FITS エコノミックレポート

イールドスプレッドで10月26日の米国株市場を先取り!

 

★NY株式市場では、NYダウは小幅下落したもののS&P500とNASDAQ指数は続伸する展開となった。10月製造業PMI速報値の改善を好感したほか、新型コロナウイルス感染症ワクチン開発の進展期待などを背景に買いが入った。しかし、米追加経済対策を巡る与野党協議への不透明感から売りが出ると下げに転じた。インテルが前日発表した四半期決算を受けて、アナリストによる目標株価の引き下げが相次ぐと同社株が10%超急落し、相場全体の重石となった。一方米長期金利は、足もとで相場下落が続いたあとだけに週末を控えたポジション調整目的の買い(金利は低下)が入った。米追加経済対策を巡る与野党協議への不透明感も債券買い(金利は低下)につながった。このところ、米長期金利は上昇基調になっており、日々のイールドスプレッドへの影響が強まる展開となっている。そのため、今後も米長期金利の動向には注意が必要となる。イールドスプレッドからは、以前と比べて三指数ともかなり割高感が出ており、リスク回避の材料が出ると大幅下落しやすい。米長期金利も底打ちして0.8%台半ばまで上昇する展開となっており、イールドスプレッドの縮小要因となっている。今後も金利が上昇するようなら、株価は調整下落しやすい地合いが強まるので注意が必要となる。

 

感染拡大が縮小することや新型コロナウイルスのワクチン・治療薬が開発されるなど、終息の方向が出るまでは不安定な市場が続きやすい。また、新型コロナウイルス感染『第2波』が懸念されている。さらに、米大統領選を控えて、米中対立の激化が懸念されている。しかし、経済活動再開で先行きの景気回復の期待感が株価を押し上げている。そのため、期待感が薄れるような事態となると、再び下値模索の動きとなりやすい。VIX指数は28.11から27.55へ低下した。VIX指数が20台後半で推移していることで、リスク回避の動きは継続している。株価の日中ボラティリティが高まっていることから、しばらくは不安定な動きが続く。

 

NYダウの割高の目安は3.00%近辺、S&P500は3.00%割れ、ナスダックは1.5%以下が昨年からの割高の目安となっている。一方で割安の目安では、イールドスプレッドがNYダウ:4.0%台、S&P500:3.8%~4.0%台、NASDAQ:2.3%~2.5%台で割安感からの反発となりやすい。割安感となるイールドスプレッドを大幅に上回っていることから、相場が落ち着くと戻りも大きくなりやすい。

 

★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。

そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。

 

米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲3.323%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲3.069%、19/4/25-▲3.048%

                20/09/1‐▲2.867%、20/10/12-▲2.847%

(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/8/5-▲4.102%、

               20/2/28-▲4.541%、20/3/23-6.017%

(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)

・10月22日:▲2.924%⇒10月23日:予想▲2.954%(前日比で拡大:割安)

 

10月22日のNYダウが反落したうえ、米長期金利も7日ぶりに低下したことでイールドスプレッドは前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲3.323%から▲0.369%と平均値より下方かい離したことで割高になった。19年1月3日の大底▲4.226%から▲1.272%下回った。19年8月5日の大底▲4.102%を▲1.148%下回った。20年2月28日の大底▲4.541%から▲1.587%下回った。20年3月23日の6.017%から▲3.063%下回った。10月米製造業PMI速報値の改善を好感したほか、新型コロナウイルス感染症ワクチン開発の進展期待などを背景に買いが入った。しかし、米追加経済対策を巡る与野党協議への不透明感から売りが出ると下げに転じた。インテルが前日発表した四半期決算を受けて、アナリストによる目標株価の引き下げが相次ぐと同社株が10%超急落し、相場全体の重石となった。

 

米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲2.774%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲2.731%、19/04/25-▲2.966%

               20/08/27-▲2.677%、20/10/12-▲2.664%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/8/5-▲4.002%、

                19/8/15-▲4.179%、20/2/28-4.499%

               20/3/23-▲6.222%

・10月22日:▲2.685%⇒10月23日予想▲2.697%(前日比で拡大:割安)

 

S&P500が小幅続伸した一方で、米長期金利が大きく低下したことでイールドスプレッドは前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲2.774%から▲0.077%と平均値より下方かい離したことで割高になった。また、19年1月3日の大底となった▲3.869%を▲1.172%下回った。また、19年8月5日の大底となった▲4.002%を▲1.305%下回った。19年8月15日の▲4.179%を▲1.482%下回った。20年2月28日の大底▲4.499%から▲1.802%下回った。20年3月23日の6.222%から▲3.525%下回った。

 

米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲1.806%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲1.198%、19/4/25-1.468%

              20/10/12-▲1.450%、20/10/22-1.438%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/8/15-▲2.383%、

              19/8/15-▲2.498%、 20/3/16-▲4.094%

・10月22日:▲1.438%⇒10月23日予想▲1.454%(前日比で拡大:割安)

 

NASDAQが反発したうえ、米長期金利も上昇したことでイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲1.806%から▲0.352%平均値より下方かい離したことで割高になった。また、19年1月3日の大底となった▲2.179%に対しては▲0.725%下回った。19年8月5日の大底となった▲2.383%に対して▲0.929%下回った。19年8月15日の大底となった▲2.498%に対して▲1.044%下回った。20年2月28日の大底2.803%から▲1.349%下回った。20年3月16日の▲4.094%から▲2.643%下回った。

 

NASDAQのイールドスプレッドは、米長期金利が7日ぶりに低下した一方で、株価は続伸したものの拡大した。一時のイールドスプレッドより半分以下まで縮小しているため、引き続き割高感から利益確定売りが出やす地合いとなっている。NASDAQのイールドスプレッドは、▲1.4%台半ばへ低下して推移している。そのため、割高感が続いていることから、ネガティブなニュースが出ると引き続き下落しやすい地合いが続いている。また、2%台まで拡大するまでは割安とは言えない。

 

※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。

 

毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

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