FITS エコノミックレポート

イールドスプレッドで12月12日の米国株市場を先取り!

 

12月10日(月)の米国3市場は、NYダウ:34.31ドル高、S&P500:4.46ポイント高、NASDQ総合:51.27ポイント高となり、三指数とも小幅に上昇する展開となった。また、米長期金利は2.859%と前日2.849%から金利は上昇(価格は下落)し、7日ぶりの上昇となった。12月10日付けイールドスプレッドは、NYダウ:▲3.482%、S&P500:▲3.187%、NASDAQ:▲1.558%とイールドスプレッドは前日比で小幅上昇(米国10年債金利に対して米国株は割高)となった。

 

10日(月)の米国株式市場は、米中貿易戦争が世界経済にもたらす悪影響が懸念されて売りが先行した。メイ英首相がEU離脱協定案の採決延期を表明すると、英国や欧州の経済混乱につながりかねない『合意なき離脱』への警戒感が高まり一時500ドル超下げた。ただ、一時3%あまり下落したアップルが持ち直したことをきっかけに投資家心理が改善すると、引けにかけて上昇に転じた。VIX指数は23.23から22.64へ低下した。

 

12月11日(火)の米国3市場は、NYダウ:53.02ドル安、S&P500:0.94ポイント安、NASDAQ:11.31ポイント高とまちまちの動きとなった。また、米長期金利は前日比上昇(価格は下落)の2.878%と上昇した。10日付けPERと株価から逆算して10日PER計算すると、NYダウ:15.74倍、S&P500:16.53倍、NASDAQ:22.68倍とNYダウとS&P500のPERは若干低下したが、NASDAQのPERは上昇した。このPERを基に12日付けのイールドスプレッドを算出すると、NYダウ:▲3.477%、S&P500:▲3.170%、NASDAQ:▲1.532%と3指数ともにイールドスプレッドは低下(米国10年債に対して米国株は割高)となった。。

 

参考となるのは、10月3日の株価下落直前のピークでは、NYダウ:▲2.468%、S&P500:▲2.146%、NASDAQ:▲0.601%となる。一方で10月29日に底値となったNYダウ:▲3.115%、S&P500:2.865%、NASDAQ:▲1.333%である。

 

11日(火)の米国株は、中国副首相と米通商代表部(USTR)代表らが貿易問題について電話協議したと伝わると、米中貿易協議の進展期待が高まり買いが先行。一時370ドル近く上昇した。ただ、メキシコ国境の壁建設費用を巡るトランプ米大統領と野党・民主党の対立激化で政府機関閉鎖に対する懸念が強まると反落し、下げ幅は一時200ドルを超えた。引けにかけて、再び上昇したものの上値の重い展開となった。3指数ともイールドスプレッドは小幅に縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。ただ、10月29日の反転した時のイールドスプレッドより大幅に上回っている。12月11日(火)では、イールドスプレッドの割安感が若干薄れたものの、影響は軽微となっている。米長期金利は米国債入札実施よる需給の崩れもあり、やや売られやすい地合いとなっている。また、来週18-19日にFOMCが開催され、利上げは織り込まれているものの、先行きの金利見通しを示すドットチャートの結果を見極めたいとのムードもあり、ここから一段と債券買い(金利は低下)を進める動きにはなりにくい。

 

テクニカル的に見てみると、NYダウは陰線で引けとなったものの、前日ロウソク足に対して上値・下値切り上げで終了した。また、5日SMAの24,631ドルを一時上抜けしたものの引けにかけて下抜けしたことから、レジスタンスとして意識される展開となっている。下値目処としては直近安値となった12月10日の23,881ドルがサポートとして意識される。ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、5、3、20、80)では、%K:28.14、%D:40.33とかい離幅を広げながら両線とも下向きとなっていることから、下押し圧力が強いことを示している。

 

S&P500は、NYダウ同様の動きとなっており、前日ロウソク足に対して上値・下値を切り上げる展開となっているものの、5日SMAの2,660ポイントがレジスタントして意識される展開となっている。ストキャスティクスでも、%K:27.39、%D:40.18で両線とも下向きとなっている。

 

NASDAQは、前日比プラスで終了したものの、NYダウやS&P500同様に、5日SMAの7,073ピントがレジスタンスとして意識されている。ストキャスティクスは、%K37.04、%D:49.24とやはりかい離幅を広げて両線とも下向きとなっており、回復戻り基調にはなっていない。

 

3指数とも安値圏でのもみ合い相場となっている。NY時間前半は順調に戻り基調となったものの、トランプ米大統領と野党・民主党指導部がメキシコ国境の壁予算を巡って、公然と互いを罵倒する異例の事態となると、政府機関閉鎖に対する懸念が高まり米国株相場が失速するなど、新たに政府機関閉鎖リスクが浮上した。マクロン仏大統領やメイ英首相の不信任投票の報道などもあり、欧州市場からの動向には警戒が必要となる。ただ、市場では、NYダウの年初来高値からの10%下落24,256ドルが下値目処として意識される展開となっている。

 

毎日イールドスプレッドを掲載していきますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

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