FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

2020/09/18/15:10:37

日経平均株価:海外勢の分散投資が下支え

米国株式市場では主要3指数は下落したものの、日本株は米国株の流れを引き継ぐ展開とはならず底堅い展開となった。相対的にハイテク株比率が低い日本株に分散投資で海外勢などの買いが優勢となった。直近のアジア株の底堅さがクローズアップされており、アジアの結びつきが大きいとされる日本株に、海外投資家を中心に見直し機運が広がっている。結局、前営業日比40円高の2万3360円と小幅反発して終了した。

 

東京外国為替市場:利益確定のドル買い戻しがやや優勢

ドル/円は、本邦輸入勢などのドル買い・円売りや日経平均株価の持ち直しに支えられ、104.87円付近へじり高となった。ただ、前日の海外時間に約1ヵ月半ぶりの安値104.53円を付けた反動で、利益確定や持ち高調整のドル買い・円売りが入りやすい面もあった。午後は新規の手掛かり材料に乏しく、104.80円前後で小動きとなった。ユーロ/ドルは、1.18ドル台半ばで方向感に欠ける値動きとなった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

全国CPIは16年11月以来の下落幅でも円高になりやすい

総務省によると、8月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除く、コアCPI)は101.3となり、前年同月比0.4%低下した。およそ4年ぶりの低下幅となった。緊急事態宣言解除により6、7月はプラスとなったが、8月は再び落ち込んだ。GoToトラベル実施などもあり、宿泊料が前年比で3割超安くなったことが響いた。このほか、電気代やガソリン代などエネルギー価格や日用品の価格下落も影響した。

単純に米国の8月消費者物価コア指数は前年比+1.7%だった。そして昨日の米10年物国債利回りは0.685%で終了した。そのため、実質金利は▲1.015%になる。一方、日本の8月コア消費者物価指数は▲0.4%で、日10年国債利回りは昨日359回債で0.01%で終了した。そのため、実質金利は▲0.39%になる。そのため、実質金利の低いドル売り・円買いになりやすい。実質金利がマイナスということは、将来において通貨の価値が低下するため。

 

ニュージーランドは9年半ぶりにリセッション

ニュージーランドは新型コロナウイルスの封じ込めに成功したとみられたが、8月に最大都市オークランドで感染が再発し、外出制限や行動制限の再発動に追い込まれた。結果、今月予定された総選挙も来月に延期された。また、外出制限や行動制限再発動の影響で改善が進んだ企業マインドは一転頭打ちしており、景気回復の足取りが重くなると懸念される。事態収束に手間取れば政権や与党にとり『逆風』となるリスクもある。新型コロナウイルスの感染拡大と封じ込めに向けた対策の影響で、4-6月の実質GDP成長率は前期比年率▲40.47%と2四半期連続のマイナス成長となるなど9年半ぶりのリセッションとなった。内・外需双方で景気が下振れしており、分野別でもすべての産業で生産がマイナスとなる『総崩れ』状態となった。先行きは企業マインドの改善を受けた景気回復が期待されるも、感染再燃によるマインド悪化に加え、足下のNZドル高は景気回復の足かせとなる可能性もある。

 

東地中海の地政学リスク簡単には解決せずリラの重石

欧州理事会は昨日、欧州連合(EU)加盟国の海域で行われているトルコ資源探査の中止要求を、圧倒的な賛成多数で可決した。もっともトルコが素直に従うとは思われず、トルコEU関係の悪化懸念が通貨リラの重石の1つとなった。ところで、一時は軍事的な衝突さえも危ぶまれたトルコとギリシャだが、現状は軍高官レベルでの話し合いが続いている。ドイツも仲介に乗り出したとも報じられており、来週のEU首脳会議の前に何らかの進展があるかもしれない。ただ、キプロス沿岸でのトルコによるガス田掘削作業に関しては、キプロス共和国を承認していないトルコが権益を譲る可能性は極めて少ないと見込まれる。例えギリシャと折り合いがついたとしても、東地中海の緊張は簡単に緩まないと思われ、地政学リスクの高まりには依然として警戒が必要である。

 

