FITS エコノミックレポート

イールドスプレッドで12月27日の米国株市場を先取り!

 

12月26日(水)の米国3市場は、NYダウ:1,086.25ドル高の22,878.45ドル、S&P500:116.60ポイント高の2,467.70ポイント、NASDAQ:361.44ポイント高の6,554.36と、3株価指数とも大幅上昇となった。また、米長期金利は前日比上昇し2.806%と2.80%台を回復した。『24日付けPERと株価から逆算』して26日付け予想PER計算すると、NYダウ:14.80倍、S&P500:15.58倍、NASDAQ:21.46倍と3株価指数ともに大きく上昇した。このPERを基に26日付けのイールドスプレッドを算出すると、NYダウ:▲3.951%、S&P500:▲3.612%、NASDAQ:▲1.854%とイールドスプレッドは前日比で大きく縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)となった。連日株価指数が大幅上昇しうえ、米長期金利が上昇したことでイールドスプレッドが大幅に縮小した。

 

NYダウの年初来底値時のイールドスプレッドを参考にする。4月2日に付けた年初来安値時のNYダウ:▲3.579%、S&P500:▲3.145%、NASDAQ:▲1.640%や、2月9日の反転時となったNYダウ:▲3.300%、S&P500:▲2.756%、NASDAQ:▲1.313%だった。

 

26日(水)のNYダウの予想イールドスプレッドは前日▲4.352%⇒▲3.951%となり、大幅に縮小した。NYダウは連日の大幅下落となっていたことから、その反動での買い戻しも大きな値動きとなった。イールドスプレッドは大きく縮小したが、4月2日や2月9日の安値圏でのイールドスプレッドと比較すると、まだ大きく拡大している。

 

S&P500の予想イールドスプレッドは前日▲3.999%⇒▲3.612%となり、連日4月2日及び2月9日のイールドスプレッドを上回っていることから、S&P500もまだ相当割安感が出ている。

 

NASDAQの予想イールドスプレッドは、前日▲2.191%⇒▲1.854%となり、連日2月9日と4月2日のイールドスプレッドを上回っていることから、NASDAQもまだ相当割安感が出ている。

 

3株価指数とも昨日の上昇によりイールドスプレッドが縮小したものの、米10年物国債金利に対して株価に割安感は残っている。そのため、悲観的な連日の株価安は落ち着きを取り戻せるかが注目される。しかし、世界的な景気減速懸念が根強く、NY市場では、政府機関閉鎖が長期化する可能性が強まっていることも警戒されている。そのため、割安感だけで一旦下げ止まったとしても、戻り売りに押されやすい地合いが続きやすい。VIX指数が36.70から30.41まで低下したが、未だに30を上回っていることから再びボラティリティが高まる可能性も残る。また、ボラティリティの高止まりからファンド筋のポジション調整売りも入りやすい地合いは継続している。

 

2011年4月21日以降のイールドスプレッドの平均値のNYダウ:4.754%、S&P500:3.933%、ナスダック:2.315%に徐々に近づいており、一旦は下げ止まりの節目となりやすい。

 

毎日イールドスプレッドを掲載していきますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

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