FITS エコノミックレポート

びっくり指数の回復基調がリスク選好要因!

 

★米国内での新型コロナウイルス感染拡大『第2波』や『香港国家安全法』を巡る米中対立への警戒感の高まりにもかかわらず、リスク選好の動きが継続していることに対して違和感を持つ投資家は多いと思われる。

これは、シティグループが算出しているエコノミック・サプライズ指数(びっくり指数)から、容易に理解できる。この指数は、各種経済指標と事前予想との食い違い(かい離幅)を指数化し、ゼロ(予想通り)を挟んで、上下(プラス・マイナス)で示した指数である。実績が予想を上回れば指数は上昇、逆に下回れば下落する仕組みとなっている。この指数は市場の期待値に対して上回るものが多いのか、それとも下回るものが多いのかを示す指数である。市場の期待値に対して上回る指標が多ければ当然に株価や通貨が高くなりやすい。一方で、市場の期待値を下回り続けると、市場参加者が景気の先行き懸念が生じることから、遅行して株価や通貨などが下落しやすい。

米国のびっくり指数は、4月30日に-132.0まで下落後6月22日には+129.2へ上昇し、さらに7月9日には+198.7まで上昇しており、V字的な回復基調となっている。また、ユーロ圏のびっくり指数は5月11日に-304.6と非常に大きな落ち込みとなったが、6月22日に-168.1へ戻し、7月9日には-49.7とマイナス圏にあるものの急回復してきている。一方、日本のびっくり指数は3月11日に-28.1まで低下したところから4月8日に+69.3まで上昇した。しかし、5月28日から失速してマイナス圏に沈み7月7日には-100.1まで低下してが、その後の7月9日には-76.6へ回復した。欧米の景気回復が市場予想を上回る回復基調となっていることで、世界的なリスク選好の動きをけん引していることになる。

そのため、再びびっくり指数が下落するようなら、先行き景気回復の期待が収束する可能性もあり、その際はリスク回避の株価調整下落となりやすい。

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