南ア準備銀行は政策金利据え置きで約半年ぶりに上昇

注目された南ア準備銀行(SARB)の金融政策委員会(MPC)では、政策金利を据え置くことを決定した。結果を受けてここ最近対ドルで強含んでいたランドだが、約半年ぶりとなる水準までランドは対ドルで上昇した。MPC後にクガニャゴSARB総裁は『新型コロナ次第ではあるが、21年成長は緩やかだろう』『先行き不透明感は高いままであり、今後の決定はデータ次第』『インフレは中期的には抑制されている』『MPCは一時的な価格ショックと感染第2波を注視』と発言している。今回は利下げを見送ったが、今年の成長見通しが悪化する中での利下げ見送りに対して南ア国内で疑問の声も出ている。

 

米国の労働市場の回復は鈍い:航空各社も10月1日で解雇開始

米労働省が発表した11日までの週の週次新規失業保険申請件数は前週比3.3万件減の86.0万件と前週から再び減少したほか3週連続で100万件割れとなった。予想85.0万件ほど減少せず微々たる減少にとどまっている。パンデミックによる経済封鎖から7カ月が経過したが、経済活動の再開が思うように進まず、失業保険申請者は3月にピークで過去最多となる686.7万人に達したのち減少傾向にあるものの依然新規の申請が100万件近くにのぼっている。パンデミック危機前の水準の4倍以上で前回2008年の金融危機時の水準もかなり上回ったままである。正常化にはかなりの時間が要すると見られる。4日までの週の失業保険継続受給者数が1262.8万人と、前回1354.4万人から予想以上に減少し、4月初旬以来で最小となったことはプラス材料となる。エコノミストは今後数カ月内に経済が再び新型ウイルス第2波により脅かされるリスクに警戒。航空各社のCEOは17日、大統領補佐官のメドウズ氏と会見し、解雇を回避するための追加支援を要請。政府支援が得られなければ10月1日付けで計画通り解雇が開始される。労働市場の状況が再び悪化する可能性に警戒される。

 

欧米ベント

○15:00   8月英小売売上高(自動車燃料含む、予想:前月比0.7%/前年比3.0%)
       英小売売上高(自動車燃料除く、予想:前月比0.4%/前年比4.2%)
○15:00   8月独生産者物価指数(PPI、予想:前月比▲0.1%)
○17:00   7月ユーロ圏経常収支(季節調整済/季節調整前)
○18:15   デコス・スペイン中銀総裁、講演
○18:15   デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁、講演
○19:30   ロシア中銀、政策金利発表(予想:4.25%で据え置き)
○21:30   4-6月期米経常収支(予想:1579億ドルの赤字)
○21:30   7月カナダ小売売上高(予想:前月比1.0%/自動車を除く前月比0.5%)
○21:30   7月カナダ卸売売上高(予想:前月比3.5%)
○23:00   8月米景気先行指標総合指数(予想:前月比1.3%)
○23:00   9月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、速報値、予想:75.0)
○23:00   ブラード米セントルイス連銀総裁、講演
○23:00   シュナーベル欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○19日01:00   8月ロシア失業率(予想:6.2%)
○19日01:00   ボスティック米アトランタ連銀総裁、講演
○19日04:00   カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁、講演

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

欧米タイム直前市場コメント!

2020/09/17/15:16:45

日経平均株価:円高とNYダウ先物の下落に連れ売り優勢に

外国為替でドル/円が一時104円台後半まで下落したこともあり、朝方は輸出関連株を中心にさえない展開となった。日経平均は売り一巡後は、円高が進まなかったことで下げ幅を縮小したが、NYダウ先物が軟調だったことで再び弱含んだ。日銀の禁輸政策決定会合の結果発表を控えており、様子見ムードも出ていた。16日米FOMC後の会見でパウエルFRB議長が量的緩和強化などを示さなかったことから、NYダウ先物が下げ幅を拡大したことに連れ日経平均も下げ幅を拡大した。結局、前営業日比156円安の2万3319円と反落して終了した。

 

東京外国為替市場:アジア株安でリスク回避の円買い優勢

ドル/円は、日経平均株価の下げ幅拡大を眺めたドル売り・円買いが先行し、104.88円付近まで下落した。ただ、前日のNY時間でつけた約1ヵ月半ぶりの安値104.80円が意識され、下げは一服した。その後は、国内輸入企業などがドル買い・円売りに動き、105.10円台へじり高となった。午後は、日経平均株価や上海総合株価指数をにらみながら、小幅値を下げて105.00円付近でもみ合う展開となった。今晩の米国株動向や米経済指標を見極めたいとのムードもあり、積極的な売買は見送られた。ユーロ/ドルは、ECB当局者によるユーロ高けん制発言を警戒したユーロ売り・ドル買いが持ち込まれ、1.1738ドル付近まで下落する場面があった。また、数人のECBメンバーが、さらなる景気刺激策の導入に前向きな姿勢を見せていることもユーロの重石となった。

