FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:業績予想の下方修正が上値の重石に

主要企業による2019年3月期通期業績予想の下方修正が相次ぐ中、積極的な売買は手控えらる投資家が多く様子見ムードが強まった。結局、前週末比95円高の2万883円と3日続伸して終了した。

 

東京外国為替市場:心理的な節目となる110円が重石に

ドル/円は、日経平均株価の続伸に支えられ、一時109.60円まで上昇した。先週末に発表された米経済指標が好調だったことも、ドルの押し上げにつながった。午後もこの流れは続き、109,78円までじり高となった。ただ、心理的節目の110.00円が視野に入ると、ドルの挙げは一服した。その後は、5日に予定されているトランプ大統領の一般教書演説を控えて利食い売りも見られ、109.75円を挟んだもみ合いの展開となった。ユーロ/ドルは、欧州の景気減速懸念から持ち高調整などのユーロ売り・ドル買いに押され1.1442ドル程度まで下落した。

 

市場はハト派のFRBを歓迎するが日銀は複雑

BEFRBが利上げを一旦停止するなどのハト派的な姿勢を打ち出したことで、世界の市場参加者は好感している。しかし、明るい表情を浮かべていないのが日銀である。金融政策運営が抱える難しさが一段と増している。FRBのハト派転換は今後じわじわと円高圧力を生みやすい一方で、日銀は金融和手段が乏しい状態となっている。また、FRbの利上げ停止や保有資産縮小の早期終了は、米長期金利への下げ圧力となり、円高進行を招きやすい。さらに、FRBの『年内利上げなし』は為替市場に織り込まれているが、『利下げ観測』が広まるようなら一段の円高が進行しやすい。問題はその円高を防止する有効な武器が日銀に乏しいことだ。

 

米中か閣僚級通商協議は3月1日の交渉期限まで油断出来ず

1月30-31日に米ワシントンで開かれた米中の閣僚級通商協議は、波乱なく通過したようだ。中国の劉鶴副首相が率いる中国の代表団と、ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表が責任者を務める米国側は、貿易均衡、技術移転、知的財産権の保護、非関税障壁、サービス業、農業、合意の実行などを巡って、双方は『率直で具体的、建設的な議論ができた』とした。双方は知的財産権の保護と技術譲渡を重視し、協力を強化することで合意したほか、効果的な措置を講じて米中貿易の均衡化を推進するとした。劉氏はトランプ大統領との会談で、習中国主席の親書を渡した。親書には米国産農産物の輸入拡大が盛り込まれており、『大豆の輸入を500万トン増やす』と伝えた。また、中国側は2月に首脳会談を2月に行うことを提案し、トランプ米大統領も貿易協議の最終合意を目指して習国家主席と再び会談する方針を示した。首脳会談を前に米国の交渉担当者が2月半ばにも訪中する見通し。お互いに『重要な進展』があったと強調するも、トランプ政権が注視する構造問題などで隔たりが残る模様。米中貿易摩擦の激化懸念を深める結果とはなっていないものの、合意に向けて大きく進展したとも言えず、3月1日の交渉期限に向けて続く交渉に注目したい。

 

英国のEU離脱については綱渡りの展開続く

政府の離脱合意案が英国議会で否決されたことを受け、メイ首相は南北アイルランド国境管理の安全策の見直しでEU側と再折衝し、2月14日頃に合意受け入れの是非を問う二度目の議会採決に臨む方針だ。 初回投票で政府方針に反対した与党議員は、EU残留派、穏健離脱派、強硬離脱派の合計118名。その大多数を政府方針の受け入れに翻意させない限り、二度目の投票も失敗に終わることになる。 『安全策が恒久措置ではない』とのより踏み込んだ法的約束を交わすことが出来るか、造反議員の大多数を納得させることが出来るか、離脱協議は綱渡りの展開が続いている。

 

本当に米国経済は底堅いのか遅延している指標発表が待たれる

最新の1月雇用統計は予想を上回る30万人超の雇用の伸びを示した。米国の雇用は100カ月連続での増加を記録、労働市場のひっ迫が証明された。市場エコノミストやFOMCメンバーが2019年の成長減速を警戒する中、クドロー国家経済会議(NEC)委員長やムニューシン米財務長官など米国トランプ政権の経済チームは2019年も経済が3%成長の軌道にあると強気。果たしてFOMCが年内の利上げに踏み切れるかどうかは今後の指標次第となる。政府機関閉鎖のために遅れた11月の耐久財受注、11月貿易収支、ISMはサービス業の指数に注目される。また、昨年10-12月期の国内総生産(GDP)速報値や12月の小売り売上高指数の発表が待たれる。

 

欧米イベント

○16:00   1月トルコ消費者物価指数(CPI、予想:前月比1.00%/前年比20.29%)
○17:30   メルシュ欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○18:30   1月英建設業購買担当者景気指数(PMI、予想:52.4)
○19:00   12月ユーロ圏卸売物価指数(PPI、予想:前月比▲0.6%/前年比3.2%)
○23:00   コスタ・ポルトガル中銀総裁、講演
○24:00   11月米製造業新規受注(予想:前月比0.2%)
○メキシコ(憲法記念日)、休場

 

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