FITS エコノミックレポート

イールドスプレッドで1月23日の米国株市場を先取り!

 

1月22日(火)の米国3市場は、NYダウ:301.87ドル安の24,404.48ドル、S&P500:37.81ポイント安の2,632.90ポイント、NASDAQ:136.87ポイント安の7,020.36と、3株価指数とも下落した。一方、米長期金利は低下して2.738%となった。『18日付けPERと株価から逆算』して22日付け予想PER計算すると、NYダウ:15.62倍、S&P500:16.69倍、NASDAQ:22.78倍と3株価指数ともに前日より低下した。このPERを基に22日付けのイールドスプレッドを算出すると、NYダウ:▲3.664%、S&P500:▲3.254%、NASDAQ:▲1.652%と、三指数ともイールドスプレッドは前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)となった。米長期国債は米中貿易交渉を巡る不透明感や世界景気の減速懸念から米国株が下落したため、安全資産とされる米国債が買われた(利回り低下)。  米長期金利が低下したものの、米国株の下落率が大きかったことでイールドスプレッドは拡大した。

 

NYダウの昨年の年初来底値時のイールドスプレッドを参考にする。4月2日に付けた年初来安値時のNYダウ:▲3.579%、S&P500:▲3.145%、NASDAQ:▲1.640%や、2月9日の反転時となったNYダウ:▲3.300%、S&P500:▲2.756%、NASDAQ:▲1.313%だった。

 

22日(火)のNYダウの予想イールドスプレッドは前日▲3.540%⇒▲3.664%となり拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。1月3日の直近のイールドスプレッドの▲4.226%からだいぶ縮小してきている。ただ、先週末4月2日の▲3.579%よりも縮小したものの、再び拡大した。NYダウは、国際通貨基金(IMF)が前日に世界経済見通しを下方修正するなど世界的な景気減速が警戒された。また、世界経済フォーラム(ダボス会議)でも、一部企業の経営陣や投資家が慎重な見方を示したことが嫌気され、各国株価が下落したことを受け米国株にも売りが波及した。米中協議の難航が報じられると、下げ幅は一時460ドルを超える場面があった。ただ、クドロー国家経済会議(NEC)委員長が『米中協議は難航している』との観測記事を否定すると買い戻しが入り、下げ幅を縮めた。 VIX指数は17.80から20.80へ上昇した。

 

S&P500の予想イールドスプレッドは前日▲3.122%⇒▲3.254%となり、イールドスプレッドは拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。先週末は4月2日のイールドスプレッドより縮小してきたが、再び拡大した。また、S&P500も割安感は残っているものの、1月3日の▲3.869%から急速に縮小してきている。

 

NASDAQの予想イールドスプレッドは、前日▲1.525%⇒▲1.652%となり、イールドスプレッドは拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。NASDAQは戻りが早かったこともあり、4月2日のイールドスプレッドを下回っていたこともあり、下げ幅は他の指数より大きかった。また、1月3日の▲2.179%から急速に縮小してきた。

 

米国株は、IMFの世界経済見通しの下方修正が嫌気されたものの、3指数とも75日SMAがレジスタンスとして意識されていたこともあり、一旦の利益確定売りが入りやすい地合いだった。また、米企業は決算発表を控えて、自社株買いを自粛する傾向があり決算発表明けまでは悪材料にたいして市場が脆くなっている。

 

2011年4月21日以降のイールドスプレッドの平均値のNYダウ:4.348%、S&P500:3.494%、ナスダック:1.982%も下落時の節目となりやすい。

 

毎日イールドスプレッドを掲載していきますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

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