★NY株式市場では、三指数ともに上昇した一方で、米長期金利は低下したがイールドスプレッドは三指数ともにわずかに縮小した。そのため、割安感がわずかに薄れる展開となった。以前よりもイールドスプレッドが縮小していることから、過度な割安感にはなっていない。
NYダウは、10日SMAの26,964ドルがレジスタンスとして意識され、5日SAM26,881ドルは上抜けしたものの上値は重かった。また、5日SMAが下向きから横ばいとなってきていることから10日SMAを上抜け出来るかが注目される。先週末に米トランプ政権で米証券取引所に上場する中国株の廃止を検討していると一部で報じられたが、米財務省やトランプ政権から報道を否定するコメントがあり、リスク選好の動きにつながった。下落基調場面では、25日SMAの26,739ドル、75日SMAの26,651ドル、100日SMAの26,392ドルがサポートラインとして意識される。
★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。
そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。
○米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲4.497%
・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲3.069%、19/4/25-▲3.048%
(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)
・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/6/3-▲4.038%、
19/8/5-▲4.102%
(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)
・9月27日:▲3.840%⇒9月30日予想▲3.835%
9月30日はNYダウは上昇した一方で、米長期金利が低下したものの、イールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲4.497%から▲0.662%スプレッドがかい離した。19年1月3日の大底▲4.226%を▲0.391%とかい離した。19年6月3日の大底4.038%を▲0.203%、19年8月5日の大底▲4.102%を▲0.267%とかい離した。
NYダウが上昇したことで株式益利回りは低下した。米長期金利は低下したものの、イールドスプレッドは前日比で縮小した。米国債に対してNYダウが前日比で割高となった。前日比ではNYダウを買うよりも米国債を買う方が良いことになる。昨日は米国株高となった一方で、米長期金利は低下したが、株の上昇率の方が米長期金利の低下より高かったことからイールドスプレッドは若干割高となった。株価が上昇しても米長期金利が低下しすると、イールドスプレッドの縮小もわずかになる。そのため、米長期金利の動向が重要ポイントとなる。
○米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲3.822%
・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲2.731%
・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/6/3-▲3.881%、
19/8/5-▲4.002%、19/8月15日-4.179%
・9月27日:▲3.777%⇒9月30日予想▲3.766%
S&P500は上昇した一方で、米長期金利は低下したがイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲3.822%から▲0.056%と平均値をわずかに下回った。また、19年1月3日の大底となった▲3.869%に対して▲0.103%と下回った。19年6月3日の大底となった3.881%から▲0.115%とイールドスプレッドとかい離した。また、19年8月5日の大底となった▲4.002%とは▲0.236%と19年8月15日の▲4.179%も▲0.413%とかい離した。イールドスプレッドは、以前からすると縮小気味となっている。そのため、S&P500の極端な割安感は払しょくされている。米長期金利の動向が重要なポイントとなっている。
○米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲2.367%
・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲1.198%
・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/6/3-▲2.328%、
19/8/5-▲2.383%、 19/8/15-▲2.498%
・9月27日:▲2.299%⇒9月30日予想▲2.282%
NASDAQが上昇した一方で、米長期金利は低下したものの、イールドスプレッドが前日比で週縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲2.367%から▲0.085%下回った。また、19年1月3日の大底となった▲2.179%に対しては+0.103%上回った。さらに、19年6月3日の大底となった▲2.328%に対して▲0.046%下回った。さらに、19年8月5日の大底となった▲2.383%から▲0.101%と19年8月15日の大底となった▲2.498%から再び▲0.216%かい離した。
NASDAQのイールドスプレッドは以前よりは縮小しているものの、割安感が徐々に膨らんできた。NASDAQはハイテク関連銘柄が多く米中貿易摩擦の影響が大きく、三指数の中で上下に振れるボラティリティが最も高くなっている。
三指数のイールドスプレッドは、株価指数が上昇した一方で米長期金利は低下したこで、イールドスプレッドは縮小する結果となり米国株に割安感は縮小した。米長期金利が9月3日の1.459%より戻り基調(金利上昇)となっているこから、イールドスプレッドも全般割安感が薄れてきている。そのため、株価の上値が重くなる。今後も米長期金利の動向にも注意が必要となる。
※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。
※毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。
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