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)となった。ただ、NASDAQはわずかにイールドスプレッドは前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)となった。米長期金利が大きく低下したことでNASDAQのイールドスプレッドが拡大した。株価が上昇しても米長期金利の低下が大きいとイールドスプレッドが拡大することもある。

 

NYダウの年初来底値時のイールドスプレッドを参考にする。4月2日に付けた年初来安値時のNYダウ:▲3.579%、S&P500:▲3.145%、NASDAQ:▲1.640%や、2月9日の反転時となったNYダウ:▲3.300%、S&P500:▲2.756%、NASDAQ:▲1.313%だった。

 

27日(木)のNYダウの予想イールドスプレッドは前日▲3.942%⇒▲3.898%となり、小幅に縮小した。NYダウは一時610ドル超下落していたものの、引けにかけて2時間で260ドル超の上昇で終了した。市場では『年金の買いが継続的に入った』との声が聞かれた。26-27日の二日間で1,346.62ドル上昇したことで、イールドスプレッドは大きく縮小したが、4月2日や2月9日の安値圏でのイールドスプレッドと比較すると拡大しており、割安感が残っている。

 

S&P500の予想イールドスプレッドは前日▲3.612%⇒▲3.592%となり、連日4月2日及び2月9日のイールドスプレッドを上回っていることから、S&P500もまだ割安感が残っている。

 

NASDAQの予想イールドスプレッドは、前日▲1.860%⇒▲1.876%となり、連日2月9日と4月2日のイールドスプレッドを上回っていることから、NASDAQもまだ割安感が残っている。米3指数の中ではNASDQ指数だけがイールドスプレッドが拡大した。これは上昇幅が小幅だったことに対して、米長期金利の低下が大きかったことから、拡大する結果となった。

 

3株価指数ともNY市場では大幅下落していたことから、リスク回避の米債券買い(金利は低下)したことで、株価に割安感が再燃していた。ただ、引け2時間でプラス圏に上昇したことでイールドスプレッドが縮小したものの、米10年物国債金利に対して割安感は残っている。しかし、世界的な景気減速懸念が根強く、米中貿易摩擦も強まりかねない状況となっている。また、NY市場では、政府機関閉鎖が長期化する可能性が強まっていることも警戒されている。そのため、割安感だけで一旦下げ止まったとしても、戻り売りに押されやすい地合いが続きやすい。VIX指数が30.07か29.96まで低下し30を下回ってきているが、VIX指数が20を下回るまでは再び上昇する可能性があるので注意が必要。VIX指数が徐々に低下してくるようなら、米国株式市場も落ち着いてくる。

 

2011年4月21日以降のイールドスプレッドの平均値のNYダウ:4.548%、S&P500:3.740%、ナスダック:2.150%に徐々に近づいており、一旦は下げ止まりの節目となりやすい。

 

毎日イールドスプレッドを掲載していきますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

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