FITS エコノミックレポート

イールドスプレッドで11月7日の米国株市場を先取り!

 

★NY株式市場では、NYダウとナスダックは下落し、S&P500は小幅上昇した。ただ、米長期金利が低下したことでイールドスプレッドは3指数とも前日比拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)する結果となった。三指数とも割高なほどは買われているわけではないものの、過去のイールドスプレッドと比較して目に見えて割安感が薄れてきている。そのため、前日まで連日で史上最高値を更新していただけに利益確定目的の売りが先行した。『米中首脳会談は日時や開催場所についての議論がまとまらず、当初見込まれた11月から12月に延期される可能性がある』と伝わると、一時80ドル超下げた。ただ、米中協議の合意への期待は根強く、引けにかけて買い戻しが進んだ。

 

NYダウは、5日SMAの27,368ドルや10日SMAの27,195ドルが上向きとなっており、短期的な上昇基調は継続している。ただ、ロウソク足が小陰線が続いており、相場に迷いが出始めている可能性がある。そのため、今晩窓を空けて下落すると下落基調の切っ掛けとなりやすい。その中、米長期金利が再び上昇してきた。そのため、今後も長期金利が上昇するようなら米国株の割高感が意識されるようになる。NYダウの割高の目安は3.00%近辺、S&P500は3.00%割れ、ナスダックは1.5%以下が昨年からの割高の目安となっている。割高になると米国株を売って、安全資産である債券などに資金がシフトされやすくなり、米国株の下落調整しやすい地合いとなる。

 

★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。

そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。

 

米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲4.317%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲3.069%、19/4/25-▲3.048%

(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/6/3-▲4.038%、

               19/8/5-▲4.102%

(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)

・11月5日:▲3.479%⇒11月6日予想▲3.509%

 

11月6日はNYダウはほぼ横ばいとなったうえ、長期金利は低下したことでイールドスプレッドは前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲4.317%から▲0.808%と平均値よりかい離が縮小している。19年1月3日の大底▲4.226%を▲0.717%と縮小した。19年6月3日の大底4.038%を▲0.529%と縮小した。19年8月5日の大底▲4.102%を▲0.593%と縮小した。

 

NYダウがわずかに下落したことで株式益利回りは上昇した。また、米長期金利は低下したことでイールドスプレッドは前日比で拡大し3.5%台を回復した。米国債券に対してNYダウが前日比で割安となった。前日比では米国債を買うよりもNYダウを買う方が良いことになる。前日まで連日で史上最高値を更新していただけに利益確定目的の売りが先行した。『米中首脳会談は日時や開催場所についての議論がまとまらず、当初見込まれた11月から12月に延期される可能性がある』と伝わると、一時80ドル超下げた。ただ、米中協議の合意への期待は根強く、引けにかけて買い戻しが進んだ。

 

米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲3.666%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲2.731%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/6/3-▲3.881%、

                19/8/5-▲4.002%、19/8月15日-4.179%

・11月5日:▲3.465%⇒11月6日予想▲3.492%

 

S&P500がわずかに上昇したものの、米長期金利が低下したことでイールドスプレッドは前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲3.666%から▲0.174%と平均値より縮小している。また、19年1月3日の大底となった▲3.869%に対して▲0.377%より縮小。19年6月3日の大底となった3.881%から▲0.389%とイールドスプレッドは縮小。また、19年8月5日の大底となった▲4.002%から▲0.510%縮小した。19年8月15日の▲4.179%とは▲0.687%より縮小した。イールドスプレッドは以前より縮小してきたことで割安感も薄れてきている。

 

米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲2.163%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲1.198%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/6/3-▲2.328%、

              19/8/5-▲2.383%、 19/8/15-▲2.498%

・11月5日:▲1.888%⇒11月6日予想▲1.929%

 

NASDAQが下落したうえ、米長期金利も低下したことでイールドスプレッドが前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲2.163%から▲0.234%と平均値より縮小した。また、19年1月3日の大底となった▲2.179%に対しては▲0.250%下回った。19年6月3日の大底となった▲2.328%に対して▲0.399%縮小した。19年8月5日の大底となった▲2.383%から▲0.454%と縮小した。19年8月15日の大底となった▲2.498%から▲0.569%縮小した。

 

NASDAQが下落したうえ、米長期金利も低下したことでイールドスプレッドは前日比で拡大した。割高にはなっていないが、イールドスプレッドが1.90%台まで縮小してきており、割安感も払しょくされてきている。NASDAQはハイテク関連銘柄が多く米中貿易摩擦の影響が大きく、三指数の中で上下に振れるボラティリティが最も高くなっている。特に米中通商協議の行方に左右されやすく、報道に振れやすい地合いとなっている。

 

三指数のイールドスプレッドは、指数は高安まちまちだったが、米長期金利が低下したことで拡大する結果となった。米国株は割高感を感じるまでは買われていないが、全般米国株への割安感は薄れてきている。割高・割安感がないということは見方を変えれば、上振れ・下振れしやすいとも言える。米長期金利が引き続き上昇すると、米国株に割高感が出てくるので、今後の米長期金利の動向には注意が必要となる。

 

※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。

 

毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

 

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