FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:英米市場休場で商い薄く上値の重い展開

一旦中止となった米朝首脳会談の可能性が高まったことで、朝鮮半島緊張緩和期待から100円近く上げて始まったものの、英米市場の休場で流動性が低下するなか、追随する買いの動きが見られず伸び悩んだ。また、外国為替市場で1ドル=109円前半へ円高が進行したことでマイナス圏に沈んだ。午後からは底堅い展開となりプラス圏を回復して終了した。結局、30円高の2万2481円と小幅続伸して終了した。

 

東京外国為替市場:米朝首脳会談の実施期待からドル底堅い

ドル/円は、日経平均株価っがプラス圏からマイナス圏に転じたことや原油価格の下落を嫌気したポジション調整などのドル売り・円買いに押され、一時109.32円まで下げた。また、国内輸出企業から月末に絡んだドル売り・円買いフローも観測された。しかし、6月の米朝首脳会談が実施されるとの期待から下値ではドルを買い戻す動きも見られ、109円半ば付近へ切り返した。午後からも日経平均株価をにらみながら109円台半ばを中心とした狭いレンジ内で取引された。本日は英米市場が休場ということもあり、商いは薄かった。ユーロ/ドルは、一本調子の下げに対する警戒感から利益確定や持ち高調整のユーロ買い・ドル売りが入り、一時1.1727ドルまで上昇した。週末にイタリアのマッタレッラ大統領が、EU懐疑派のエコノミストの財務相就任を拒否したことも、ユーロ買い戻しにつながった。

 

米国に亜熱帯暴風雨『アルベルト』接近

米アラバマ、フロリダ、ミシシッピの3州は、亜熱帯暴風雨『アルベルト』の接近を受けて豪雨や高波が予想されるとして、非常事態を宣言した。アルベルトは勢力を強めながらメキシコ湾上を北上して米南東部へ接近、現地時間28日早朝にはフロリダ州パンハンドルに上陸する見通しとなっている。

 

イタリアがヘッジファンドのターゲットに

国際金融市場の弱点を突こうと物色しているヘッジファンドによって、いたらいアが格好のターゲットとなっている。ヘッジファンドによるイタリア国債の空売りは金融危機以降の最高水準に積み上がっており、ユーロ圏にくすぶる潜在リスクが改めて浮き彫りになっている。空売りは年初から増加傾向にあるが、ここ数日間に加速した。

 

さらに、イタリアで、新たな首相に指名されたジュゼッペ・コンテ氏が提示した閣僚候補が、任命権限を持つ大統領によって拒否された。コンテ氏は、首相を辞退する意向を示し、イタリアでは再び、政権発足も見通しがたたない辞退となっている。

 

米国の今週の焦点

米中貿易協議、NAFTA再交渉協議の行方や米朝首脳会談の行方が引き続き注目されている。また、米国の金融政策のカギをにぎる最新5月の雇用統計や、全米の製造業活動の動向を示す5月ISM製造業、103月期国内総生産(GDP)、次回6月のFOMCの材料となるベージュブック(地区連銀経済報告)の結果に注目が集まる。6月の追加利上げ確率は100%とほぼ織り込まれている。ベージュブックの中で、全米の経済が引き続き緩やかに成長し、インフレの圧力が見られ、雇用統計で雇用の順調な伸びが確認されると、追加利上げが正当化される。雇用統計では引き続き賃金に焦点が集まる。

 

5月22日付シカゴIMM投機筋の対米ドルでの差し引き持ち高

 

     (5月15日)   ⇒   (5月22日)

・円     :+3,680   ⇒   ▲2,767

・ユーロ    :+115,114   ⇒   +109,744

・ポンド    : +5,621   ⇒    +5,701

・豪ドル    :▲23,106 ⇒   ▲21,112

 

投機筋の円の持ち高は買い持ちから売り持ちに再び転じた。投機筋は一旦ポジションを傾けるとある程度の期間そのポジションを積み上げていくのが常套なのだが、このとろこ買い持ちになったり、売り持ちになったりと非常に珍しい現象と言える。投機筋も相場観がつかみ難い地合いとなっていると言える。ユーロの買い持ち高は減少傾向にあるものの、依然として高水準付近にとどまっていることから、戻りではやれやれの売りが入りやすく上値を重くしている。また、一段のユーロ安となると、ポジション解消によるユーロ売りが入りやすく値崩れする可能性もある。

 

欧米イベント

○16:00   ビルロワ・フランス中銀総裁、講演
○英国(スプリング・バンク・ホリデー)、米国(メモリアルデー)、休場

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