FITS エコノミックレポート

イールドスプレッドで10月16日の米国株市場を先取り!

 

★NY株式市場では、三指数ともに上昇したうえ、米国債市場でも米長期金利が上昇したことで、イールドスプレッドが大幅に縮小した。そのため、三指数ともに過去のイールドスプレッドと比較して急速に割安感が薄れてきている。英国のEU類脱を巡る楽観論が広がったことや、米企業の好調な決算を受けてリスク選好の動きが強まった。しかし、米中通商協議は継続することから、協議が難航するとリスク回避の動きになりやすく油断できない。

 

25日SMAの26,792ドルを明確に上抜け、5日SMAも上向きとなり短期的に上昇基調となっていることから、9月12日の高値27,307ドルが視野に入ってきた。ただ、株価の上昇と共に米長期金利も上昇してきており、割安感が薄れてきていることには注意が必要となる。下値では、25日SMAや75日SMAの26,650ドルだ一旦の節目となりやすい。

 

★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。

そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。

 

米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲4.439%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲3.069%、19/4/25-▲3.048%

(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/6/3-▲4.038%、

               19/8/5-▲4.102%

(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)

・10月14日:▲3.723%⇒10月15日予想▲3.633%

 

10月15日はNYダウが大幅上昇したうえ、長期金利も上昇したことから、イールドスプレッドは前日比で大幅縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲4.439%から▲0.806%スプレッドがかい離した。19年1月3日の大底▲4.226%を▲0.593%とかい離した。19年6月3日の大底4.038%を▲0.405%と下回った。19年8月5日の大底▲4.102%を▲0.469%とかい離した。

 

NYダウは上昇したことで株式益利回りは低下した。また、米長期金利は上昇したことでイールドスプレッドは前日比で大幅縮小した。米国債権に対してNYダウが前日比で割高となった。前日比ではNYダウを買うよりも米国債券を買う方が良いことになる。英国のEU類脱を巡る楽観論が広がったことや、米企業の好調な決算を受けてリスク選好の動きが強まった。イールドスプレッドの割安感はまだ残っているものの、割安感も徐々に薄れてきている。そのため、米長期金利の動向が重要ポイントとなる。

 

米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲3.786%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲2.731%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/6/3-▲3.881%、

                19/8/5-▲4.002%、19/8月15日-4.179%

・10月14日:▲3.705%⇒10月15日予想▲3.610%

 

S&P500が上昇したうえ、米長期金利も上昇したことでイールドスプレッドは前日比で大幅縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲3.786%から▲0.176%と平均値を下回った。また、19年1月3日の大底となった▲3.869%に対して▲0.259%と下回った。19年6月3日の大底となった3.881%から▲0.271%とイールドスプレッドは下回った。また、19年8月5日の大底となった▲4.002%から▲0.392%下回った。19年8月15日の▲4.179%とは▲0.569%とかい離した。イールドスプレッドは以前より縮小してきたことで割安感も急速に薄れてきている。

 

米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲2.308%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲1.198%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/6/3-▲2.328%、

              19/8/5-▲2.383%、 19/8/15-▲2.498%

・10月14日:▲2.178%⇒10月15日予想▲2.088%

 

NASDAQが上昇したうえ、米長期金利も上昇したことでイールドスプレッドが前日比で大幅縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲2.308%から▲0.220%下回った。また、19年1月3日の大底となった▲2.179%に対しては▲0.091%下回った。19年6月3日の大底となった▲2.328%に対して▲0.240%下回った。19年8月5日の大底となった▲2.383%から▲0.295%と下回った。19年8月15日の大底となった▲2.498%から▲0.410%下回った

 

NASDAQのイールドスプレッドは、急速に縮小傾向あり割安感は薄まってきている。NASDAQはハイテク関連銘柄が多く米中貿易摩擦の影響が大きく、三指数の中で上下に振れるボラティリティが最も高くなっている。特に米中通商協議の行方に左右されやすく、報道に振れやすい地合いとなっている。

 

三指数のイールドスプレッドは、株価指数はわずかに下落したことでイールドスプレッドは小幅に拡大する結果となった。そのため、イールドスプレッドはわずかに拡大したものの、米国株への割安感は弱まってきている。

 

※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。

 

毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

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