FITS エコノミックレポート

イールドスプレッドで10月3日の米国株市場を先取り!

 

★NY株式市場では、三指数ともに下落したうえ、米長期金利も大幅低下したことでイールドスプレッドは三指数ともに大幅に拡大した。そのため、割安感が強まってきた。

NYダウは、前日のロウソク足に対して窓を空け、100日SMAの26,400ドルを一気に下抜ける下落となった。米9月ISM製造業景況指数が前月と同じく節目となる50を下回り2009年以来の最低水準となったことから、米国景気減速や世界の景気減速警戒感が強まり大幅下落基調となった。下値目処では、200日SMAの25,840ドルや260日SMAの25,752ドルがサポートラインとして意識される。

 

★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。

そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。

 

米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲4.528%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲3.069%、19/4/25-▲3.048%

(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/6/3-▲4.038%、

               19/8/5-▲4.102%

(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)

・10月1日:▲3.900%⇒10月2日予想▲4.046%

 

10月2日はNYダウは大幅下落したうえ、米長期金利も大幅低下したことでイールドスプレッドは前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲4.528%から▲0.482%スプレッドがかい離した。19年1月3日の大底▲4.226%を▲0.180%とかい離した。19年6月3日の大底4.038%を+0.008%と上回った。19年8月5日の大底▲4.102%を▲0.056%とかい離した。

 

NYダウが大幅下落したことで株式益利回りは上昇した。米長期金利も低下したことでイールドスプレッドは前日比で大幅拡大した。米国債に対してNYダウが前日比で割安となった。前日比では米国債を買うよりもNYダウを買う方が良いことになる。昨日も米国株が大幅続落となったうえ米長期金利も低下したことで、イールドスプレッドも拡大し▲4.0%台になったことで割安感が強まった。株価が下落し米長期金利も低下すると、イールドスプレッドの拡大幅が大きくなる。そのため、米長期金利の動向が重要ポイントとなる。

 

米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲3.864%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲2.731%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/6/3-▲3.881%、

                19/8/5-▲4.002%、19/8月15日-4.179%

・10月1日:▲3.861%⇒10月2日予想▲4.002%

 

S&P500は大幅続落したうえ、米長期金利も低下したことでイールドスプレッドは前日比で大幅に拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲3.864%から+0.138%と平均値をわずかに上回った。また、19年1月3日の大底となった▲3.869%に対して+0.133%と上回った。19年6月3日の大底となった3.881%から+0.121%とイールドスプレッドが上回った。また、19年8月5日の大底となった▲4.002%とは同値となり、19年8月15日の▲4.179%とは▲0.177%とかい離した。イールドスプレッドは、以前の割安に近づいてきている。S&P500は続落している一方で、米長期金利も急低下してきたことで割安感が出てきている。米長期金利の動向が重要なポイントとなっている。

 

米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲2.400%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲1.198%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/6/3-▲2.328%、

              19/8/5-▲2.383%、 19/8/15-▲2.498%

・10月1日:▲2.361%⇒10月2日予想▲2.465%

 

NASDAQが大幅下落したうえ、米長期金利も大幅低下したことでイールドスプレッドが前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲2.400%から+0.065%上回った。また、19年1月3日の大底となった▲2.179%に対しては+0.286%上回った。19年6月3日の大底となった▲2.328%に対して+0.137%上回った。19年8月5日の大底となった▲2.383%から+0.082%と上回った。19年8月15日の大底となった▲2.498%から▲0.033%かい離した。

 

NASDAQのイールドスプレッドは、大きな下落基調となっていることで急速に割安感出てきている。NASDAQはハイテク関連銘柄が多く米中貿易摩擦の影響が大きく、三指数の中で上下に振れるボラティリティが最も高くなっている。

 

三指数のイールドスプレッドは、株価指数が大幅続落したうえ、米長期金利も低下したことでイールドスプレッドは拡大する結果となり米国株に割安感が強まった。米国の景気減速懸念や世界的な景気減速懸念もあって、米長期金利は低下基調にある。そのため、米国株がもう一段下落する一方で、米長期金利が低下するようなら過度な割安感が出てくる。そのため、今後も米長期金利の動向にも注意が必要となる。

 

※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。

 

毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

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