FITS エコノミックレポート

イールドスプレッドで10月28日の米国株市場を先取り!

 

★NY株式市場では、三指数とも上昇したうえ米長期金利も上昇したことでイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)する結果となった。三指数とも割高なほどは買われているわけではないものの、過去のイールドスプレッドと比較して目に見えて割安感が薄れてきている。米国決算発表が続いているが、この時期は決算絡みで上下に振れやすい時期にある。

 

NYダウは、連日25日SMAの26,716ドルがサポートとして意識され下げ止まる展開となり、25日の上昇で25日SMA放れした。また、5日SMAがわずかに上向きとなり10日SMAの26,882ドルも上抜けした。そのため、短期的な上昇基調回復となっている。米長期金利も1.8%台(25日終値:1.794%)に近づいてきている。さらに長期金利が上昇するようなら米国株の割安感がさらに薄れる可能性がある。NYダウの割高の目安は3.00%近辺、S&P500は3.00%割れ、ナスダックは1.5%以下が昨年からの割高の目安となっている。割高になると米国株を売って、安全資産である債券などに資金がシフトされやすくなり、米国株の下落調整しやすい地合いとなる。

 

★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。

そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。

 

米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲4.408%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲3.069%、19/4/25-▲3.048%

(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/6/3-▲4.038%、

               19/8/5-▲4.102%

(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)

・10月24日:▲3.653%⇒10月25日予想▲3.597%

 

10月25日はNYダウが上昇したうえ、長期金利も上昇したことでイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲4.404%から▲0.807%と平均値よりかい離が縮小している。19年1月3日の大底▲4.226%を▲0.629%と縮小した。19年6月3日の大底4.038%を▲0.441%と縮小した。19年8月5日の大底▲4.102%を▲0.505%と縮小した。

 

NYダウが上昇したことで株式益利回りは低下した。また、米長期金利も上昇したことでイールドスプレッドは前日比で縮小した。米国債券に対してNYダウが前日比で割高となった。前日比ではNYダウを買うよりも米国債券を買う方が良いことになる。米主要企業の決算発表がピークを迎える中、市場予想を上回る決算を発表した半導体インテルが8%と大幅高するなど相場を押し上げた。また、米中貿易協議が進展したとの報道も投資家心理の改善につながった。米長期金利が上昇し、銀行株に利ざや改善を期待した買いも入った。

 

米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲3.731%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲2.731%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/6/3-▲3.881%、

                19/8/5-▲4.002%、19/8月15日-4.179%

・10月24日:▲3.595%⇒10月25日予想▲3.545%

 

S&P500が上昇したうえ、米長期金利も上昇したことでイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲3.731%から▲0.186%と平均値より縮小している。また、19年1月3日の大底となった▲3.869%に対して▲0.324%より縮小。19年6月3日の大底となった3.881%から▲0.336%とイールドスプレッドは縮小。また、19年8月5日の大底となった▲4.002%から▲0.457%縮小した。19年8月15日の▲4.179%とは▲0.634%より縮小した。イールドスプレッドは以前より縮小してきたことで割安感も薄れてきている。

 

米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲2.268%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲1.198%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/6/3-▲2.328%、

              19/8/5-▲2.383%、 19/8/15-▲2.498%

・10月24日:▲2.097%⇒10月25日予想▲2.043%

 

NASDAQが上昇したうえ、米長期金利も上昇したことでイールドスプレッドが前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲2.268%から▲0.225%と平均値より縮小した。また、19年1月3日の大底となった▲2.179%に対しては▲0.136%下回った。19年6月3日の大底となった▲2.328%に対して▲0.285%縮小した。19年8月5日の大底となった▲2.383%から▲0.340%と縮小した。19年8月15日の大底となった▲2.498%から▲0.455%縮小した。

 

NASDAQが上昇したうえ、米長期金利も上昇したことでイールドスプレッドは縮小した。割高にはなっていないが、以前ほどの割安感も出ていない。NASDAQはハイテク関連銘柄が多く米中貿易摩擦の影響が大きく、三指数の中で上下に振れるボラティリティが最も高くなっている。特に米中通商協議の行方に左右されやすく、報道に振れやすい地合いとなっている。

 

三指数のイールドスプレッドは、指数が上昇したうえ米長期金利が上昇したことで縮小する結果となった。米国株は割高感を感じるまでは買われていないが、全般米国株への割安感は薄れてきている。割高・割安感がないということは見方を変えれば、上振れ・下振れしやすいとも言える。

 

※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。

 

毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

 

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