★日経平均株価指数:公的年金買いが上げは先導
前日のNYダウが245ドル安や米中『貿易戦争』激化懸念に売りが先行し一時下げ幅を114円に広げ節目2万1000円に迫ったが利益見通しを上方修正したコマツなど中国関連銘柄に買いが入りGPIFなど年金基金の買いと相まって上げに転じて割安銘柄中心に買いが膨らみ上げ幅を一時400円超に広げた。結局、前日比307円高の2万1457円と4日ぶり反発して終了した。
★東京外国為替市場:リスク選好の円売りが優勢
ドル/円は、月末に絡む本邦実需筋などのドル買い・円売りや日経平均株価の反発に支えられ、112.70円付近へじり高となった。トランプ米大統領がテレビのインタビューに応じ『対中貿易で素晴らしい取引を見込んでいる』と発言したことも、リスク選好の円売りを誘った。午後もこの流れが続き、日経平均株価の上げ幅拡大を眺めてさらにドル買い・円売りが進み、112.94円まで上げた。ただ、22日に付けた112.89円が上値の目処として意識されると上げ幅は一服、112.70円を挟んでもみ合いとなった。ユーロ/ドルは、1.1380ドル前後で小幅な値動きに終始した。欧州勢の参入待ちの様相となっている。
★欧州市場では7-9月期ユーロ圏域内総生産(GDP)
4-6月期確報値は前期比+0.4%、前年比+2.1%だった。在庫、家計消費、政府支出の伸びが寄与したが、輸入の伸びが輸出を上回っており、成長率をやや押し下げた。7-9月期については、家計消費や政府支出の伸びはやや鈍化し、輸出増加も期待できないことから、域内の成長率は4-6月期の実績を下回り、1%台後半に鈍化する可能性が高い。
★米国株価安でも米FRBの利上げ軌道は維持
FRBが政策決定する上で、インフレ指標として注視している変動の激しいエネルギーや食品を除いたコアPCE価格指数は前年比+2.0%となった。FRBはインフレ目標を5カ月連続で達成した。 また、米商務省が発表した9月個人所得は前月比+0.2%と、伸びは予想外に8月+0.4%から鈍化、2017年1月以降で最低の伸びとなった。しかし、短期的な鈍化で、前年比での伸びは+4.4%と、ここ数年の+3.6%水準を上回る勢いとなった。貯蓄率は6.2%で、前回の6.4%から低下した。強い経済状況が消費者信頼を押し上げ消費につながっている。しかし、ハリケーン・フローレンスの影響で労働時間が短縮され消費をいくらか鈍化させたと見られている。今後は賃金も上昇する可能性が強い。 FRBが利上げ軌道を修正する必要は今のところ見られない。計画通り12月に追加利上げに踏み切ることが正当化される。
★米債務膨張への警戒感高まる可能性も
米財務省は、2018年の米国債発行額が1兆3380億ドル(約150兆円)に膨らむとの見通しを示した。減税による税収減や歳出拡大による財政赤字を賄うため、前年の2倍超に拡大した。10年(1兆5860億ドル)以来8年ぶりの高水準に達する見込み。債務膨張への警戒感が高まる恐れがある。財務省が同日発表した18年10~12月期の国債発行による借入予定額は4250億ドル。同期の比較では08年以来の規模となる。
米国では昨年末に10年間で約1兆5000億ドルの減収をもたらす大規模な減税が実現した。また、国防や社会保障関連の予算も増やしたことで、18会計年度(17年10月~18年9月)の財政赤字は7789億9600万ドルと、6年ぶりの大きさとなった。
★週末米国市場では10月雇用統計が公表
前月9月はハリケーン打撃などに見舞われており、反動改善が注目されそうだ。トランプ政権は11月の中間選挙時点で有権者に政権成果の実感が得られるよう、減税措置などを実行してきた。10月は年末商戦向け臨時雇用の始動などもあり、雇用、賃金ともに底堅さが示される可能性がある。ただ、10月以降の米企業決算発表では、輸入関税引き上げなどによる仕入れコストの上昇が悪材料となってきた。世界経済の減速懸念もあり、企業サイドによる雇用と賃金の抑制を通じた合理化策への動きは懸念材料となる。
★欧米市場イベント
○15:30 7-9月期仏国内総生産(GDP)速報値(予想:前期比0.5%)
○16:45 9月仏消費支出(予想:前月比▲0.4%)
○17:00 10月スイスKOF景気先行指数(予想:100.6)
○17:55 10月独雇用統計(予想:失業率5.1%/失業者数変化▲1万2000人)
○19:00 7-9月期ユーロ圏GDP速報値(予想:前期比0.4%/前年比1.8%)
○19:00 10月ユーロ圏消費者信頼感指数(確定値、予想:▲2.7)
○19:00 10月ユーロ圏経済信頼感指数(予想:110.0)
○22:00 10月独消費者物価指数(CPI)速報値(予想:前月比0.1%)
○22:00 8月米ケース・シラー住宅価格指数(予想:前年比5.8%)
○22:00 7-9月期メキシコGDP(予想:前期比0.5%/前年比2.4%)
○22:30 プラート欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○23:00 10月米消費者信頼感指数(予想:136.0)
○23:10 ラウテンシュレーガーECB専務理事、講演
○31日05:00~ ゼネラル・エレクトリック(GE)第3四半期決算
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