 

トルコはギリシャだけでなくキプロスとの関係も悪化

OECD(経済協力開発機構)がトルコの20年成長率見通しを前回予測から上方修正(4.8%減から2.9%減)したが、市場の反応は限定的だった。東地中海に関してエルドアン・トルコ大統領とメルケル独首相が話し合ったと報じられたが、トルコはキプロス沿岸でのエネルギー資源探査は継続している。キプロス共和国を国として承認していないトルコが行動を改めるとは思えず、キプロスが加盟する欧州連合(EU)とトルコとの亀裂の深まりが懸念され る。

 

南ア準備銀行の金融政策委員会に注目

本日南ア準備銀行(SARB)の金融政策委員会(MPC)が行われることで、結果次第の値動きになる。市場では3.25%に引き下げと3.50%で据え置きが拮抗している。ここ最近はドルに対してランドが強含んでいることもあり、ポジティブサプライズに市場は大きく反応しそうである。なお、南アは今週末20日0時からロックダウンの水準が1へ引き下げになる。

 

メキシコ労働市場の回復は道半ばであることを確認

メキシコ社会保障研究所がまとめたところによると、メキシコの労働市場は8月に9万2390人の雇用増となった。雇用増となったのは2月以来で半年ぶりだが、新型コロナウイルスの感染拡大によって3-7月の5カ月間で失われた雇用者は111万人を超えており、今回の雇用増は過去5カ月間の失職数のうち8%強に過ぎない。さらに8月分の雇用増9万2390人のうち、半数は非正規雇用者となっており、労働市場の回復は道半ばであることが改めて確認された。 ロペスオブラドール大統領は今月の国民向け演説の中で『景気のV字回復がすでに始まっている』と述べ、今後の雇用増についても自信を示した。一方で、多くのアナリストは政府から民間への支援が限られていることを考慮すると、景気の回復は非常に遅いものになるだろうと懸念を示している。

 

ゴールドマン・サックス証券は景気の現状判断を上方修正

日銀が16-17日に開いた金融政策決定会合で金融政策の現状維持を決めた。上場投信信託U(ETF)の買入上限も12兆円で据え置かれた。菅新政権発足後、初めて金融政策決定会合だったが、声明文で特に政府との関係について記述はなかった。ゴールドマン・サックス証券は17日付のレポートで「景気の現状判断は『きわめて厳しい状態にある』から『持ち直しつつある』へと上方修正された。項目ごとにみると、設備投資が下方修正された一方、輸出、生産、個人消費が上方修正された。先行き判断は『ベントアップ需要の顕在化に加え、緩和的な金融環境や政府の経済対策の効果にも支えられて、改善基調をたどる』で据え置かれた」と指摘した。その上で「菅新首相は、安倍政権下と同様に、日銀と緊密な関係を維持し、雇用維持・企業存続に必要と判断すれば金融緩和をさらに進めたいと述べている」としながら、「特に、菅氏は為替安定を自身の危機管理の重要分野と位置付けている。従って、円高急進時には、日銀に対して追加緩和を促す可能性があるため一定の注意が必要だろう」とみていた。

 

米国株上昇の恩恵は富裕層が中心

米国株価の上昇により恩恵を受けている米国人は多くない。Pew Research Centerによると、米国で株式投資をしている家庭は52%で、そのうちの多くが401k(確定拠出年金)や他の退職年金が占めている。株式市場に直接投資をしているのは14%のみとなっている。また米連邦準備理事会(FRB)によると2020年1-3月期では米国の10%の富裕層が、株式の87%の株を所有しているとしている。これは2009年の82%から更に上昇している。一方で中間層と言われる全体の20%から80%の所得層は6.6%しか株式を保有していないとされている。このような状況下のため多くの米国の中間層も、株価上昇の恩恵を受けていない。人種別では株式の92%を白人家庭が保有し、黒人とヒスパニックはそれぞれ1.6%しか株式を保有していない。このような状況をみると連日史上最高値を更新しても、負の連鎖から抜け出ることができない多くの米国民がデモに参加することが理解できる。

 

