FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:企業業績改善を期待した買い先行

手掛かり材料難の中で値ごろ感からの押し目買いが入り、底堅く推移した。米国株が小反落に留まり景気回復を背景とした企業業績改善を期待した買いが先行した。また、台湾や香港などアジア株式相場の堅調を受け買い安心感が広がり上げ幅を一時300円超に広げた。半面、戻り待ちの売りが出やすかった。米国株先物が午後になって軟調に推移したことも上値を抑えた。結局、前営業日比212円高の2万9751円で終了した。

 

東京外国為替市場:米長期金利の上昇からドル買いやや優勢

ドル/円は、米長期金利が上昇に転じたことで、日米金利差拡大を意識したドル買い・円売りとなり、109.53円付近まで上昇した。さらに、仲値発表前後にかけて国内輸入企業などのドル買い・円売りが持ち込まれ、109.62円付近まで上昇した。その後は、日経平均株価やアジア主要株価を睨みながら、109円台半ばで小幅な値動きとなった。午後は、米長期金利が1.69%台へじり高に推移した流れに沿って、109.75円付近まで上昇を続けた。バイデン米大統領が、雇用計画を進展させるために超党派の議員グループと協議したと報道されたことも、ドル買いを後押しした。ただ、昨日東京市場の高値109.77円が上値の目処として意識されると、上げは一服した。その後は、ポジション調整や利益確定のドル売り・円買いも見られ109.70円付近まで上げ幅を縮めた。ユーロ/ドルは、ドル/円に連れてドル買い・ユーロ売りが優勢になり、1.190ドル付近から1.188ドル台へじり安となった。

 

15日のトルコ中銀による金融政策会合結果待ちの状態

15日は、カブジュオール氏がトルコ中銀総裁に就任後、初の会合となる。低金利を望むエルドアン大統領から指名されたとはいえ、インフレ上昇が顕著な中で新総裁は現状の引き締め策を引き継がざるを得ない、というのが市場の大方の見方である。警戒された早期緩和はひとまず避けられそうであり、声明文などで会合結果を見極めるまでは下値を試す動きも強まり難いのではないか。 一方、昨日発表された2月トルコ経常収支は前年同月比89%も赤字が拡大したことが示しているように、トルコからの資金流出増がリラ相場の重しとなっている。トルコは観光収入や外国からの直接投資などで赤字を補う必要がある。しかしながら新型コロナ感染拡大の加速で観光セクターの回復は大きく遅れ、エルドアン大統領の中銀人事介入で今後の金融政策の不透明感が高まり、外国からの資金流入も細っている。

 

南アの観光業は甚大な被害

商品価格の上昇、財政が予想以上の税収増で良かったこと、またバイデン米大統領のインフラ再興計画での工業用金属の上昇などもランド買い要因となっている。 しかしながら、南アはいまだに多くの国との空の便での交流がない状況が続いている。変異株問題が解決するまでは南アの空の便は厳しい状態が続き、同時に観光業界などは甚大な被害を広げたままになっている。

 

本格化する米国企業の決算後の相場に注意

14日前後から本格化する米国企業の1-3月期決算発表だ。リフィニティブがまとめたアナリスト予想によると、S&P構成銘柄企業の同期利益は前年同期比+25%増と、2018年以来の好業績となる見通しとなっている。一方で米国株は昨年11月以降、今年の1-3月期決算を含めた企業収益の大幅改善を織り込む形で大幅高となってきた。その意味で4月後半にかけて続く決算発表では、良好でも一旦の好材料出尽くしや最良期の先行きピークアウト懸念、悪ければ過剰期待の反動失望などにより、短期的な米株安が警戒される。米国株の季節アノマリーとしても、4-5月は調整下落となるパターンが目立っている。米国株が調整下落となる場合、為替相場では安全逃避通貨であるドルや円の買いが優勢となる。

 

中国を為替操作国に認定しない方針:新たな対立を回避

イエレン米財務長官は就任後初の為替報告書で中国を為替操作国に認定しない方針である。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。米中の新たな対立は避けられる見通しとなっている。議会に半期に一度提出する同報告書はまだ策定中で15日が公表期限だが、財務省がいつ公表するかは明らかになっていない。財務省報道官はコメントを控えた。トランプ前政権時代、財務省は通常の公表時期でない2019年半ばに突如、中国を為替操作国に認定したが、そのわずか5カ月後、米中貿易交渉で譲歩を引き出すため認定を解除した。為替報告書を政治化していると批判された。
関係者らによると、イエレン長官のチームは、競争上優位に立つため為替を操作していると認定するハードルを引き下げたトランプ政権の19年の決定を覆す可能性を議論している。この協議が非公表だとして関係者らは匿名で語った。決定が覆された場合、為替報告書の対象国のうち、警戒が必要な監視対象国・地域の数はほぼ半減する可能性がある。

 

パウエル米FRB議長はアルケゴスの問題を注視

パウエル米FRB議長は、米投資会社アルケゴス・キャピタル・マネジメントを巡る巨額損失問題に関連し、状況を注視するとともに、国内外の規制当局とも協力しながら真相の解明に努めると表明した。1人の顧客によって銀行が大きな損失を被ったことは『懸念される』と指摘した。その上で、『各行ともそれぞれのリスクを認識しながら、それを管理するためのシステムを備えていることを徹底したい』と語った。

 

米国市場では3月消費者コア指数が公表

2月実績は前年比+1.3%にとどまった。衣料品、航空運賃などの値下がりが影響した。3月については、順調なワクチン接種計画を背景に経済活動が段階的に再開されていることから、コアインフレ率は上昇するとみられている。

 

欧米市場イベント

○15:00   3月独卸売物価指数(WPI)
○15:00   2月英国内総生産(GDP、予想:前月比0.5%)
○15:00   2月英鉱工業生産指数(予想:前月比0.5%/前年比▲4.5%)
○15:00   2月英製造業生産高(予想:前月比0.5%)
○15:00   2月英商品貿易収支/英貿易収支(予想:105.00億ポンドの赤字/24.00億ポンドの赤字)
○16:00   2月トルコ鉱工業生産(予想:前月比横ばい)
○18:00   4月独ZEW景況感指数(予想:79.5)
○18:00   4月ユーロ圏ZEW景況感指数
○21:00   2月ブラジル小売売上高指数(予想:前年同月比▲3.6%)
○21:30   3月米消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.5%/前年比2.5%)
       エネルギーと食品を除くコア指数(予想:前月比0.2%/前年比1.5%)
○23:30   ビルロワ・フランス中銀総裁、講演
○14日01:00   ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁、講演
○14日01:00   デイリー米サンフランシスコ連銀総裁、討議に参加
○14日01:00   バーキン米リッチモンド連銀総裁、講演
○14日02:00   米財務省、30年債入札
○14日05:00   ボスティック米アトランタ連銀総裁、メスター米クリーブランド連銀総裁、ローゼングレン米ボストン連銀総裁、討議に参加

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