FITS エコノミックレポート

イールドスプレッドで12月13日の米国株市場を先取り!

 

12月11日(火)の米国3市場は、NYダウ:53.02ドル安、S&P500:0.94ポイント安、NASDQ総合:11.31ポイント高となり、NYダウとS&P500は小幅下落となった一方で、NASDAQは小幅上昇となった。また、米長期金利は2.878%と前日2.859%から金利は上昇(価格は下落)し、2日連続上昇となった。12月11日付けイールドスプレッドは、NYダウ:▲3.459%、S&P500:▲3.168%、NASDAQ:▲1.529%とイールドスプレッドは前日比で小幅低下(米国10年債金利に対して米国株は割高)となった。NYダウとS&P500は下落したにもかかわらず、米長期金利がそれ以上に上昇したことからイールドスプレッドは縮小した。

 

12月11日(火)の米国株式市場は、中国副首相と米通商代表部(USTR)代表らが貿易問題について電話協議したと伝わると、米中貿易協議の進展期待が高まり買いが先行。一時370ドル近く上昇した。ただ、メキシコ国境の壁建設費用を巡るトランプ米大統領と野党・民主党の対立激化で政府機関閉鎖に対する懸念が強まると反落し、下げ幅は一時200ドルを超えた。引けにかけて、再び上昇したものの上値の重い展開となった。VIX指数は 22.64から21.76へ低下した。

 

12月12日(水)の米国3市場は、NYダウ:157.03高、S&P500:14.29ポイント高、NASDAQ:66.48ポイント高と3指数とも上昇した。また、米長期金利は前日比上昇(価格は下落)の2.914%と上昇した。11日付けPERと株価から逆算して12日PER計算すると、NYダウ:15.88倍、S&P500:16.63倍、NASDAQ:22.90倍と3指数全てのPERは上昇した。このPERを基に12日付けのイールドスプレッドを算出すると、NYダウ:▲3.383%、S&P500:▲3.099%、NASDAQ:▲1.452%と3指数ともにイールドスプレッドは低下(米国10年債に対して米国株は割高)となった。

 

参考となるのは、10月3日の株価下落直前のピークでは、NYダウ:▲2.468%、S&P500:▲2.146%、NASDAQ:▲0.601%となる。一方で10月29日に底値となったNYダウ:▲3.115%、S&P500:2.865%、NASDAQ:▲1.333%である。

 

12日(水)の米国株は、中国による米国産大豆など農産物の輸入拡大や、米政権が問題視している中国の産業政策『製造2025』について、中国が見直しを計画しているとの報道が好感された。また、中国通信機器大手「ファーウェイ」の副会長が保釈されたことなどを受けて、通商摩擦をめぐる米中協議の進展期待が高まった。キャタピラーやボーイングなど中国向け売上比率が高い銘柄中心に買いが広がり、一時450ドル超上げた。ただ、原油先物価格が下げに転じると石油株などに売りが出て伸び悩んだ。 キャタピラーやボーイングなど中国向け売上比率が高い銘柄中心に買いが広がり、一時450ドル超上げた。ただ、原油価格が下げに転じると石油株などに売りが出て伸び悩んだ。 VIX指数は22.64から21.46へ低下した。3指数ともイールドスプレッドは縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。ただ、10月29日の反転した時のイールドスプレッドより大幅に上回っている。12月12日(水)では、イールドスプレッドの割安感が若干薄れている。また、米長期金利が再び上昇してきていることもあり、イールドスプレッドの縮小要因となる。来週18-19日にFOMCが開催され、利上げは織り込まれているものの、先行きの金利見通しを示すドットチャートの結果を見極めたいとのムードもあり、債券は売られやすい(金利は上昇)地合いとなっている。

 

テクニカル的に見てみると、NYダウのロウソク足は『トウバ』が出現しており、相場の小休止を暗示している。また、5日SMAの24,531ドルを一時上抜けしたものの結局は引けにかけて下抜けしたことから、レジスタンスとして意識される展開となっている。下値目処としては直近安値となった12月10日の23,881ドルがサポートとして意識される。ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、5、3、20、80)では、%K:25.88、%D:31.75とまだ過熱感なく両線とも下向きを維持している。

 

S&P500のロウ遅く足も上ヒゲ陰線となっており、上値の重さが意識されるロウソク足となっている。5日SMAの2,650ポイントがレジスタントして意識される展開となっている。ストキャスティクスでも、%K:25.97、%D:31.26で両線とも下向きとなっている。

 

NASDAQは、5日SMAの7,061ポイントを上抜けしたものの、10日SMA7,180ポイントや25日SMA7,189ポイントがレジスタンスとして意識され、上ヒゲ陰線引けとなった。ストキャスティクスは、%K34.24、%D:40.27とかい離幅を広げて両線とも下向きとなっており、回復戻り基調にはなっていない。

 

3指数とも安値圏でのもみ合い相場となっているものの、徐々に下値は切り上げる展開を見せている。NY時間前半は順調に戻り基調となったものの、ロシア疑惑を巡る偽証罪などで起訴されたトランプ大統領の元弁護士に禁固3年の判決が言い渡されたことで、トランプ大統領が弾劾の危機に直面するとの警戒感も根強く、株式市場の重石となっている。一方で、米中貿易摩擦は中国が譲歩を見せており、過度なリスク回避の動きは後退してきている。市場では、NYダウの年初来高値からの10%下落24,256ドルが下値目処として意識される展開となっている。

 

※毎日イールドスプレッドを掲載していきますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

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