米大統領選の表面上支持率はなおバイデン氏が優位

16日公表のロイター/イプソスの世論調査によると、米大統領選の野党・民主党候補バイデン前副大統領の支持率は与党・共和党の現職トランプ大統領を9%ポイント上回り、依然としてバイデン氏が優位に立っていることが分かった。トランプ氏が取り込みを狙う郊外地域の有権者の間で、『法と秩序』強調のメッセージは十分な共感を得られていない。調査は11-15日に実施した。投票に行く可能性が高いと答えた有権者のうち50%がバイデン氏支持を表明した。トランプ氏は41%にとどまった。態度未定ないし双方とも支持しないが9%残っており、これらの人々の動向が選挙の行方を左右する可能性もある。

 

欧米市場イベント

○15:30   黒田東彦日銀総裁、定例記者会見
○17:00   レーン・フィンランド中銀総裁、講演
○17:00   デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁、講演
○18:00   7月ユーロ圏建設支出
○18:00   8月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値(予想:前年比▲0.2%)
○18:00   8月ユーロ圏HICPコア改定値(予想:前年比0.4%)
○20:00   英中銀金融政策委員会(MPC)2日目、終了後政策金利発表(予想:0.10%で据え置き、資産買取プログラムは7450億ポンドで据え置き)
○20:00   英MPC議事要旨
○21:30   8月米住宅着工件数(予想:147.8万件、前月比▲0.9%)
        建設許可件数(予想:152.0万件、前月比2.3%)
○21:30   9月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数(予想:15.0)
○21:30   前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:85.0万件/1300.0万人)
○22:00   ミュラー・エストニア中銀総裁、講演
○未定   南アフリカ準備銀行(SARB)、政策金利発表(予想:3.25%に引き下げと3.50%で据え置きが拮抗)
○米財務省2年、5年、7年債入札条件

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

欧米タイム直前市場コメント!

2020/09/16/15:14:53

日経平均株価:日米イベント待ちで方向感欠く展開

外国為替市場での円高進行が嫌気されて小幅に続落して始まったが、日米の金融政策イベントを前に取引見送りムードも強く、大きく売り込まれる展開にはならなかった。前日の米ハイテク株高を受けて、ハイテク株の一角に買いが先行した。米ナスダック指数の戻り基調を受け、グロース(成長)株に資金が向かいやすくソフトバンクGが大幅高となり、1銘柄で日経平均を50円超押し上げた。結局、前営業日比20円高の2万3475円と反発して終了した。

 

東京外国為替市場:終日105.30円近辺でもみ合い相場

ドル/円は、米FOMCの結果発表を控えた持ち高調整などのドル売り・円買いが先行し、105.26円付近まで値を下げた。米長期金利が時間外取引で小幅に低下したことも、ドルの押し下げにつながった。しかし、8月28日に付けた105.20円が下値の目処として意識されると、下げは一服した。その後は、国内輸入企業などがドル買い・円売りに動き、105.30円を挟んだもみ合う展開となった。午後に入っても、105.30円台を中心とした狭いレンジでの取引が続いた。ユーロ/ドルは、1.18ドル台半ばで小動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

中国景気は一進一退の展開:雇用環境がカギを握る

新型コロナウイルスの感染拡大を受けて中国経済は深刻な減速に直面したが、事態収束と経済活動の正常化を受けて底入れが進んでいる。足下では感染拡大の震源地は新興国にシフトするなど不透明感はくすぶるが、主要国での経済活動再開の動きや米中摩擦の余波を受けて外需は底入れが進む。ただし、景気回復の動きにも拘らず不透明要因もくすぶる展開が続くなど、中国景気は一進一退の展開が続いている。8月の小売売上高は名目ベースで前年比+0.5%と自動車販売の押し上げを受けて年明け以降初めて前年を上回ったが、実質ベースでは同▲1.1%と試算出来るなど回復は道半ばの状況にある。 統計公表を巡る『小細工』は統計自体に対する信ぴょう性を損なう恐れもある。他方、景気回復の持続力は雇用環境がカギを握る状況は変わらない。

 

南アランドは17日のMPC会合待ちの展開

昨日ラマポーザ南ア大統領は企業や労働者などの代表で構成される『国家経済開発労働評議会』に出席し、大統領の経済回復計画に合意したと発表した。本日は南アの小売売上高が発表される。7月はたばこや酒類の販売が厳しかったこともあり、前年比では落ち込むことが予測されている。ただし明日17日、南ア準備銀行(SARB)が金融政策委員会(MPC)を開き政策金利を発表することで、本日の指標では動きにくい。

 

