FITS エコノミックレポート

イールドスプレッドで11月18日の米国株市場を先取り!

 

★NY株式市場では、三指数ともに上昇したうえ、米長期金利も上昇したことで、イールドスプレッドは三指数とも縮小する結果となった。三指数とも割高なほどは買われているわけではないものの、過去のイールドスプレッドと比較して目に見えて割安感が薄れてきている。3指数ともに史上最高値を更新しているが、米長期金利が以前に比べて低いことから、過熱感が抑えられている。

 

NYダウは、5日SMAの27,790ドルの上昇に位置しており、短期的な上昇基調は継続している。また、10日SMAの27,675ドルと25日SAM27,253ドルが上向きとなっており、短中期的に上昇基調は継続している。ただ、ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、5、3、20、80)では、%D:95.84、Slow%D:94.20と高水準を継続しており、オシレーターから見て相場の過熱感は続いている。そのため、今後も長期金利の動向次第で上米国株の割高感が意識されるようになる。NYダウの割高の目安は3.00%近辺、S&P500は3.00%割れ、ナスダックは1.5%以下が昨年からの割高の目安となっている。割高になると米国株を売って、安全資産である債券などに資金がシフトされやすくなり、米国株の下落調整しやすい地合いとなる。

 

★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。

そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。

 

米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲4.306%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲3.069%、19/4/25-▲3.048%

(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/6/3-▲4.038%、

               19/8/5-▲4.102%

(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)

・11月14日:▲3.457%⇒11月15日予想▲3.407%

 

11月15日はNYダウは大幅上昇したうえ、長期金利も上昇したことでイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲4.306%から▲0.899%と平均値よりかい離が縮小している。18年12月3日の天井▲3.069%まで▲0.338%に接近してきた。19年4月25日の天井3.048%まで▲0.359%に接近してきた。

 

NYダウが大幅上昇たことで株式益利回りは低下した。また、米長期金利も上昇したことでイールドスプレッドは前日比で大幅縮小した。米国債券に対してNYダウが前日比で割高となった。前日比ではNYダウを買うよりも米国債券を買う方が良いことになる。クドロー米国家経済会議(NEC)委員長とロス米商務長官の発言を受けて、米中貿易協議の進展期待が強まると、キャタピラーなど中国関連株を中心に買いが優勢となった。10月小売売上高が予想を上振れたことも好感され、終日堅調推移となった。主要3指数とも史上最高値を更新した。

 

 

米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲3.637%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲2.731%、19/4/25-▲2.966%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/6/3-▲3.881%、

                19/8/5-▲4.002%、19/8月15日-4.179%

・11月14日:▲3.407%⇒11月15日予想▲3.358%

 

S&P500が小幅上昇したうえ、米長期金利も上昇したことでイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲3.637%から▲0.279%と平均値より縮小している。また、18年12月3日の天井となった▲2.731%まで▲0.627%に接近した。19年4月25日の天井となった2.966%まで▲0.392%に接近した。以前からみるとイールドスプレッドが徐々に縮小してきている。

 

米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲2.145%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲1.198%、19/4/25-1.468%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/6/3-▲2.328%、

              19/8/5-▲2.383%、 19/8/15-▲2.498%

・11月14日:▲1.851%⇒11月15日予想▲1.816%

 

NASDAQが上昇したうえ、米長期金利も上昇したことでイールドスプレッドが前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲2.145%から▲0.329%と平均値より縮小した。また、18年12月3日の天井となった▲1.198%まで▲0.618%に接近した。19年4月25日の天井となった▲1.468%まで▲0.348%に接近した。

 

NASDAQは割高にはなっていないが、イールドスプレッドが2.00%台割れまで縮小してきており、割安感も払しょくされてきている。NASDAQはハイテク関連銘柄が多く米中貿易摩擦の影響が大きく、三指数の中で上下に振れるボラティリティが最も高くなっている。特に米中通商協議の行方に左右されやすく、報道に振れやすい地合いとなっている。

 

三指数のイールドスプレッドは、指数上昇したうえ、米長期金利が上昇したことで、三指数ともに縮小した。ただ、史上最高値を更新している米国株であるが割高感を感じるまでは買われているわけではない。だだし、全般米国株への割安感は薄れてきている。割高・割安感がないということは見方を変えれば、上振れ・下振れしやすいとも言える。米長期金利が上昇すると、米国株に割高感が出てくるので、今後の米長期金利の動向には注意が必要となる。

 

※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。

 

毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

 

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