FITS エコノミックレポート

イールドスプレッドで11月1日の米国株市場を先取り!

 

★NY株式市場では、三指数とも下落したうえ、米長期金利も大幅低下したことでイールドスプレッドは前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)する結果となった。三指数とも割安感は薄れてきていたが、米長期金利が低下してきたことで、再びイールドスプレッドが拡大してきている。米中通商協議に対する懸念が再燃したことで、中国関連銘柄を中心に売りが強まった。また、10月シカゴ購買部協会景気指数が2カ月連続で節目となる50を割り込み、製造業の不振が示され。前日に約1カ月半ぶりの高値をつけていた影響で利益確定売りが入りやすかったこともあり、一時は260ドル超安まで下げ幅を拡大する場面も見られた。米国債券は、10月米シカゴPMIなどの低調な米経済指標を受けて、安全資産とされる債券需要が高まった。また、米国株の下落や米中貿易交渉への懸念なども債券買い(金利は低下)を誘った面があった。

 

NYダウは、5日SMAの27,070ドルをわずかに下抜けしたものの、10日SMAの26,937ドルがサポートラインとして意識され下げ止まった。5日SMAは上向きで10日SMAを上抜けるゴールデンクロスしており、短期的な上昇基調は継続している。その中、米長期金利は31日現在1.688%へ低下した。今後も長期金利が低下するようなら米国株の割高感が抑制される。NYダウの割高の目安は3.00%近辺、S&P500は3.00%割れ、ナスダックは1.5%以下が昨年からの割高の目安となっている。割高になると米国株を売って、安全資産である債券などに資金がシフトされやすくなり、米国株の下落調整しやすい地合いとなる。

 

★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。

そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。

 

米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲4.380%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲3.069%、19/4/25-▲3.048%

(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/6/3-▲4.038%、

               19/8/5-▲4.102%

(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)

・10月30日:▲3.604%⇒10月31日予想▲3.720%

 

10月31日はNYダウは下落した一方で、長期金利も大幅に低下したことでイールドスプレッドは前日比で大幅拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲4.380%から▲0.660%と平均値よりかい離が縮小している。19年1月3日の大底▲4.226%を▲0.506%と縮小した。19年6月3日の大底4.038%を▲0.318%と縮小した。19年8月5日の大底▲4.102%を▲0.382%と縮小した。

 

NYダウが下落したことで株式益利回りは上昇した。さらに、米長期金利が大幅に低下したことでイールドスプレッドは前日比で拡大した。米国債券に対してNYダウが前日比で割安となった。前日比では米国債券を買うよりもNYダウを買う方が良いことになる。米中通商協議に対する懸念が再燃したことで、中国関連銘柄を中心に売りが強まった。また、10月シカゴ購買部協会景気指数が2カ月連続で節目となる50を割り込み、製造業の不振が示され。前日に約1カ月半ぶりの高値をつけていた影響で利益確定売りが入りやすかったこともあり、一時は260ドル超安まで下げ幅を拡大する場面も見られた。米国債券は、10月米シカゴPMIなどの低調な米経済指標を受けて、安全資産とされる債券需要が高まった。また、米国株の下落や米中貿易交渉への懸念なども債券買い(金利は低下)を誘った面があった。

 

米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲3.691%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲2.731%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/6/3-▲3.881%、

                19/8/5-▲4.002%、19/8月15日-4.179%

・10月30日:▲3.516%⇒10月31日予想▲3.620%

 

S&P500が下落したうえ、米長期金利も大幅低下したことでイールドスプレッドは前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲3.691%から▲0.071%と平均値より縮小している。また、19年1月3日の大底となった▲3.869%に対して▲0.249%より縮小。19年6月3日の大底となった3.881%から▲0.261%とイールドスプレッドは縮小。また、19年8月5日の大底となった▲4.002%から▲0.382%縮小した。19年8月15日の▲4.179%とは▲0.559%より縮小した。イールドスプレッドは、米長期金利が低下してきていることで拡大してきた。そのため、再び割安感も出てきている。

 

米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲2.227%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲1.198%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/6/3-▲2.328%、

              19/8/5-▲2.383%、 19/8/15-▲2.498%

・10月30日:▲2.014%⇒10月31日予想▲2.107%

 

NASDAQが下落したうえ、米長期金利も大幅に低下したことでイールドスプレッドが前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲2.227%から▲0.120%と平均値より縮小した。また、19年1月3日の大底となった▲2.179%に対しては▲0.072%下回った。19年6月3日の大底となった▲2.328%に対して▲0.221%縮小した。19年8月5日の大底となった▲2.383%から▲0.276%と縮小した。19年8月15日の大底となった▲2.498%から▲0.391%縮小した。

 

NASDAQが下落したうえ、米長期金利も大幅低下したことでイールドスプレッドは拡大した。再びイールドスプレッドが2%台に拡大してきており、徐々に割安感がでてきている。NASDAQはハイテク関連銘柄が多く米中貿易摩擦の影響が大きく、三指数の中で上下に振れるボラティリティが最も高くなっている。特に米中通商協議の行方に左右されやすく、報道に振れやすい地合いとなっている。

 

三指数のイールドスプレッドは、指数が下落したうえ米長期金利が大幅に低下したことで拡大する結果となった。米長期金利が1.8%台から1.6%台へ低下してきたうえ、米国株が下落調整していることで、徐々にではあるが割安感が出てきた。米長期金利が引き続き低下し、米国株がも下落調整するようなら割安感が出てくる。米長期金利の動向が重要ポイントとなる。

 

※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。

 

毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

 

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