トルコとギリシャの地政学リスクが高まる

東地中海の領有権を巡り対立しているトルコとギリシャは昨日、両国軍の高官が北大西洋条約機構(NATO)本部で協議を行った。話し合いで両者の歩み寄りを期待したいところだが、妥協点を見つけるのは簡単ではない。そういったなかトルコメディは昨日、エーゲ海東部に位置するサクズ島(ヒオス島)をギリシャが武装化していると報じた。トルコはこれを国際条約違反だとしており、再び両国の緊張が高まることが危惧される。地政学リスクが強まったままでは、リラの買い難さは続く。

 

メキシコは休場のため急変には注意

FOMCの結果が公表される9月16日は独立記念日でメキシコ市場が休場となる。重要イベントと市場の流動性低下が重なるため、薄商い中で急激な変動が起こり得るリスクもある。そのため、本日からイベント前のリスク管理を徐々に進めておきたいところである。

 

トランプ大統領は中南米系票に訴え:激戦の西部を回る

米大統領選に向け、共和党のトランプ大統領は12~14日の3日間、中南米系の票の掘り起こしを狙い西部州を回った。支持率でリードする民主党のバイデン氏を逆転するには、激戦州で競り勝つことが不可欠。新型コロナ感染防止の規制を無視した集会も開き、なりふり構わず動いた。トランプ氏が訪問したのはネバダ、カリフォルニア、アリゾナの3州である。ネバダとアリゾナでは中南米系の市民を集めた会合を開催し『決してあなた方を失望させない』と訴えた。アリゾナは両氏の接戦で、ネバダでは最近トランプ氏が猛追している。両州の勝敗が全体の情勢に大きな影響を及ぼす可能性がある。

 

米国市場では8月小売売上高が公表

7月実績は3ヵ月連続プラスとなり、総額はウイルスの感染流行前の水準を回復した。ただ、ウイルス感染者は増加しており、経済活動はやや制限されていることから、個人消費の持続的な拡大は期待できない。

 

米国市場では連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表

今回の会合ではゼロ金利政策や量的緩和(QE)が据え置かれると見られている。FRBが新指針でのインフレ平均目標を発表後、初めての会合となるため同時に発表される景気、インフレ、金利見通しに特に注目される。FRBがインフレ平均目標という新指針を発表後、経済専門局であるCNBCが市場関係者対象に実施した調査によると回答者の大半はFRBが2023年まで利上げを行わないと見ていることが明らかになった。新指針では、インフレが平均目標となるため長期にわたり2%を割り込んだあと、平均が2%になるまで2%超のインフレを容認することになるため、当初の想定以上に長期にわたり低金利を据え置く必要が出てくる。焦点はFRBがどの程度までインフレの上昇を容認し、どの程度の期間ゼロ金利を維持するか。一部のFRB高官は2.25%-2.5%くらいは容認できると言及している。インフレの2%達成にはかなりの時間を要すると見られるが、現在のところ2%を上回るという保証もなく、かなり不透明な状況である。

 

欧米市場イベント

○15:00   8月英消費者物価指数(CPI、予想:前月比▲0.6%/前年比横ばい)
       CPIコア指数(予想:前年比0.6%)
        小売物価指数(RPI、予想:前月比▲0.3%/前年比0.6%)
○15:00   8月英卸売物価指数(PPI、食品とエネルギーを除くコア指数、予想:前年比横ばい)
○18:00   7月ユーロ圏貿易収支(予想:季節調整前なし/季節調整済193億ユーロの黒字)
○18:30   デコス・スペイン中銀総裁、講演
○20:00   MBA住宅ローン申請指数
○20:00   7月南アフリカ小売売上高(予想:前年同月比▲5.0%)
○20:00   レーンECB専務理事兼チーフ・エコノミスト、ウェブセミナーに参加
○21:30   7月対カナダ証券投資
○21:30   8月カナダCPI(予想:前月比0.1%/前年比0.4%)
○21:30   8月米小売売上高(予想:前月比1.0%/自動車を除く前月比0.9%)
○23:00   7月米企業在庫(予想:前月比0.1%)
○23:00   9月全米ホームビルダー協会(NAHB)住宅市場指数(予想:78)
○23:30   EIA週間在庫統計
○24:00   ホルツマン・オーストリア中銀総裁、講演
○17日03:00   米連邦公開市場委員会(FOMC)、終了後政策金利発表(予想:0.00-0.25%で据え置き)
○17日03:00   FOMC、経済・金利見通し発表
○17日03:30   パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、定例記者会見
○17日05:00   7月対米証券投資動向
○未定   ブラジル中銀、政策金利発表(予想:2.00%で据え置き)
○英中銀金融政策委員会(英MPC、17日まで)
○メキシコ(独立記念日)、休場

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

欧米タイム直前市場コメント!

2020/09/15/15:09:43

日経平均株価:様子見ムード強く利益確定売り優勢

前日の米国株式市場は上昇したものの、日本株は前週後半から700円幅の上昇を演じていただけに、利益確定売りが先行する展開となっている。組閣人事や米連邦公開市場委員会(FOMC)など見極めたい重要イベントが控えているため、全体的に模様眺めムードが強かった。ただ、日銀によるETF株買いの観測が広がり、相場の下値を支えられた。結局、前営業日比104円安の2万3454円と4営業日ぶりに反落して終了した。

 

東京外国為替市場:全般ドル安基調が継続

ドル/円は、今日から始まる米FOMCで、ハト派姿勢が堅持されるとの思惑から持ち高調整などのドル売り・円買いが入り、105.61円まで下落した。日経平均株価の下げ幅が一時200円を超えたことも、リスク回避の円買いを誘った。しかし、前日の海外市場でつけた105.55円が下値の目処として意識されると下げは一服、105.65円を挟んでもみ合いとなった。午後は、日経平均株価や上海総合株価指数をにらみながら、105.60円台を中心とした狭いレンジで取引された。ユーロ/ドルは、午前に発表された8月中国統計の上振れや上海総合株価指数の持ち直しを好感したオセアニア通貨高・ドル安が波及し、1.1900ドル近くへじり高となった。

 

世界の石油需要はピークアウトの可能性:英石油大手BP見通し

英石油大手BPは14日公表のエネルギー見通しで、世界の石油需要が既にピークを過ぎた可能性もあるとの見方を示した。新型コロナウイルスの影響による世界経済の悪化や行動様式の変化で、感染拡大前の水準に戻らないシナリオを盛り込んだ。どの想定の下でも化石燃料から再生可能エネルギーへの消費の移行は進む。
今年の報告書では2050年までの長期予測を出した。環境政策や技術開発が最近の傾向に沿って進む前提の標準ケースに加え、政策主導でエネルギー転換が勢いづく『急速』、低炭素化がさらに活発な『ネットゼロ』の3つのシナリオを想定した。

 

トルコ株価は底堅く推移するもコリラの買いづらさは続く

トルコメディアは13日、東地中海で活動していたトルコのエネルギー資源探査船が、ギリシャ海域から引きあげてトルコに帰港したことを報じた。これを受けてミツォタキス・ギリシャ首相は、『前向きな第1歩』であり、こういったことを継続させることが重要だと述べた。また『緊張が解消された場合、エルドアン大統領と会談する用意がある』とも発言した。 東地中海の緊張緩和が期待されてギリシャ株は大きく上昇し、トルコ株も底堅く推移した。ただし、トルコ側がエネルギー探査の継続を表明したためか、為替相場ではリラを買い戻す動きには繋がっていない。 ムーディーズもトルコ格下げ理由の1つとして地政学リスクを指摘しており、トルコとギリシャの関係改善の道筋がはっきりと見えるまでは、リラの買いづらさは続く。 ギリシャの後ろ盾となっているフランスと、トルコの対立もリラにとっては懸念材料である。対トルコで厳しい姿勢をみせるマクロン仏大統領について、先週末にエルドアン・トルコ大統領は『去り行く人だ』などと公の場で述べた。これまでのやり取りなどを見る限り、両者の溝を埋めるのはかなり難しい。

 

本日の南アランドはイベント控え動き難い展開

16日に南アからの7月小売売上高、そして17日に南アフリカ準備銀行(SARB)が金融政策委員会(MPC)を開き政策金利を発表することで、本日は動きにくくなる。特に17日のSARBへの注目度が高まっている。徐々に利下げ派が増加し、市場のコンセンサスとしては3.25%への利下げが多数を占めつつある。週末にムボウェニ南ア財務相がSARB予想のGDP-7%より悪くなる可能性があると発言したことも、更なる利下げ期待を高めている。

 

メキシコ景気のカギを握るのは原油価格動向

メキシコ国内では先週にメキシコ政府が2021年の予算案を議会に提出した。大幅な歳出を行わない緊縮政策を積極的に行うもので、債務比率については現在の54.7%から来年には53.7%に減らす目標を掲げている。もっとも、前提となるGDP成長率について政府の予想(今年8%程度落ち込んだ後、来年には4.6%に反発)は市場の大方の予想(今年-10%前後、来年は+3.4%程度)よりも楽観的なもので、格付け会社ムーディーズは『債務水準よりも経済成長を懸念。これは持続不可能である』と批判した。また、一部米銀からも『原油動向次第が窺われる。原油が仮に下がった場合には大幅赤字となるだろう』との意見が出ている。新型コロナウイルスの影響で国内経済が疲弊するなか、緊縮政策の実施が経済へのさらなるダメージにつながるとの懸念もあり、今後の経済状況については注意してみておく必要がある

 

米国では15日から16日にかけて連邦公開市場委員会(FOMC)を開催

米FRBはFOMCでゼロ金利を据え置き、長期にわたり低金利を据え置く姿勢を再表明する見通しである。ただ、インフレ平均目標という新指針により、声明や会見に影響を与える可能性がある。9月会合では最新のFRBメンバーの2023年までの経済、インフレ、金利見通しが発表となる。新指針達成の具体的な手段を明確にするには良い機会と考えられている。 米国の追加財政策を巡り合意に向けた進展が見られないこと、FOMCのハト派姿勢などへの思惑に米国債相場は依然、堅調に推移している。同時に、ドル売り圧力となっている。

 

欧米イベント

○15:00   8月英雇用統計(予想:失業保険申請件数推移10.0万件/失業率なし)
○15:00   5-7月英失業率(ILO方式、予想:4.1%)
○15:30   8月スイス生産者輸入価格
○15:45   8月仏消費者物価指数(CPI)改定値(予想:前月比▲0.1%/前年比0.2%)
○16:15   パネッタ欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○16:30   8月スウェーデン失業率
○18:00   9月独ZEW景況感指数(予想:69.8)
○18:00   9月ユーロ圏ZEW景況感指数
○未定   ポーランド中銀、政策金利発表(予想:0.10%で据え置き)
○21:30   7月カナダ製造業出荷(予想:前月比8.7%)
○21:30   9月米ニューヨーク連銀製造業景気指数(予想:6.0)
○21:30   8月米輸入物価指数(予想:前月比0.5%)
○22:15   8月米鉱工業生産指数(予想:前月比1.0%)
      設備稼働率(予想:71.4%)
○16日01:00   8月ロシア鉱工業生産(予想:前年比▲6.4%)
○16日02:00   米財務省、20年債入札
○米連邦公開市場委員会(FOMC)1日目
○国連総会開会(ニューヨーク)

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

欧米タイム直前市場コメント!

2020/09/14/15:12:30

日経平均株価:ハイテク株中心に買い優勢

前場は米ハイテク株の調整一巡期待から買いが先行しソフトバンクGが英半導体アーム売却発表を手掛かりに大幅高となり、日経平均株価を119円押し上げた。また、米ナスダック先物が時間外取引で1%超上昇し米ハイテク株調整一巡感に投資心理が改善した。結局、前営業日比152円高の2万3559円と続伸して終了した。

 

東京外国為替市場:ドル売りも心理的節目の106.00円を意識

ドル/円は、日経平均株価や上海総合株価指数をにらみながら、106.15円前後で取引された。今週予定されている米FOMCや日銀政策決定会合のイベントを前に、様子見ムードが広がった。午後に入ると、FRBの低金利政策が長期化するとの思惑から、持ち高調整などのドル売り・円買いに押されて106.01円付近まで下落した。しかし、心理的節目の106.00円が意識されると下げは一服し、106.05円付近でもみ合う展開となった。ユーロ/ドルは、1.18ドル台半ばで方向感に乏しい値動きとなった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

SBGが傘下のアーム社売却でも為替市場は冷静

英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)は13日、ソフトバンクグループ(SBG)が株式非公開化を検討していると報じた。現在取り組んでいる資産売却の後、戦略の見直しを行う。ソフトバンクGは有利子負債圧縮と自社株買いに向けた資産売却計画を進めており、傘下の英半導体設計大手アームを400億ドル(約4兆2000億円)以上で米半導体大手エヌビディアに売却することで合意間近だと伝えられている。

市場ではその内容から『意外とキャッシュの部分が少ない』との声も聞かれている。SBGに直接入るドルキャッシュとしては、買収が完了する2022年3月ごろに約75億ドル+α(最大で37億ドル)程度にしかならない予定である。しかも、2022年3月なので、「今から相場にどうのこうの言うことでもない」というものである。恐らく、市場自身が『全くこのネタで盛り上がっていない』のも納得がいく。

 

それでも英国の合意なき離脱は回避されるとの見方

ジョンソン首相は10月15日までに合意できなければEUとの自由貿易協定(FTA)は締結されないものと受け入れ、先に進む必要があると表明した。10月半ばに向けてポンドは荒っぽい動きが見込まれる。ジョンソン首相は、EUとのFTAを年内に発効させるためには10月15日までの合意が必要と表明し、『合意なき離脱』への懸念が強まったものの、これは協議決裂の可能性をちらつかせることで、EUが先に譲歩するよう圧力を掛けるジョンソン政権の作戦との見方も少なくない。市場では、引き続き年末にかけて交渉が続き、年内には限定的な合意に至り、『合意なき離脱』は回避されるとの見方が多い。

 

米格付け会社ムーディーズがトルコの格下げを発表

ムーディーズは11日、トルコの格付けを従来の『B1』から『B2』に引き下げた。同社による格下げは約1年3カ月ぶりとなる。見通しは『ネガティブ』が維持された。 ムーディーズは、トルコの対外的な脆弱性が財政悪化スピードを速めると指摘した。信用リスクの高まりにもかわらず、トルコ当局は課題の改善に有効な対処ができていないだけではなく、対処する姿勢さえもみられないとした。同社によるトルコ格付けは4年前から投資不適格級(ジャンク級)だが、今回の『B2』はエジプトやジャマイカ、ルワンダと同等の格付けとなる。格付け会社からは、外貨準備高不足や地政学リスクも強く懸念された。トルコ中銀が発表した4日時点の外貨準備高(グロス、金保有を除く)は448.8億ドルと年初来の減少幅は44%を超えている。そのため、金融当局が力尽くでリラ安の流れを抑えるには限界がある。

 

南アの4-6月期のGDPが底になる可能性も

7-9月期の南アBER企業信頼感指数の結果から、南アの国内総生産(GDP)も4-6月期が底になるのではとの声がある。BERは4-6月期が+5だったが、7-9月期は+24まで改善しており、-51.0%まで落ち込んだGDPも7-9月期の回復が期待されている。ただし、依然としてウイルス感染が続いていることや、南アの巨額債務、電力不足など、ネガティブな面が山積みに残っており、たとえ4-6月期が底になった場合でも今後の経済回復は相当な時間を要することになる。
 今週は16日に7月の小売売上高が発表され、17日に南ア準備銀行(SARB)が金融政策委員会(MPC)を開き政策金利を発表する。現時点では政策金利は0.25%の利下げと据え置き予想が拮抗しているが、前回のMPCでも時期が迫ってくると追加利下げ期待が高まり、実際に利下げをしたように予想を変更する金融機関も増えてくる。

 

米大統領選で票につながらない州は無視

米CNNは10日、過去最悪な規模で被害が広がっている米カリフォルニア州やオレゴン州の山火事について、トランプ米大統領がほとんど言及していないことを指摘した。大統領が山火事について述べたのは8月半ばであり、その時は山の管理のずさんさが火事に繋がっていると、人的災害であるような批判を繰り広げた。8月下旬の共和党全国大会でも、山火事を危惧する言葉は発せられなかったようだ。 大規模な山火事に襲われたカリフォルニア州は民主党の副大統領候補カマラ・ハリス上院議員の地盤でもあり、民主党が強いとされる州。また、隣接するオレゴン州も上院議員2人は民主党、同州の下院議員5人中4人を民主党が占めている。両州とも11月大統領選では、バイデン元副大統領が圧倒的に優位とされている州である。 国内の惨事にもかかわらずトランプ大統領の言葉の少なさは、選挙で見込みのない州には関わり合わないということかもしれない。逆に言えば、大統領選で票に繋がる見込みがあれば、急いで進めることや圧力を強めることもありそうだ。

 

欧米市場イベント

○15:30   8月インド卸売物価指数(WPI、予想:前年比▲0.31%)
○16:00   7月トルコ鉱工業生産(予想:前月比8.3%)
○18:00   7月ユーロ圏鉱工業生産(予想:前月比4.1%/前年比▲8.1%)
○自民党総裁選、投開票

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント
1 2 3 4 5 6 177

カテゴリー

カレンダー

9月 2020
« 8月    
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
282930  

ページの先頭へ